今回は滋賀県の琵琶湖で穫れる魚「鮒(ふな)」で作る鮒寿司の紹介です。それも普通の鮒寿司ではなく「オスの鮒寿司」なんです。一般的な鮒寿司はメスの鮒を使うのですが、今回紹介する「奥村佃煮」さんではオスの鮒を使って鮒寿司を作っているのです。
メスの鮒寿司とオスの鮒寿司、どんな違いがあるのでしょうか。
滋賀県の奥村佃煮が作る珍しい「オスの鮒寿司」
皆さんは琵琶湖の「鮒寿司」はよくご存知だと思います。
琵琶湖は関西の水源として知られており、琵琶湖で穫れる鮒で作る発酵食品「鮒寿司」は歴史もあり、琵琶湖グルメの代名詞とも言える商品です。
しかし、鮒寿司はもうひとつあるのです。
それが「オスの鮒寿司」です。
オスの鮒寿司とメスの鮒寿司の違い
一般的な「鮒寿司」は子持ちのメスを使うのですが、今回は珍しい「オスの鮒寿司」を食べてみました。
オスの鮒寿司とメスの鮒寿司の違いは一目瞭然で、メスは「子持ち」なのでオレンジ色の魚卵を食べる鮒寿司です。
上の写真が「メスの鮒寿司」で、子持ちであるのがよく分かると思います。
オスの鮒寿司は、当然ですが「魚卵」がない鮒寿司です。
そのため、鮒の身と腹ワタを取り除いた部分に発酵した米が詰まっているのが、上の写真で確認できます。
発酵した米は鮒を漬けるためのもので、それがそのまま大量に鮒に付いています。
子持ちではない分、値段はとても安価でメスの半分の値段で販売されています。
・オスは中に発酵した米が詰まっており肉が少ない
・オスの方が安価で、メスの値段の1/2程度
オスの鮒寿司の味
オスの鮒寿司は子持ちではないため、腹ワタ部分には塩で発酵させた米が詰まっています。
これがとても酸っぱい味で、身の部分が少なめなので、なおさら酸っぱさを感じます。
奥村佃煮さんの「鮒寿司」は、発酵臭はさほどしない(上手に漬けてある)ので、食べやすいのですが、こればかりは好き嫌いがある商品なので万人にウケるグルメではありません。
とはいえ、値段はメスの半分でお手軽です。
上の商品の値段、実は300円なんですよ(メスは1000円~2500円程度)。
メスの鮒寿司だと倍以上の値段がすることを考えれば、とても安価だと言えます。
オスの鮒寿司をつくる奥村佃煮
では、このオスの鮒寿司を作る「奥村佃煮」さん、いったいどんなお店なのでしょうか。
実は、琵琶湖の漁業を支える業者さんで、琵琶湖の漁師さんが獲った魚を全部仕入れて鮒寿司や佃煮を作っている老舗の佃煮店です。
全部引き取るのは、激減する漁獲高や減っていく漁師を守るためです。
しかし、魚の中には安価なものや売れないものもあります。
たとえば、子持ちではないオスの鮒は商品価値が低く、商品として売りづらいのです。
今回の「オスの鮒寿司」は、商品化しづらいオスの鮒を使った意欲的な商品といえるでしょう。
奥村佃煮さんは近江八幡市に本店である「遠久邑 八幡堀店」と、すぐ近くにロードサイドの大型店「奥村佃煮」があります(お向かいは旧店舗)。ちなみに、遠久邑は「おくむら」と読みます。
営業時間:10時~17時
定休日:月曜日(祝日営業)
オスの鮒寿司が購入できる場所
製造販売は「奥村佃煮」さんですが、商品は道の駅などでも購入可能です。
京都から本店の近江八幡市まで行くのは、とても遠いので、もう少し近場の「道の駅びわ湖大橋米プラザ」などで購入するのがおすすめです。
こちらで購入すれば、約半分の行程で行くことができるからです。