今回の「京都案内」は、とかく分かりづらい京都の一風変わった「うどん」メニューのお話です。京都では「きつね」は甘くないし、「たぬき」は刻み油揚げの餡かけだったりします。また「衣笠(きぬがさ)」とか「しっぽく・のっぺい」に「花まき」など聞きなれないメニューがあります。
今回はそれを写真で分かりやすく見比べてみましょう。
京都の一風変わった「うどん」メニュー

京都には一風変わった「うどん」メニューがある(太秦 きくや)
京都に生まれて住んでいるなら違和感はないものの、京都以外からやって来た方には違和感があるのが・・・・
「うどん」メニューです。
関西でよく見かける「麺類・丼物・定食」一式の麺類一式な大衆食堂で見かけるやつです。

うっかりさっぱり分からないメニュー
しかし、お店に入ってみると・・・・
メニューには聞きなれない名前が並んでいます。
きつね(油揚げきざみ・ねぎ、「きざみ」となっている場合もある)
たぬき(油揚げきざみのあんかけ)
甘ぎつね(甘い油揚げ、「きつね」となっている場合もある)
きぬがさ(甘ぎつねの玉子とじ)
玉とじ(玉子とじ)
けいらん(あんかけ玉子とじ)
しっぽく(しいたけ・かまぼこ・湯葉・ほうれん草)
のっぺい(しっぽくのあんかけ)
おかめ(五目)
花まき(焼き海苔・ほうれん草・わさび)
きつね・たぬき・甘ぎつね・きざみ

京都で「きつね」というと刻んだ油揚げのうどんです
一般的には「きつね」は大きな油揚げが乗ったうどんですが、関西・大阪では「きつねそば」のことを「たぬき」と呼んでいます。
しかし、京都ではさらに違います。
きつね(油揚げきざみ・ねぎ、「きざみ」となっている場合もある)
たぬき(油揚げきざみのあんかけ)
甘ぎつね(甘い油揚げ、普通に「きつね」となっている場合もある)

京都では「きつね・きざみ」と呼ばれ、その餡かけを「たぬき」と言います
京都で普通に「きつね」といえば「甘くない油揚げきざみ」がトッピングされています。
そして「たぬき」は、餡かけに「油揚げきざみ」がトッピングされています。
一般的な関東の「きつね」は、京都では「甘ぎつね」と呼ばれ区別されていて、甘い油揚げが入ったものです。
ただし、京都の老舗でも「甘ぎつね=きつね」と表記しているお店はあります。その場合、京都のきつねは「きざみ」と書かれている場合もあります。
※太秦「きくや」さんにて撮影(地図)
きぬがさ(きつねとじ)

きぬがさ(きつねとじ)
さて、かなりややこしい「きつね・たぬき」の種類から始まりましたが、ここで「きぬがさ(衣笠)」という種類のうどんもあります。
これは「きつねとじ」とも呼ばれ、ここでも「きつね」が出てきますが、どう違うのでしょうか。
きぬがさ(甘ぎつねに玉子をとじたもの)
実は、甘ぎつねに玉子をとじたものを「きぬがさ」というのです。
写真は「きざみ」の刻み方より少し大きめで、甘い油揚げが玉子とじになったものです。
なお、上の写真のものは「海苔・九条ネギ・山椒」も入っています。
※太秦「きくや」さんにて撮影(地図)
玉とじ・けいらん

「けいらん」は餡かけ玉子とじのことです
京都の麺類一式のお店に行くと、だいたいあるのが「けいらん」です。
京都の方だと「けいらんうどん」は結構身近で、京都うどんらしさを感じるのではないでしょうか。
玉とじ(玉子とじ)
けいらん(あんかけ玉子とじ)
「玉子とじ」と「けいらん」の2種類ありますが、これは後者が餡かけうどんのことです。
地元では、この「けいらん」を食べている地元のお客さんを結構見かけ、私もこれが一番お気に入りです。
※七条通「力餅食堂」さんにて撮影(地図)
しっぽく・のっぺい

しっぽく
京都では「しっぽく」というトッピングに「しいたけ・かまぼこ・湯葉・ほうれん草」などが乗ったものがあります。
それが餡かけになると「のっぺい」となります。
※太秦「きくや」さんにて撮影

のっぺい(あんかけ)
しっぽく(しいたけ・かまぼこ・湯葉・ほうれん草)
のっぺい(しっぽくのあんかけ)
ぱっと見は「おかめ」や「五目うどん」に似たものですが、シイタケと湯葉が入っているのが特徴的です。
※わら天神「大力餅」さんにて撮影(地図)
おかめ(五目)

おかめ(五目)
「おかめ」は京都でも稀に見かけるのですが、京都のものではないため、扱うお店は少ないようです。
「おかめ」はトッピングに「ナルト・かまぼこ・わかめ・鶏肉・ほうれん草・麩・しいたけ・うずら卵」などが乗ったものです。
いわゆる「五目」と呼ばれるものと同じで、東京が発祥とされています。
「しっぽく・のっぺい」と似ていますが別のものです。
おかめ(五目)
東京が発祥
京都でも見かける
鶏肉やうずら玉子が使われている
※太子道「招福亭支店」さんで撮影(地図)
花まき

花まき
京うどんの中でも、あまり聞かないのが「花まき」です。
花まきとは「焼き海苔・ほうれん草・わさび」が入ったもので、トッピングがお茶漬けに似たものになっています。
京都の上七軒界隈で食べられているもので、飲んだ後の「お茶漬け」のような感覚で食べられていたそうです。
花まき(焼き海苔・ほうれん草・わさび)
上七軒が発祥
お茶漬けを模したもの
※上七軒「ふた葉」さんにて撮影(地図)
京都の「うどん」の種類 まとめ

甘い油揚げは「甘ぎつね」といいます
ということで、京都の分かりづらい「うどん」の種類を写真でまとめてみました。
分かりづらいのは特に「きつね・たぬき」のところです。
「きつね」は甘くない油揚げを細かく刻んだものが入っており、それを餡かけとじになると「たぬき」です。
甘い油揚げは「甘ぎつね」と言い、それを玉子でとじると「きぬがさ」です。
あんかけ(あんかけ素うどん)
五目あんかけ
他人(牛とじ)
天ぷらとじ
ハイカラ(天かす・ネギ・花かつお・細かまぼこ・海苔)
他にも「他人」は牛とじであったり、「ハイカラ」というメニューのあるお店もあります。
京都には「麺類一式」と書かれた大衆食堂がたくさんありますが、そういったお店で食べることができます。
修学旅行の際に、中学生や高校生の社会見学のテーマなどで扱うと面白いテーマだと思いますよ。
※文中に出てくるうどん店「きくや(太秦)」さんは2022年3月頃に惜しまれつつも閉店しました。
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※本ブログは非商業系であるため、お店には客として訪問しています(業者ではありませんので掲載費用の徴収や商品販売の勧誘などは一切していません)。内容も客としての視点でのみ書かれたものです。
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記事を書いている人
記事を書いている人は飲食新店調査やグルメ実食レビューに定評のある「ノーディレイ(@nodelayworks)」により書かれています。1970年東京生まれ東京育ち・早稲田卒・学生時代から食べ歩きをしつつ上場企業などで新規事業開発課長・システムエンジニアを経験して退職。京都で第二の人生を送ることを決意して移住。記事にした新店情報は2400件以上あります。お問い合わせ方法はこちらのページを参照してください。