京都にはたくさんの「湧き水・古井戸・名水」が存在しており、市内の街中でも飲むことが可能な湧き水が豊富に存在しています。
今回の京都案内は「京都のお水」をまとめました。
京都の名水を大紹介
京都が都(みやこ)であった理由には様々な理由があります。
主な理由は、そこに人が住むに適した土地があったということですが、生活に必要な水を入手するのに適した土地であったことも理由のひとつです。
京都の地下は巨大な水のプールがあると言われ、地下水を汲み上げる井戸が市内にまだ残っています。それを「銀明水」というのですが、神社の境内では水を汲める場所が結構あります。
京都の水といえば「銀明水」
京都では昔から地下水を汲み上げて生活水として使っきました。
これを「銀明水(ぎんめいすい)」と京都では呼んでいます。
京都の錦市場「伊豫又(いよまた、寿司店)」には地下に井戸があり、そこは年中14℃という冷蔵庫状態になっています。
また、京都最古の豆腐店「入山豆腐店」には「滋野井の名水」が今でも使われています。
京都では地下水で生鮮物を保存することで鮮度を保っていたのです。
・滋野井
・錦の水(錦天満宮)
・感応水(下御霊神社)
・銅駝水
・柳の水
染井の井戸 (梨木神社)
この「銀明水」の中で、いくつかの井戸が「京都七名水」と呼ばれています。
さらに、その上位3つが「京都三名水」と呼ばれるもので、現存する唯一の井戸が「染井の井戸(そめいのいど)」です。
梨木神社の境内にあり、手水舎では今でも市民の皆さんが水を汲みにやってきて賑わっています。
・佐女牛井(さめがい)
・縣井(あがたい)
冷たい水で、ほんのり甘みすら感じる名水です。
京都では一番有名な名水なので、名水巡りをするなら外せない場所です。
滋野井の名水 (上京区)
京都には名水と呼ばれる井戸以外にもたくさんの美味しい水があります。
それが京都七名水のひとつ「滋野井の名水」です。
美味しいお水として、今でも豆腐屋さんなどで使われていたり、お麩屋さんで汲んで持ち帰ることができるようになっています。
入山豆腐店
この滋野井は「入山豆腐店」の奥に今でも残っており、その水で作られた豆腐が売られています。
キレイに澄んだ水で、それで大豆を炊いて作った「100%豆乳」も売られています。
とても穴場な豆腐屋さんですが、実は「京都最古の豆腐店」なんです。
入山豆腐店の実食レビューもありますので、ぜひご覧ください。
飲用可
麩嘉(ふうか)
滋野井の名水が飲めるのが「麩嘉(ふうか)」で、昭和55年に井戸を駐車場で再建しています。
江戸時代創業の生麩の名店で、お店のお麩を作るのにキレイな水が多く必要で井戸を掘り直したそうです。
こちらの井戸はペットボトルなどに汲んでいくことができるようになっています。
麩嘉の実食レビューもありますので、ぜひご覧ください。
聖護院の湧き水
京都の岡崎エリアにも名水があります。
それを「聖護院の湧き水」というのですが、京うどんの製麺所で今でも使われている地下水です。
こちらの名水も飲むことができるようになっています。
早起亭うどん
この聖護院の湧き水が飲めるのが「早起亭」というウドン屋さんです。
岡崎の疎水近くにあり、製麺づくりにも使っている「聖護院の湧き水」を店内で飲むことができます。
実際に飲んでみましたが、京都らしいお水です(若干重い感じのする水)。
早起亭の実食レビューもありますので、ぜひご覧ください。
飲用可
錦の水 (錦天満宮)
かつて、京の台所と呼ばれた「錦市場」でお店の生鮮食品を冷蔵保存するのに使われていたのが「錦の水」です。
錦天満宮の手水舎で汲むことができ、持ち帰ることができるようになっています。
手水なのでペットボトルなどで持ち帰る方が良いでしょう。
感応水 (下御霊神社)
下御霊神社には「感応水」と呼ばれる地下水が湧き出ています。
ここも毎日水を汲みに来る方々が多く、近くの割烹などで使うために水を持ち帰っているのだそうです。
とても冷たい美味しい水です。
銅駝水 (中京区)
京都市役所から北へ「銅駝会館」の前に水道の蛇口があります。
妙なところにある蛇口なのですが、こちらも料亭などで使われる京都の名水のひとつ「銅駝水」です。
繁華街に近く便利な場所にあるので、とても人気のある水汲み場です。
こちらも京都らしいお水(若干重い感じがする)です。
柳の水 (中京区)
京都の柳水町(りゅうすいちょう)で汲み上げられた地下水が「柳の水」です。
京の黒染屋(馬場染工業)が1870年から使っている井戸が今でも使われています。
道端にある水ではなく、工場内に汲み場があり見学が可能となっています。
千利休がお茶に使った名水が湧く「柳の水」。ポケストップになってるんだけどその案内が割とストレートな表現で好き #京都 #千利休 #烏丸御池 #ポケモンGO #ポケストップ pic.twitter.com/nupZfrrHY8
— むらさきいろ (@murasak107) 2018年10月7日
杉坂の船水 (京都市北区)
京都で一番おいしいピュアウォーターが「杉坂の船水」です。
毎日汲みにくる方が多い、水量豊富な沢山の天然水です。
この水は約15年ほど前に一度テレビで紹介されたことがあり、その後は行列ができるほどだったのだそうです。最近は忘れられていますが、本ブログ「osumituki.com」で何度も紹介してまた知られるようになりました。
山頂に近い場所から豊富に湧き出る天然水なので、ミネラルなどは少なめですが、冷たくて飲み口が柔らかいナチュラルウォーターです。
この水を20年間(二ヶ月に一度くらい)汲みに来る方の話では、この水を容器に入れて2年間放置しても腐らなかったそうです。
場所は京都市北区の山中で公共機関では行くことができません。
京都の水道水について
最後に「京都の水道水」についても少し書いておきます。
京都の水道は基本的には琵琶湖(滋賀県)の水です。
琵琶湖の南西に疎水取水口があって、そこから京都市内まで水を運んできます。
京都の疎水と浄水場
琵琶湖から水を運ぶ水路が「疎水」と呼ばれる人工の川です。
インクラインとも呼ばれ、岡崎エリアにある「岡崎疎水」は観光名所にもなっています。
そこにあるのが「浄水場」で、山科区にある「新山科浄水場」、岡崎に近い「蹴上浄水場」も琵琶湖から疎水(インクライン)経由で水を取水して使っています。
(2)松ケ崎浄水場(琵琶湖)
(3)蹴上浄水場(琵琶湖)
(4)地域水道
琵琶湖疎水は高い方へ流れる水路
もうひとつ、琵琶湖疎水からだいぶ北に離れた京都市北区に「松ケ崎浄水場」というのがあります。
そこに水を運ぶのが「南禅寺、銀閣寺(哲学の道)」を通る水路です。
これも琵琶湖から「若王子取水池」に取水された水を運んでいる疎水なのですが・・・・
水をわざわざ北上させている
という非常に珍しい水路なのです。
これを実際に見ることができるのは「南禅寺の水路閣を通り哲学の道の脇を流れる高野川へ向かう疎水」です。
京都というのは北に行くほど標高が高いのですが、比叡山の地形をうまく利用して北に水を運んでいます。
(2)琵琶湖疎水~南禅寺の水路閣~哲学の道~高野川
(3)北に流れる水として知られている
地域水道
もうひとつ「地域水道」というものがあります。
京都市内北部の山は湧き水が豊富で、水道水を引くことができない山間部では湧き水を貯蔵して飲料水として使っています。
これが「地域水道」です。
こういった「地域水道」は水が豊富だからこそ用意できるものです。
京都市内では「沢山」や「雲ケ畑」から流れてくる水が北区の「釈迦谷」付近で大量に流れていたりするのを見ることができます(地図)。
・雲ケ畑
京都の名水 まとめ
京都市内には地下に水が溜まっており「高さ33km、横幅12km」の楕円形の水源があるとされています。
これが「銀明水」と呼ばれる地下水のことです。
この水を京都市内では井戸で汲み上げて使っているのです。
(2)高さ33km
(3)横幅12km
(4)京都の町中の古井戸などで昔から使われている
今回紹介した名水の中では「杉坂の船水」以外は、地下水の「銀明水」です。
京都には、今ではもう使われていない「梅雨の井」や「名水 壺井」といった史跡も残っています。
京都が繁栄した理由のひとつは、こういった「名水」が存在していたからです。
今回は「今でも飲める井戸」を紹介していますので、京都観光の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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