今回は京都バス「95系統」と「55系統」の違いをまとめてみました。「95系統」は春分の日に1便しか運行がない幻の路線(免許維持路線)で、「55系統」は2017年3月18日から「95系統」のルートを走る1日3便の路線バスです。
この「95系統」と「55系統」の違いはいったい何なのでしょうか?
京都バス「95系統」と「55系統」の違い
2017年3月18日から「大原~貴船口」間を走る京都バス「55系統」が運行開始されています。
「年1本(春分の日)」のみ走る「免許維持路線」として有名だった「95系統」という路線バスの区間とほぼ同じルートを走るバスです。
95系統:大原~鞍馬(年1本、春分の日のみ)
55系統:大原~貴船口(1日3便)
「95系統」は1986年運行開始したものの、2012年からは「春分の日」のみ走る免許維持路線になっていました。
「55系統」は2017年3月18日運行開始した路線で、1日3便の運行が行われています。
すでに、2016年3月21日の「年に1便だけ!幻の京都バス95系」という記事で紹介したことがありますが・・・・
今回は、最近できた55系統との違いを見ていきましょう。
停車するバス停が違う
新設された「55系統」と従来の「95系統」は(ほぼ)同じルートなのですが、異なるのは「終着」と「停車するバス停」です。
大原
梅の宮前
大長瀬町
野村別れ
野村
江文峠口
江文神社前
江文峠
城山
静原学校前
静原上の町(55系統は停車)
静原(55系統は停車)
静原下の町(55系統は停車)
静原御旅町
しずはうす前
静原西陣織ネクタイ団地前
鬼谷橋
静原口
市原
上野中(95系統は停車)
二ノ瀬(95系統は停車)
貴船口(55系統終着)
十王橋(95系統は停車)
鞍馬(95系統終着)
まず「55系統」は静原小学校の先で府道40号から右折して「静原上の町・静原・静原下の町」を通ります。
「95系統」は府道40号をそのまま走って集落には入りません。
これが一番大きな違いです。
もうひとつの違いですが「95系統」は叡電「二ノ瀬駅」を経由する「上野中・二ノ瀬・十王橋」を経て「鞍馬」まで行くということです。
「55系統」は新しくできた「二ノ瀬トンネル(二ノ瀬バイパス)」を通ってしまい「貴船口」で終着となります。
これが二番目に大きな違いです。
京都バス55系統が通る「静原上の町・静原・静原下の町」
では、一番大きな違いを詳しく見てみましょう。
「静原上の町・静原・静原下の町」のバス停は従来から「34系統」が走っている路線です。
新設された「55系統」も集落内を走るという話なのですが、定期分である「55系統」がこの区間を無視することができないという話なわけです。
逆に言えば、年に1回の片道路線でしかない「95系統」は府道40号をそのまま走って「静原集落」には目もくれずに走り去っていくことができるわけです。
京都バス95系統が通る「上野中・二ノ瀬・十王橋」
もうひとつ異なるのは「95系統」は「上野中・二ノ瀬・十王橋」のバス停に停車するということです。
では、この区間は「55系統」はどうなっているのでしょうか?
少々わかりづらいのですが「55系統」も「95系統」も「静原口~市原」までは同じルートです。(上の地図区間)
しかし「55系統」はそこから少し戻って「二ノ瀬バイパス」という新しくできたトンネルを経由して「貴船」まで行って終わりです。
上が「55系統」のルートです。
上が「95系統」のルートです。
「95系統」は市原から二ノ瀬の集落を通る旧道を経由する点で異なります。
補足「城山~市原」間を走る短い京都バス
さて、ここで先ほどの路線図を見て気が付いたことはないでしょうか。
バス路線図をよく見ると「城山~市原」間を走る短い路線が紫色の細いラインで描かれています。
この区間は時刻表にも掲載されていない(非掲載)のですが、2017年3月18日実施のダイヤ改正で平日17時に1本だけこの区間で運行されている路線です。
京都バスはこういう路線がいくつもありますので注意が必要です。
95系統しか通らなかった「幻のバス停」はどこ?
2017年6月3日の「京都新聞」のネット記事にも書かれているのですが、95系統しか通らなかった「幻のバス停」というのがあります。
これは「京都新聞」の記事から引用すると・・・・
大原―鞍馬をつなぐ95系統は1986年に運行を開始。春分の日から11月の休日に1日3往復を走らせていたが利用は伸びず、2012年からは年に1回、春分の日に走る鞍馬行き1本だけに。95系統しか通らない江文峠、江文神社前、江文峠口のバス停は、バスファンから「幻」と称されるようになっていた。
記事では「江文峠・江文神社前・江文峠口」の3つのバス停が記載されています。
しかし、実質的には「野村」のバス停も含める方が良いと思います。
野村
江文峠
江文神社前
江文峠口
実は、路線図には「野村」バス停を通る灰色の路線が描かれています。
しかし実質的に「野村」バス停は「95系統」が「春分の日」にのみ停まるバス停であるのに間違いありません。
では、なぜ「95系統」の幻のバス停に「野村」は含まれないような記述もあるのでしょうか?
実はまだある「春分の日」のみ路線
実は「春分の日のみ運行」される路線は「95系統」以外にもあるのです。
2017年3月18日のダイヤ改正でも残っていますが「春分の日」にのみ運行する路線は他にもあります。
(1)高野車庫 → 高野玉岡町 → 宝ヶ池 → 八瀬駅前 → 寂光院道 → 大原
(2)高野車庫 → 一乗寺下り松町 → 修学院道 → 宝ヶ池 → 八瀬駅前 → 大原
上は「大原出庫便」という路線で「春分の日」にのみの片道運行が1便だけの路線です。
この路線が「高野車庫」を出発して「八瀬駅前」を通り、「大原」直前で左折して「野村」を通ってから「寂光院道」を通って「大原」に行くのです。
たぶん「95系統」の幻のバス停に「野村」を含めない方は、この路線図にある灰色の循環バスが走っているから、そうしたのだと思います。
でも「大原出庫便」も「95系統(北山バーディー号)」と同じ車体です。
さらにいえば「野村」バス停というのは、野村の交番の北に「大原出庫便」専用のバス停と、交番南に「95系統」専用のバス停があるのだから・・・・
「95系統」が停車する「野村」のバス停も春分の日にしか使われない「幻のバス停」であることに間違いはないのです。
※「55系統」のバス停は上の図の左下のバス停を往復で使用しており、バス停に「反対側でお待ちください」と記載されています。
大原出庫便
ちなみに、先ほどの「大原出庫便」もかつては、休日に片道1便のみ走る路線だったのですが、2012年から「95系統」が「春分の日」のみ走ることになったのと同時に、同じように「春分の日」路線になりました。
一乗寺の「高野車庫」を出発して大原方面に向かいますが、「野村別れ」(ファミマ手前、上の写真)で左折して「寂光院道」を経由してから大原に行く路線です。
高野車庫
(中略)
八瀬駅
(中略)
野村別れ
野村
大原札の辻
大原草生町
寂光院道
大原学校前
大原
梅の宮前
大長瀬町
京都バス「野村」バス停の写真
京都バス「江文峠口」バス停の写真
京都バス「江文神社前」バス停の写真
京都バス「95系統」と「55系統」の違い まとめ
ということで、京都バス「95系統」と「55系統」の違いをまとめてみました。
・停車するバス停が違う
・ルートはほぼ同じ
・55系統は「静原」集落を通る
・95系統は「二ノ瀬」集落を通る
・終着が異なる(55系統:貴船口、95系統:鞍馬)
・95系統は春分の日に片道1便だけ
・55系統は日に3便
これを見て、京都バスに乗りたくなりましたでしょうか?
でも、これに乗りに行くまでが大変かもしれません。
京都バスは離合困難路線を走るバスともいえ、だいたい行くのが大変な場所を走っているからです。