京の冬の味覚「千枚漬け」がピンチになった原因を解説します。12月8日放送MBS『VOICE』で、京の冬の味覚「千枚漬け」がピンチと報道されたのですが、解説がわかりづらく本当のことが伝わっていませんでした。今年は台風21号とその前の長雨で野菜が高騰しているのですが・・・・
台風が来ると野菜が必ず高騰するわけではないのです。
京の冬の味覚「千枚漬け」がピンチ
12月8日放送MBS『VOICE』で、京の冬の味覚「千枚漬け」がピンチと報道されました。
これについては、10月23日の本ブログ記事で書いた「野菜高騰」が原因です。
特に、千枚漬けの材料となる「聖護院かぶら」のような根菜が打撃を受けており、昨年よりも入荷量が半減し、仕入れ値が3倍に高騰しています。
・入荷量半分
・仕入れ値が3倍に高騰
・台風21号が原因だが、その前から長雨だったのが原因
『VOICE』では、台風21号の前に長雨だったからと解説していましたが、これでは本当の原因は伝わりません。
そこで、なぜ今年は台風21号で大きな野菜不足になっているのか解説します。
野菜高騰の本当の原因
台風が来ただけでは、さほど野菜は高騰しません。
しかし、今年は台風21号が日本を横断したことによって、野菜の代替地がない状況になったので、全国的に野菜不足になったというのが基本的な理由です。
ただし、他にも原因があるのです。
それは、台風の前に長雨があったからで、これは『VOICE』が取材していた農家さんでも話していました。
報道ではそれだけしか言ってませんでしたが、詳しくいうと「台風の前の長雨で水びたし」だった畑が・・・・
田んぼのようになってしまったのが原因です。
・台風の前から雨が続いていたところで台風が来たので畑が田んぼのようになった
・根菜類が根腐れする
・土の上に実る野菜も台風一過後の日照りで水面に反射した光で茹だってしまう
畑が田んぼのように水びたしになると、台風後に弊害がくるのです。
ひとつは、土の中に実る「根菜類」が根腐れするので、基本的に「聖護院かぶら」のような野菜はダメになります。
さらに、台風一過後に田んぼのようになった畑の水の反射で、太陽光を浴びた野菜(土の上に実るもの)も太陽の熱で煮込まれたようになってしまうのです。
これが、京の冬の味覚「千枚漬け」がピンチになった原因です。