今回の「京都グルメ」は「どぼ漬け」の話です。いわゆる「ぬか漬け」のことですが、京都では「どぼ漬け」と呼んでいます。野菜を「ぬか床」に漬けて作られる発酵食品の王様とも言えるものですが、ぬか床が古ければ古いほど美味しい漬物になります。しかし「ぬか床」の管理は大変で、今では「ぬか床」を作っている家庭も少なくなりました。
でも、京都では年代物である「57年物の糠床で作る」という「どぼ漬け」を販売しているお店があるのです。
最新情報:2018年11月~、販売店の営業時間が午後13時からになっています。
京都の匠が生涯をかけて作った「ぬか床」の話
上の写真、今では見かけることも少なくなりましたが、昔は一家にひとつはあった「ぬか床」です。
この「ぬか床」、実はとんでもない代物です。
今から57年前、京都に住むひとりの匠が生涯を賭けて作り上げたと言われている「ぬか床」で、今は二代目に継承されています。
初代はこの「ぬか床」のために旅行にもいかず、50年間毎日毎日「ぬか床」の世話をして過ごしたと言われています。
そのため、匠の作る漬物は近所で評判となり「おいしい漬物」と言われるようになります。
しかし、匠もさすがに50年も「ぬか床」の世話をしていれば高齢となってしまい、遂には他界してしまいます。
では、その後「ぬか床」はどうなったのでしょうか?
ぬか床というのは「50年もの」であれば宝物みたいなものです。
これだけでひとつの漬物屋さんが出来てしまうほどのものなのです。
そんな貴重な「ぬか床」ですが、実は今でも継承されて生き続けているのです。
その「ぬか床」で作ったぬか漬けを買えるお店が京都にはある
では、この至宝の「ぬか床」は現在どうなっているのでしょうか。
実は、匠の他界後すぐに二代目に継承され、2018年で57年物になっているのです。
継承の際に、二代目は初代の奥様に「手」を見られたそうです。
手を見た奥様は、もう一度やって来て初代の糠床を一玉渡して「二週間後にまた来るから」と言い残して帰っていきました。
二週間後、二代目はもらった一玉で糠床を作ったのを奥様に見てもらったそうなのですが、奥様は糠をひとつかみ食べると「うん、いいじゃないか」と言って糠床を二代目に託したというわけです。
ということで、今回の「京都グルメ」は、発酵食品の王様「どぼ漬け」、ぬか床の匠が生涯をかけて作ったという「ぬか床」で漬けた「どぼ漬け」の実食レビューです。
京都では「ぬか漬け」のことを「どぼ漬け」と呼んでいます。
京都を観光すれば、至るところに「京つけもの」のお店があることに気がつくはずで、観光地などへ行けば「西利(にしり)」さん、「もり」さんなどが店舗を構えています。
そのため、京都観光のお土産に「漬物」を買って帰ったことがある方も多いことでしょう。
しかし、最近では浅漬けのものが多く、ほんまもんの「古漬け」はあんまり売られていません。
匠が生涯をかけた「ぬか床」で漬けた「どぼ漬け」
でも、実は「57年という年代物のぬか床」で漬けた「どぼ漬け」を購入できるお店が京都にはあるのです。
上の写真が、実際に匠が生涯をかけて育てた「ぬか床」で作った「どぼ漬け」です。
匠が生涯をかけただけあって、今でもものすごい生命力をもった「とても力強い」ぬか床で、半日もしないうちに「古漬け」が出来上がります。
それがまた、昔ながらの強烈なスッパさがヤミツキになるという・・・・
とても美味しい「どぼ漬け」なんです。
生涯をかけた糠床で漬けた京都のどぼ漬け、すっぱウマウマでお酒のオツマミにもなります。
では、この「匠が生涯をかけて育てた」という「ぬか床」で漬けた「どぼ漬け」は、いったいどこで買うことができるのでしょうか。
匠が生涯をかけた「ぬか床」があるお店とは?!
では、この匠が生涯をかけた「ぬか床」があるお店とは、どこのことなのでしょうか。
それは、御室仁和寺にある京野菜・地野菜の専門店「御室のよしむら」さんです。
京野菜のプロショップで、本ブログでも以前から紹介させてもらっている八百屋さんです。
店頭には並んでいないのですが、店頭に「ぬか床」が置いてあります。これだけで十分でしょう、分かる方は見れば分かるのです。
だから、知っている人だけ買って行くというもので、この「どぼ漬け」を知っている方は相当な漬物ツウと言えるでしょう。
最新情報:2018年11月~、販売店の営業時間が午後からになっています。
営業時間:13時~18時
定休日:日祝(2017年12月31日~2018年1月8日は正月休業)
公式サイト:https://omuronoyoshimura.com
公式Twitter:https://twitter.com/omuroyoshimura
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