京都の身近にあるけど気がつかれない「秘境」を探す『京都秘境ハンター』! 今回は京都市右京区の太秦(うずまさ)にあるかつて存在した「大映株式会社 京都撮影所」の跡地に残る「大映京都撮影所跡地」を見に行って来ましたよ!
京都市立太秦小学校にある謎の石碑「大映株式会社 京都撮影所」
京都市右京区太秦(うずまさ)、とある小学校の正門前に立派な石碑があります。
その石碑には・・・・・
「大映株式会社 京都撮影所」
と書かれています。
小学校なのに撮影所?
もしかして、学園ドラマを撮影するためのものでしょうか!?
いえ、違います。
ここは元々「大映株式会社 京都撮影所」があった場所なのです。
石碑にはこのように書かれています。
「この門標は、かつて大映京都撮影所の正門に掲げられていたものであり、ほぼこの位置にあった。」
この場所は1986年まで映画撮影所があった場所なのです。
大映株式会社 京都撮影所、もうひとつの石碑
実は、この「大映株式会社 京都撮影所」の石碑はもうひとつ存在します。
現在は「サンヴェール太秦」というマンションになっているところです。
先ほどの場所から北に歩いて、ひと筋目を左折(西行)したところにあります。
設置されたのは「昭和63年8月」と最近のことですが、西暦でいえば1988年で「大映株式会社 京都撮影所」が取り壊された2年後に設置されました。
先ほどの小学校正門前よりもこちらの方が知られているのでご存じの方も多いことでしょう。
石碑には「大映京都撮影所跡地」と書かれており、かつてここの場所まで「大映株式会社 京都撮影所」が存在したことがうかがえます。
京都の太秦が映画の街であることが分かるスポットまとめ
京都・太秦といえば「東映 京都撮影所」があることで有名な町です。
観光客にも人気なテーマパーク「東映太秦映画村」もあって、団体バスや修学旅行生などで賑わいます。
近くには他にも「松竹撮影所」という撮影所があり、先ほどの「大映京都撮影所跡地」の北側には「嵯峨映画」という会社もあります。
そこにある商店街が「大映通り商店街」です。
大映の名が今も残る商店街で、かつての「大映株式会社 京都撮影所」がこの土地でいかに大事な場所であったことがうかがえる商店街です。
ちなみに、この商店街では「街頭がカメラ」で「道路はフィルムの模様」になっていたりという細かいトリビアもあったりするんですよ。
また、商店街には昔から時代劇や映画などの撮影所があり、周囲には映画監督やスタッフ、そして俳優の方が行きつけにしている飲食店もあったりします。
俳優の渡瀬恒彦の愛した京都太秦の辛いラーメンがある「広東料理 開花(かいほう)」さんとか、映画の撮影にも使われる老舗うどん店「きくや」さん、キムタクも食べた洋食店「ア・ラ・ラ(ARARA)」などなどです。
そんな太秦に、もうひとつ有名な撮影所があったのが先ほど紹介した・・・・
大映(映画)株式会社
です。
では「大映(映画)株式会社」とはどんな会社だったのでしょうか。
大映(映画)株式会社とはどんな会社だったのか
大映の歴史は古く、戦中の1942年~1971年まで存続した映画会社です。
戦前の映画会社「日活・新興キネマ・大都映画」が合併して、戦中に発足した会社なんです。
日活は戦前の1927年から「日活太秦撮影所」を開所していたのですが、1942年の合併で「大映京都撮影所」と改称されます。
大映は1971年に倒産し、1986年に取り壊されて住宅街や小学校となりました。
それが最初に紹介した「大映京都撮影所跡地」です。