京都にかつて存在したパン会社「西湖堂製パン」、関西では有名な「ニューバード」というパンをチェーン系列のパン屋「バード」で発売していました。ニューバードは京都のご当地パンとして紹介されることがあり、先日の『ちゃちゃ入れマンデー』でも紹介されていました。
では、この「ニューバード」どんなパンで、どこで購入できるのでしょうか。
京都にかつて存在したパン会社「西湖堂製パン」とは
京都には、かつて「西湖堂製パン」というパン製造会社がありました。
関西では中堅のパン製造会社でしたが昭和50年代頃から一気に勢力を拡大し、チェーン傘下のパン屋を関西で展開していました。
京都では「バード」というチェーンのパン屋さんが、この西湖堂製パン系列でした。
この西湖堂製パンのチェーン店であったパン屋「バード」には、とても美味しいパンが売られていました。
それが・・・・「ニューバード」というパンです。
西湖堂製パンが50年以上前から作っていた揚げパンで、他のパン屋などでも販売されるほど京都ではとても人気があったパンです。
・チロル 正面店(京都市東山区、元バード、2020年5月に宇治市小倉に移転)※カレー味ではないニューバードを販売していたが現在確認できず
・まるき製パン所(京都市下京区)
・大正製パン所(京都市上京区)
・カナリヤ(京都市中京区、ウインナーフライとして販売)
・ぴいたあパン(京都市右京区)
・バード観月堂(京都市伏見区)
・ぱんのちはれ(京都市左京区)
・coco・Kirari(京都市伏見区)
・志津屋
京都ご当地パン「ニューバード」とは
西湖堂製パンがチェーン展開していた「バード」、そこで販売されていたのが京都のご当地パン「ニューバード」です。
ソーセージの入った揚げパンのことで、生地もしくは中にカレー風味が少し付いているのが特徴です。
※ソーセージは魚肉ソーセージであるのが本来のニューバードです。
・カレーの風味がする
・正しくは魚肉ソーセージを使う
特徴をあげると2点のみ、ものすごくシンプルな菓子パンです。
北大路新町上ル「バード新町」さんのニューバードは中にカレー風味が付いているものです。
ほんのりとしかカレーの味がしませんが、それがまたちょうど良い具合なのです。
揚げパンについた油の風味とソーセージの塩気、そして少しだけ香るカレーの香りが京都で人気になったのは、京都人の味嗜好からすれば当然なのかもしれません。
ニューバード発祥の店が「バード」
バードは「ニューバード発祥の店」として知られますが、「ニューバード」自体は他社や他店舗からも販売されるほど人気の商品でした。
そのため、関西では「ニューバード」という名称ではないものの似たようなパンは実在していましたし、大手製パン業者でも似たようなパンを発売していたという話を聞いたことがあります。
今では西湖堂製パンは倒産しており、「バード」の看板を掲げて「ニューバード」を販売しているお店は少なくなっていますが、いくつか現存しています。
家の近くだと「北大路新町上ル」で今でも営業している「バード新町」さんで、北大路駅へ向かう途中にあるので通勤途中によくお世話になりました。
値段は1個130円と一般的な菓子パンのお値段です。
最新情報:こちらのお店は2019年春に廃業となり閉店しています。
営業時間:7時~19時
定休日:日曜日
ベーカリーチロル(京都市東山区)
最新情報:こちらの店舗は2020年5月19日に宇治市小倉へ移転しました(地図)。
もう一軒、バード系列の「ベーカリーチロル」さんも紹介しておきます。
こちらも店頭に「Bird」の表記がある正当なバードで、今でも現存している数少ないお店です。
こちらの「ニューバード」はカレー味ではありませんが、ソーセージの揚げパンが販売されています。
バード以外でニューバードを販売しているパン屋「まるき製パン所」
ネットやテレビで京都のご当地パン「ニューバード」を紹介する場合、必ず登場するのが「まるき製パン所」さんです。
私はここだと「カツロール 220円」とか「ハムロール 170円」を買うのですが、「ニューバード」を販売していることでも知られています。
まるき製パン所は昭和22年創業で、ニューバードの値段は170円でした。
営業時間:6:30~20時(日曜日のみ7時~12時)
定休日:不定休
バード以外でニューバードを販売しているパン屋「ぴいたあパン」
芸能神社として知られる「車折神社」近くにも、ニューバードを買うことができるパン屋さんがあります。
それが「ぴいたあパン」さんです。
値段は140円、パンの種類も多い地元の人気店だし、観光ついでに立ち寄れるのも良いですね。
もっと詳しい「ぴいたあパンベーカーズ車折店」の紹介記事もありますよ。
営業時間:6時~19時
定休日:不定休
西湖堂とニューバード 名前の由来は?
さて、この記事では重要なキーワードとして「西湖堂製パンとニューバード」という2つの固有名称が出てきます。
京都には明治16年5月創業の老舗印刷会社「西湖堂印刷」があるのですが「西湖堂製パンと西湖堂印刷」は創業者は同一人物です(出典)。
西湖堂とは琵琶湖の西にある店のことで、創業者は滋賀県高島町(琵琶湖の西側)出身だったことから「西湖堂(さいこどう)」を屋号にしていました。
印刷会社は京都の四条付近で創業したのですが、西湖堂製パンは印刷業が軌道にのった後に、郷里の滋賀県高島町で創業されています。
では「ニューバード」とはどういう意味なのでしょうか?
これは単純な話でパン屋「バード」で販売した新商品という説が有力です。
もう50年以上の歴史があるパン、昔はとかく「ニュー」という言葉が使われていたことを思い出す方も多いことでしょう。
かなりの歴史がある京都のご当地パン「ニューバード」、京都で見つけることがあれば食べてみてはいかがでしょうか。