手形を軒先に飾る謎の風習とは三重県尾鷲市須賀利町の一部漁村で見られる風習のことですが、実は京都にも似た風習がありました。
手形を軒先に飾る謎の風習
2020年1月5日放送の『ナニコレ珍百景』の予告を見ていたところ、気になることが書いてありました。
「三重・尾鷲 手形を軒先に飾る謎の風習」
家の玄関に人の手形を貼るというのは関西に残る風習のことです。
実はこれ「米寿を迎えた老人の手形」を縁起物として軒先に貼るという風習なのです。
今回紹介されるのは三重県尾鷲市の尾鷲湾に広がる半島にある「須賀利町」で見られるもので「マスカケ」と呼ばれているものです。
上のストリートビューは「須賀利町」の漁村のものですが、民家の軒先に墨で捺された手形の紙を貼っているのが見てとれます。
この尾鷲熊野エリアでも一部の漁村にしか残っていない風習で、88歳(米寿)を迎えた老人のいる家庭は親しい人にその手形を贈るというものです。
尾鷲の須賀利での光景
あっちこっちで見かける
紙に米寿と書いてあるから、米寿迎えた人の手形なんだろうね。めでたい事なんだろうけど、知らないとちょっとしたホラー pic.twitter.com/FZJBjSuapM
— 月史 (@Tsukushi_olaf) March 19, 2017
手形の色は「朱色、黒色」と地域で異なります。
また、自分の家に貼る風習であったり、親しい友人に贈って軒先に貼ってもらう風習であったりと地域で多少の違いはあります。
そして・・・・
この風習、京都にも残っていたりするのです。
京都の相楽郡や綴喜郡に残る米寿の手形を貼る風習
この米寿の手形という風習は、京都では相楽郡や綴喜郡でも見ることができます。
上の写真は山城國高神社(綴喜郡)に奉納された米寿の手形。
どの手形にも「米寿」と書かれ、奉納した方の氏名や生年月日に奉納した日が書かれています。
この京都に残る米寿の手形は民家の軒先に貼られたものではありませんが、本質的には三重県尾鷲市須賀利町に残る風習と同じものです。
少し違うのは、この京都で見られたものは扇形の板に墨で手形を捺して、それに2本の竹筒を白い紙で巻いてくっつけていることです。
地域によって差異はあるものの長寿をお祝いし、その福にあやかるという考え方はどこにあってもおかしくはない風習のように思えます。
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