今回の記事は「全国に1200店あったラーメンの味が京都市内に1店舗だけ残っていた件」という内容です。
実は先日、京都市南区(十条)で飲食新店を探していた際にラーメン店「らーめんぐっさん」の前を通りました。
お店の前はこれまでもよく通っているのですが新店ではないので食べたことがないお店です。
その時は遅めのお昼ご飯を食べようと飲食店が少ない十条エリアからイオン京都洛南店の「横浜中華華星」に移動中。京都ではほとんど存在しない本物の「タンメン」を再度食べようとウキウキしながら歩いていた時でした。
昔からある京都のラーメン屋だろうと「らーめんぐっさん」には興味を持っていなかったのですが、店頭のメニューにある文字を見つけてしまったのです。
そのメニューというのが「元祖!札幌味噌らーめん」というラーメンです。
私が京都に移住してきた時の京都といえば味噌ラーメン不毛の地でした。味噌ラーメン専門店は百万遍の「伝丸」や一乗寺の「新進亭」くらいのもので、伝丸はゼンショーホールディングスではあるものの食べたらショッパイし、新進亭は美味しいけど関東で食べなれた味噌ラーメンとは全然異なるものでした。
最近では「らーめん はや川」や「からみそラーメン ふくろう」に「札幌ラーメン 柳」と「札幌らーめん 麺や虎鉄 京都拉麺小路店」といった味噌ラーメン専門店が開業して京都でも味噌ラーメンを食べる機会が多くなりました。特に「らーめん はや川」や「からみそラーメン ふくろう」は味噌ラーメンとしてとてもよく出来た美味しいお店です。
でも、最近オープンした味噌ラーメン専門店は今風の味噌ラーメンで私が東京から京都に移住してきてからずっと食べたかった「札幌味噌ラーメン」とは違うのです。
その食べたかった「札幌味噌ラーメン」らしきメニューが「らーめんぐっさん」にあるっぽいので入店してみることにしました。
訪問日(取材日)は2024年6月16日です。
※喫煙可能店です。
らーめんぐっさん さんは京都市南区(十条)のラーメン店です。
いつから営業しているかは知らないのですが、だいぶ前から営業していそうな年季が入った外観で昭和から営業していたと言われても納得しそうなお店です。
らーめんぐっさんに入店すると、手前にカウンター席、奥にテーブル席があって漫画本も置いてあったりと一般的なラーメン店の雰囲気です。
お店は私の親くらいのご夫婦ふたりでされていて、話してみるといろいろと気遣ってくれるおふたりで優しい方でした。
注文は席で店員さんに注文するようになっていて、ブログ開設以来11年間で私が見つけた新店(飲食店)ではこの注文方法が一般的です。
支払い方法は「現金のみ」です。
ラーメンは「味噌ラーメン・醤油ラーメン・塩ラーメン・豚骨ラーメン・味噌担々麺・西京味噌ラーメン・カレーラーメン」とたくさんの種類がありました。
セットメニューは「唐揚げ・とんかつ・玉子焼き・焼き飯・カレーライス・餃子・牛すじコロッケ」の定食に半ラーメンにが付く感じですね。
※セットのラーメンの種類は未確認。
メニューだけ見ると普通のラーメン屋さんに思えますが、実は全然違ったのです。
元祖!札幌味噌らーめん(790円)
みそ担々麺(850円)
ぐっさん。チャンポン(920円)
しょうゆらーめん(750円)
塩らーめん(790円)
とんこつらーめん(790円)
西京味噌らーめん(790円)
ぐっさん。カレーらーめん(790円)
焼きそば(750円)
揚げそば(920円)
※値段は税込み価格です。
※メニューと値段は取材時点のものです。
注文したのは「元祖!札幌味噌らーめん(790円)」と「焼き飯 スープ付き(680円)」です。
焼き飯セットもありますがセットだとラーメンは半サイズなので、それぞれ単品で注文しています。また、セットだとラーメンとしか記載がなかったのでここは確実に味噌ラーメンを食べるためにも単品にしました。
焼き飯はどんなものか不明でしたが、美味しいチャーハンを探すということも日々しているので注文しておきました。
ラーメンどんぶりには「青ねぎ・チャーシュー2枚・コーン・もやし・メンマ」がトッピングされていていました。
ぐっさんでは味噌ラーメンではあるものの「豚ひき肉」を使っていないのと、野菜とスープを中華鍋で炒めずに普通のラーメンの作り方でした。
札幌味噌ラーメンに必須の「もやし」は見てわかるように入っていますが同じく必須の「ニンニク」を使っているかは見た目では分かりませんでした。
一般的な札幌味噌ラーメンは中華鍋で「豚ひき肉・もやし・ニンニク」をラードで炒めてから豚骨と鶏ガラで作られたスープを注いで作る「あおり製法」という方法で作られます。そのためスープ表面にラードが浮かんで「豚ひき肉・もやし・メンマ・ねぎ」がトッピングされたラーメンというイメージがあります。場合によっては野菜に「玉ねぎ・キャベツ・人参」のどれかを入れる場合もあるし、ひき肉ではなく「チャーシュー」が入っているお店もあります。また、札幌のイメージが想起される「コーン」を使うお店もあって札幌味噌ラーメンといえば「コーン・バター」というイメージが強いですが必ずしもそうではありません。生姜を添えるお店もあります。ですがお店によってバリエーションが多いのが札幌味噌ラーメンで「これが札幌味噌ラーメンだ」という定義は難しいのです。
そもそも札幌といえば味噌というのも違っていて、私だと札幌ラーメンといえば「塩・味噌」が浮かびます。私が生まれた時代はインスタント麺の「サッポロ一番」シリーズ(醤油・味噌・塩)が販売開始された頃なので「サッポロ一番 味噌・塩」を小さい頃から食べていたからです。また、札幌のラーメン店では「醤油・塩・味噌」の3種類があるのが一般的で札幌といえば味噌というわけではないのです。
やっぱ札幌味噌ラーメンといえばコシがある縮れた太麺ですよね。
でも、ぐっさんの麺を啜った感じでは京都でよく見かける中細麺で気持ち縮れているようにも見えなくもないやつ。札幌味噌ラーメンで一般的な縮れ太麺ではなく期待していた麺ではありませんでした
なんかいきなりテンション下がるのですが、問題はそこではありません。大事なのはスープです。
ちなみに、札幌味噌ラーメンの麺で有名な「西山製麺」はかん水が多めのコシがある多加水の熟成麺ですね。
なんか麺で最初からつまづきましたが、スープを飲んでみたところ「豚骨・鶏ガラ」のスープ。これは一般的な札幌味噌ラーメンのスープと同じでした。
サラッとしたスープで今風の濃厚でコクのある味噌スープではありません。
でも、これ私が東京で小学生の頃に近所のラーメン店で食べていた札幌味噌ラーメンの味に近い味わいで、独特な味噌とラードが絡み合う味わいとはまた異なるものの、私にはものすごく昔懐かしい札幌味噌ラーメンのスープで良い感じでした。でも、この味わいは京都の人は好きではない感じもしました。
ちなみに中学生くらいになると札幌味噌ラーメンといえば「札幌ラーメン どさん子」でした。
札幌ラーメン どさん子は1967年に東京で創業した札幌ラーメンのお店で、東京にたくさんお店がありました。1970年代に全国で1200店舗もあった超巨大ラーメンチェーンで全国に札幌味噌ラーメンを広げたのがこの「札幌ラーメン どさん子」です。
今はその当時から残る「札幌ラーメン どさん子」のFC店と直営店合わせて150店舗のみで京都府では福知山市で1店舗のみ残っています。福知山から舞鶴か宮津どっちか忘れましたが「札幌ラーメン どさん子」の元FC店の廃屋を見かけたりするので50年近く前にはもっとたくさんの「札幌ラーメン どさん子」が京都にもあったのでしょう。
中学生の頃に食べていた「札幌ラーメン どさん子」は本場の札幌味噌ラーメンとはまた少し違うのですがサラッとした味噌スープで中太縮れ麺で、ぐっさんと同じようにトッピングは「チャーシュー・コーン・もやし・メンマ」で挽き肉は使っていませんでした。
で、食べてる途中にジワジワと思ってきたのですが、その昔に食べた「札幌ラーメン どさん子」と「らーめんぐっさん」の味と見た目が似ているんですよね。
で、メニューを見直しているとある事に気が付いたのです。
このメニューって「札幌ラーメンどさん子 福知山店」と似てね?
その場でスマホで福知山店を調べると「味噌・塩・とんこつ・カレー・しょうゆ・カレーらーめん・焼きそば・揚げそば」と麺類メニューがほぼ一緒。さらに定食メニューが充実しているのも同じで「唐揚げ定食・とんかつ定食」は福知山店にもあり、それにミニラーメンを+250円でつけることができるようになっていました。
で、どさん子といえば「黒豚餃子」なのですが「ぐっさん」にもあるんですよ「黒豚餃子」が・・・・。
その場で店主さんに聞いたところ「らーめんぐっさん」はかつては全国に1200店あった「札幌ラーメン どさん子」のFC店だったそうです。
そう、もう京都では福知山市にしかないと思っていた「札幌ラーメン どさん子」の味が京都市内に1店舗だけ残っていたのです。
今は「らーめんぐっさん」として独立営業していますが、使っている味噌は今でも「札幌ラーメン どさん子」の頃と同じお味噌だそうです。
そして、今でも「札幌ラーメン どさん子」のホームページの店舗案内に「フリーブランド ぐっさん」として掲載されているラーメン店でした。フリーブランドとは元FC店で独立したお店のことっぽいですね。
う~ん、まさかここで昔懐かしい味わいの頃の「札幌ラーメン どさん子」の札幌味噌ラーメンを食べることになるとは思いませんでしたが、京都市内には1店舗のみなので、とても貴重なラーメン店なのが「らーめんぐっさん」というお店だったのです。
さて、一緒に注文した「焼き飯(紅ショウガ付き)」なのですが、いつもの京都の焼き飯かと思ったら全然違いました。
具材は「玉ねぎ・人参・ねぎ・魚肉ソーセージ・玉子」の五目チャーハンで、味付けはあっさりですが玉ねぎの甘味が感じられる私が大好きなやつでした。
東京に住んでいた頃に食べていたチャーハンに似ていて、これは「お酢」をたっぷりかけて食べたいやつですが卓上にお酢はありませんでした。
でも、そのままでも具材のいろいろな味わいが楽しめて私好みのめちゃ美味しいチャーハンでしたが、味噌ラーメンと同じでたぶんこれ京都の人の口には合わないような気がしました。
住所でいえば「〒601-8445 京都府京都市南区西九条菅田町27−1」で、大きな地図で見たい場合はこちらをクリックしてください(地図が開きます)。
記事掲載時に確認した京都「らーめんぐっさん」さんの営業時間は「11時~23時」で、定休日は「木曜日」ですが、営業時間と定休日は「地図」でご確認ください。
※営業時間や定休日はお店の都合で変更になっている場合がありますので公式がある場合は直近の情報を必ず確認してください。
※売り切れ終了で閉まっている場合もあります。
らーめんぐっさん さんに駐車場・駐輪場はありませんので公共交通機関や近隣のコインパーキングをご利用ください(地図)。
らーめんぐっさん 基本情報(クリックでオープン)
店舗名 | らーめんぐっさん |
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ジャンル | ラーメン |
食事予算 | 1000円 |
営業時間 | 11時~23時 |
定休日 | 木曜日 |
駐車場・駐輪場 | なし |
住所 | 〒601-8445 京都府京都市南区西九条菅田町27−1 |
地図 | こちらをクリック(地図) |
最寄り駅 | 十条駅(近鉄京都線) |
最寄りバス停 | 十条大宮バス停(バス停情報) |
テイクアウト | 非対応 |
イートイン | 対応 |
※この記事は2024年6月16日に取材して2024年6月17日に投稿されたもので「メニュー・値段・営業時間・定休日」当時のものです。
※お店の方にブログ・SNSでの掲載許可をいただいて記事を書いています。