今回の「京都案内」は、京都・北野白梅町にある「木島櫻谷旧邸(櫻谷文庫)」に入っていろいろと見学をしてきましたので紹介したいと思います。木島櫻谷(このしまおうこく)は若くして天才画家と言われた京都の才人です。この「木島櫻谷旧邸」は後半生に自ら設計して建築した建物で、1913年(大正2年)に建築されたものです。
2017年3月3日~4月2日(金土日祝のみ)の期間限定公開なので見るなら今だけです。
木島櫻谷旧邸 期間限定 特別公開を見学
今回の「京都案内」は、京都で期間限定公開している「木島櫻谷旧邸」を見に行ってきました。
木島櫻谷(このしまおうこく)氏とは、京都で歴史画や風景画を描いていた明治・大正期の天才画家のことです。
その自宅が今でも北野白梅町に現存しており、国登録有形文化財に指定されています。
この衣笠という土地は、戦前には「絵描き村」と呼ばれていたそうです。
2017年3月3日~4月2日(金土日祝のみ)という短い公開期間ですが、実際に「木島櫻谷旧邸」に入っていろいろと見学をしてきましたので紹介します。
木島櫻谷旧邸 @京都・北野白梅町へ行ってきました
木島櫻谷旧邸があるのは北野白梅町駅のすぐ近くで、西大路通のひとつ西「馬代通」にあります。
入口にはボランティアの説明員の皆さんがいるので、そこで見学料600円を払って中に入ることができました。
写真撮影などOKということで、普段見ることができない邸宅に興味が高まります。
玄関にはおもてなしのお部屋
玄関にはおもてなしのお部屋らしきものがありました。
入口から板張りの廊下があり、和室がいくつかつながって襖(ふすま)で仕切られています。
昔ながらの家の造りです。
写真は和室で、玄関すぐ近くにあります。
お庭を見ながら、お客様にお茶を出すような用途で使われていたのでしょう。
勝手口と台所近くには手動ミシンが展示
古い立派な手動ミシンも展示されていました。
これは奥の勝手口や台所に近い場所にあり、ここで作業などが行われていたのでしょう。
家の人が普段使うような感じのお部屋ですね。
これで何を縫っていたのでしょうか?
展示ではエプロンがありますが、これも当時から使っていたものなのでしょう。
書斎
お庭に近い奥の部屋は、木島櫻谷氏の書斎らしきお部屋になっています。
書斎には昭和30年代くらいの「京都新聞」があり、子孫の方はこの時代くらいまでは実際に住んでいたのかもしれません。
日のあたるお部屋で、ここでよく新聞を読んだのでしょう。
古い家にはよくあった小さい事務机です。
ここでお茶を飲んだり、新聞を読んだり、執筆したりしたのでしょう。
お座布団なので、ちょっと横になったりもでき、のんびりする空間だったに違いありません。
昭和初期の小物や雑貨
一番奥の昔は庭園があったらしきお部屋には、お客さんを通すようなお部屋がありました。
そこには漫画『のらくろ』や、カルタにメンコなど戦時中とおもわれる時代の遊具が並んでいました。
こういうの、小さい頃には実家にたくさんあったものです。戦後まださほど経過していなかったから残っていたのですが、今はもう戦後70年も経過しており、こういった記憶が薄れていく頃です。
漫画『のらくろ』は小学生のころに全巻読んだものですが、今でも読まれているのでしょうか?
本屋でも復刻版とか最近は見ない気がします。
カルタは「童謡かるた」と書かれており、和洋の昔話のカルタです。
二階には着物や夢二人形がたくさんありました
二階にも上がることができます。
急な階段をのぼると、二階には着物や夢二人形がたくさんありました。
小さい女の子がままごとで使っていた品物ばかりで、着物も婚礼衣装なので、木島家の娘さんのものですね。
興味深かったお台所
家から出ると、説明員の方に「まだ台所と洋館がありますよ」と教えてもらったので、お台所を見にいきました。
昔の生活用具などに興味があるし、使い込んだものが多いので台所というのは、なかなか見どころがあるものです。
「リンナイ」のガス給湯器がありました。
昭和50年くらいまで、これ田舎にありましたが、今でも残っているところとかあるのでしょうか。
離れの洋館に向かいます
もうひとつ「洋館」が離れとして現存しています。
二階建ての建物ですが、入口からはすぐスロープの階段で二階へあがる構造になっています。
一階には何もないようで、たぶん別の入口とかで倉庫かなんかあるんだと思いましたが、とりあえず二階に上がります。
昔はあったであろう庭園が望めるお部屋があり、そこには木島櫻谷が描いた絵画が展示されていました。
絵は若干20歳で描いた緻密な歴史画が展示されていましたが、写真は撮りませんでした。
ものすごく精密で、20歳そこそこで描いたと説明を聞き「木島櫻谷氏って天才なんだな」と実感できる絵でした。
旧木島櫻谷家住宅
さて「旧木島櫻谷家住宅」ですが、普段は非公開の邸宅で、見学できたのは2017年3月3日~4月2日(金土日祝のみ)のみです。
立派なお屋敷で保存状態もよく、古い歴史的な品物も残っており、たいへん見どころのある史跡と言えます。
また、別の期間に公開する可能性もありますが、公式サイトや京都市の歴史イベントなどをチェックしていないと気が付かない可能性が高いといえます。
公開中はすぐ北の駐車場(テニスコート隣)が使えるので、自家用車でも行くことが可能です。
北野白梅町駅からも徒歩5分くらいで、京都市バスの205系統などを使って駅まで行き、そこから徒歩で行くことも可能です。
京都府京都市北区等持院東町56−1
見学料:600円
公開時間:10:30~16時
URL:http://oukokubunko.org/