京都の千筋京水菜が『青空レストラン』で紹介されるようです。京都の水菜は「切水菜」と呼ばれることもあり京都の九条町(東寺)付近が発祥の京野菜です。もうひとつ京都では「丸水菜」というのがあります。これは実は「壬生菜」のことで、水菜とはまったく別物が「丸水菜」と呼ばれているのです。
なぜ京都では水菜は2つあるのでしょうか?
実際に「京菜(京都産の水菜)」と「京都産の壬生菜」を入手して食べ比べてみました。(実食レビュー)
京都の伝統野菜 水菜 青空レストランで紹介
京都の伝統野菜「千筋京水菜」が青空レストランで紹介されるようです。撮影ロケは2017年1月25日に行われたようで、放送日は2月18日に紹介されるようです。
京都上鳥羽の生産者さんということなのですが、予告を見る限りでは京都市伏見区向島付近の宇治川沿いにある広大な畑が映っています。
水菜は京野菜のひとつで伝統的にも京都が産地(東寺・九条町)の野菜です。
・京都の九条付近(東寺界隈)の湿地帯で栽培されていた京野菜
・京菜とも呼ばれる
・シャキシャキした食感を楽しむ
・味はやや苦みがある
・大阪では「はりはり鍋」の食材
「京菜」とも呼ばれますが、古くから「水菜」と呼ばれており、東寺のある九条町界隈で栽培されていたとされています。
近年は多くが関東で生産されており、京都産どころか近畿産のものは数が少なくなっています。
水菜は葉がギザギザしているのが特徴
水菜は葉はギザギザで茎の部分が白くシャキシャキして、少し苦みのある京野菜です。
大阪では「はりはり鍋」の材料として冬場に食べるご家庭が多く、スーパーなどでもよく見かけます。
昔からある関西の水菜は大きいものだと白菜ほどの大きさがあるもので、『青空レストラン』で紹介されるのも通常の3倍の時間をかけて育てられた「千筋京水菜」という水菜です。
しかし、市販の水菜はさほど大きくはありません。
この水菜ですが、実は京都では2種類あります。
水菜(切水菜)と壬生菜(丸水菜)です。
水菜(切水菜)と壬生菜(丸水菜)の違い
京都では水菜は「切水菜」と「丸水菜」があります。
前者が一般的な「水菜」で、後者が「壬生菜(みぶな)」と呼ばれているものです。
もともと区別がなかったようで、1800年前半頃に厳密に区別されるようになったと推測されています。
両者の違いは葉の形状で見た目は結構異なります。
・切水菜 → 葉はギザギザで一般的な「水菜」のこと
・丸水菜 → 葉が丸く、発祥地京都の地名で「壬生菜」と呼ぶ
水菜(切水菜)と壬生菜(丸水菜)はどちらが先に栽培されたのか
では「水菜と壬生菜はどちらが先だった」のでしょうか?
「水菜」は1686年の文献に記載されており、その後1800年前半頃に「壬生菜」という名称が出てきたことから、もともとは区別されていなかったと推測されているのです。
水菜(みずな) 1686年の文献に記載されている
壬生菜(みぶな) 1800年前半の文献に記載されている
京野菜専門店などで取材してみると「水菜と呼ばれていたのは丸水菜が先で、それに似ていたので今の水菜を切水菜と呼ぶようになり、それまでの水菜は丸水菜と呼んで区別したようです」と教えてもらいました。
ただ、厳密には判明していないようです。
では!次で、実際に両方食べてみましょう!
京都産の水菜(京菜・切水菜) 実食レビュー
今回は京野菜のプロショップ「御室のよしむら(みやびのふる里)」さんにご協力いただき、京都産の水菜を入手してきました。
『満天☆青空レストラン』で京都の「堀川ごぼう」が紹介された際にも訪問したお店で、日ごろお世話になっている専門店です。
市販されているものは、茎のところから二等分して売られています。
2017年1月時点で、先日降った大雪にあてられた水菜が多く値段が急騰しています。通常なら「80円~90円」程度ですが、倍の価格になっています。
風などでも葉がすぐに痛むため、水菜全体がビニール袋に覆われて出荷されるのが一般的です。
今回は鍋で食べてみました。
本みりんで少し甘味のある昆布だしで、豆腐と鶏肉の鍋をつくって、最後に水菜をのせて少し煮たてて食べてみました。
あまり煮込むものではなくシャキシャキ感を味わう食材です。
料理しないと少し苦みはありますが、出汁と一緒なので気にならず、みずみずしいシャキシャキ感を味わうことができました。
うどん・パスタなどのトッピング、サラダなどでも食べることができます。
京都産の壬生菜(丸水菜) 実食レビュー
こちらが「丸水菜」と呼ばれる「壬生菜(みぶな)」です。
葉が丸いのが写真でもわかると思います。
これも1月15日の降雪で葉をやられて出荷量が少なく、市場で状態の良いものはこれが最後の一本だったそうです。
「壬生(みぶ)」は京都の地名で「丹波口の北側のエリア」のことをいい、地名をとって丸水菜を「壬生菜」と呼ぶようになりました。
味は「葉はやや青臭く」、茎にはほんのりと甘みがあります。
京都では冬に漬物にされることがほとんどで、壬生菜の浅漬は高級品として売られていたりします。
市販の「浅漬けのもと」で漬けると激ウマだったりします。