京都には昔「宝屋・大王ラーメン」という系統のチェーン店がありました。アラフォーくらいのラーメン好きの方ならご存知だと思いますが、1998年頃に「大王ラーメン」としてオープンし、2003年に「宝屋」に屋号を変更。2010年11月1日に閉店した幻の京都ラーメン店です。
しかし今でも「熟成細麺」と看板に書かれているお店は元・宝屋系のお店なのです。
宝屋・大王ラーメンとは何なのか
「熟成細麺」と看板に書かれたラーメン店が京都にはいくつか存在しているのをご存知でしょうか。
ラーメンは「背脂醤油で豚骨+鶏ガラ+野菜」のスープ、薄切りチャーシューが何枚ものった、細麺のラーメンです。
京都の老舗ラーメン店「大栄」さんなどと味と見た目が似ており、京都ではよく見る感じのラーメンですが、独特の味わいがあり、なんというかやや複雑な味わいのするスープが特徴的です。
※実は「大栄」の店主さんが大王ラーメンにラーメンを作りに来ていたことがあるそうです。そのため味が似ているのだとか。
実はこれ「宝屋・大王ラーメン」という、かつて京都・大阪に実在していた大手チェーンのラーメン店と関係があるお店なのです。
・香来(壬生、京都中央卸売市場)
・神来(じんらい、西院)
・大宝ラーメン(烏丸五条)
・らぁ~めん京(みやこ)
株式会社グランツの子会社「(株)宝屋」が運営していたラーメン店もしくはスタッフのお店で、かつては大阪や岡山にも進出していたチェーン店のグループです。
京都では最初「大王らーめん」という屋号で展開していましたが、2003年11月1日に「京都拉麺小路」に出店する際に「宝屋」と屋号を変更しています。
その後、2010年11月1日に倒産したのですが、今でも当時のスタッフが独立して味を継承しているお店がいくつか残っています。
宝屋 西小路五条店
宝屋の屋号が今でも残っている店舗は1店舗のみで「宝屋 西小路五条店」です。
背脂の浮かんだ京都ラーメンで、豚骨+鶏ガラのスープからは「宝屋」の特徴的な旨辛の味わいと香りがしています。
卵かけご飯に「塩こんぶ」が付くのも同じで、ラーメンの味はややライトかなと感じますが、宝屋の屋号が残るだけあって味は近いようです。
香来 壬生本店
香来さんは壬生と京都中央卸売市場に店舗があります。
「元祖熟成細麺」を名乗っており、場所も元々「宝屋」だった場所にあります。
スープの味とチャーシューはほぼ宝屋で、旨辛でやや甘味のあるスープは豚骨と鶏ガラで野菜も使っているようです。
替玉があるのが「宝屋」とは違うところで、それ以外はほぼほぼ「宝屋」さんです。
ただし、味は宝屋より醤油が濃いめという味わいです。
この系統は深夜営業をしているところが多いのですが、こちらも深夜3時まで営業されています。
営業時間:11時~深夜3時(駐車場は22時まで)
定休日:水曜日
URL:https://ja-jp.facebook.com/kouraimibuhonntenn
神来(じんらい)
2012年2月2日に西院にオープンしたラーメン店「神来(じんらい)」さんも、鶏ガラ+背脂豚骨のラーメンと「宝屋」に似た味わいがあります。
元・宝屋のスタッフさんのお店ということで、深夜3時までの営業もそれを感じさせます。
こちらも前述の香来さんと同様にやや醤油が強めの味わいとなっています。
【閉店→復活】NEW大宝ラーメン
烏丸五条にある「大宝ラーメン」さんは、2012年に屋号が「大宝」となっていますが、それ以前は(若干空きテナント期間あり)「大王ラーメン 烏丸五条店」というお店でした。
「宝屋」は元々「大王ラーメン」という屋号でしたが、2003年11月1日に「京都拉麺小路」へ出店する際に屋号を「宝屋」に変更しており、その時に1店舗だけ「大王ラーメン」という名を残したのがこのお店です。
2010年に「(株)宝屋」が親会社の倒産とともに無くなると、このテナントも空きになりましたが、2012年に元スタッフさんが「大王」と「宝屋」の一文字ずつ使った「大宝ラーメン」という屋号でラーメン店をオープンしました。
最新情報:こちらの店舗は2020年6月8日に閉店しました。
最新情報2:2020年7月7日に同じ場所で「NEW大宝」が開店しています。
最新情報3:2020年12月10日に「NEW大宝 中央市場店」が開業しました。
らぁ~めん京(みやこ)
らぁ~めん京(みやこ)さんも宝屋出身の方が創業したラーメン店です(その方はもう会社にはいないようです)。
「熟成細麺」を名乗っており、味も特徴が似ている上に「たまごかけご飯」に「塩こんぶ」を使う点など類似点がかなりあります。
京都には「らぁ~めん京 祇園本店、らぁ~めん京 西院店、らぁ~めん京 河原町三条店」があります。
イオンモール京都五条にも2014年10月29日オープンした店舗がありましたが、そちらは2019年2月28日に閉店しています。
スープは旨味のあるスープ。それに柔らかい醤油ダレで味付けをしています。
現存の「宝屋・大王ラーメン」の中では、味の再現性が一番高いと思われるラーメン店です。
慈永(じえい)
元田中で2016年2月4日にオープンした「慈永(じえい)」さんも、実は「宝屋・大王ラーメン」の流れをくむラーメン店のひとつです。
店主さんは元は「大王ラーメン」の店長をされていた方だそうで、その時に一緒に働いていたのが「麺屋坂本」さんと「DS+(閉店しました)」の店主さんです。
こちらのラーメンも「宝屋・大王ラーメン」の味わいがあり、同じ系統のラーメンです。
※こちらの店舗の詳細は別記事がありますので、ぜひご覧ください。
営業時間:11時30分~14時30分、17時30分~22時
定休日:記載なし
備考:お店に駐車場や駐輪場はありません。隣にコインパーキングがあります。
麺屋坂本
先ほど「麺屋坂本」さんが元は大王ラーメンで働いていた方であると書きました。
一乗寺の「極鶏」で働いていたこともあるそうです。
ラーメンは独自のものではありますが、元メンバーの方のお店です。
※こちらの店舗の詳細は別記事がありますので、ぜひご覧ください。
営業時間:11時~15時、17時30分~22時
定休日:水曜日
公式Twitter:https://twitter.com/oNi1aVtEWwmLTVW
熟成細麺 宝屋 京都の今はなきラーメンチェーン
熟成細麺の味を継承するお店はまだあります。
西大路駅近くの「LA-MEN Zen」さんは、「大宝ラーメン」さんで修業した方のお店で、こちらも「宝屋」に似た味わいのするラーメンです。(紹介はこちらです)
「等持院ラーメン 円満や(閉店)」さんも宝屋に似た味わいなのですが、オーナーさんに聞いたら「はい、宝屋に似てます」と仰っていました。(紹介はこちらです)
スープは鶏ガラ+豚骨に野菜などを使った味わいがするラーメンで、やや旨辛というか若干の甘味と独特な香りがするラーメンです。