今回の「京都秘境ハンター」は京都市内の街中にある無名の名所を訪ねてきました。それもあの超有名な偉人である源義経(牛若丸)に関係がある場所です。その場所とは「牛若丸産湯井戸・胞衣塚」(えなづか)と呼ばれる牛若丸生誕の場所で、なんと大徳寺の北に今でも産湯に使った井戸も残っている場所なのです。
今回も「京都秘境ハンター」始まります!
京都秘境ハンター
我々は猛反省していました。
この「京都秘境ハンター」シリーズは京都のお気軽ご気楽な秘境を訪ねるシリーズだったのですが、最近は本当の秘境に行っちゃったりするという不心得をし続けていたからです。
「車で行けない所は秘境ではない」
そこで、この精神を世に伝えるため、今回は厳しい条件を温泉担当に突き付けてみたのです。
・街中にある秘境であること
・知られていない場所であること
・もちろん何かあること
・車で行けること!
これはさすがに温泉担当でも頭を抱えるかと思ったら・・・・
彼は重い口をかすかに動かして、こう言ったのです。
温泉担当 「あ、あああるんだな!」
あるわけないだろ!(笑)
京都市内の無名な観光名所を見に行く
しかし、温泉担当は一歩も引かずに「あるあるある~!」と大騒ぎしています。
話によると、京都市北区の「大徳寺の近く」にあるまったく無名な史跡で、かつ超有名な歴史的偉人の生地があるというのです。
そこはどこにある何という場所なのでしょうか?
実は・・・・
あの「牛若丸」が生まれた場所で、その産湯井戸跡が今でも残っているという場所なのです。
これは見に行かなくてはいけません。
そこで、早速我々はちょいとお買い物くらいの恰好でバイクを走らせたのです!
牛若丸産湯井戸・胞衣塚(京都市北区)はまったく無名の観光名所だった
ちょうど北大路駅でお茶をしていたのですが、そこからわずかバイクで5分も行かないところにソレはありました。
「牛若丸産湯井戸・胞衣塚(京都市北区)」です!
場所は京都市北区の「紫竹栗栖町」の交差点にあるサークルKさんのコンビニ南側にある畑の中です。
もちろん、こんな場所にいるのは我々以外は誰もおらず、観光やトレッキング客らしき方々はすぐ近くの大通りを通るだけで、ここまでは入ってきません。
さすがにこれは知らなかったので、今回は温泉担当のドヤ顔を見ることになってしまいました。
立派な石碑には「牛若丸誕生井」と書かれています。
案内板もあり、そこには「牛若丸産湯井・胞衣塚」とも書かれていました。
胞衣塚は「えなづか」と読み、つまりそこが生地であることを示しており、この場所があの有名な牛若丸の生まれた場所であることが石碑として実在していたのです。
牛若丸は平治元年(1159年)生まれで、いわゆる「源義経」の幼少期の名前です。
平安時代末の武将で、鎌倉幕府を開いた源頼朝の異母弟であるのは有名な話です。
実際に、その産湯で使ったとされる井戸もあるのが、この「牛若丸産湯井・胞衣塚」なのです。
実際に井戸は直径1メートルほどのものが今でも残っています。
先ほどの写真の石碑はたぶん新しいものですが、井戸のところから北東数メートルのところに大きな松の木があり、そこに小さな石碑も見えました。
私有地なのでさすがに近寄れませんでしたが、案内板には「応永2年(1395年)と年号がある」とされており、たぶん「京都で一番古い石碑ではないか」とも書かれているのです。
明治までは、ここに「牛若丸産湯大弁才天女社」があったとされ、牛若丸信仰がこの土地にあったこともうかがえました。
少々わかりづらいかもしれませんが、この「牛若丸産湯井・胞衣塚」の左は「上野通」でいわゆる「鯖街道」のことです。
さらに、義経の名前が残っている通りが「牛若丸産湯井・胞衣塚」の右手に「牛若通」という名称で残っています。
そして、南東のエリア(総神社の付近)には「源頼朝別館跡」とされる土地もあります。
・京都市北区紫竹牛若町にある
・源義経が生まれた場所
・今でも産湯に使った井戸が残る
・応永2年(1395年)と年号が彫られた石碑が残っている(京都最古?)
・明治までは「牛若丸産湯大弁才天女社」があった
京都で有名な義経ゆかりの地といえば「五条大橋」や「鞍馬」です。
こちらは義経の聖地にもなっていて観光ガイドブックにも載るほどの場所ですが、義経は京都で生まれ、他にも知られていない義経の聖地があるということなのです。
・五条大橋 牛若丸と弁慶が出会った場所とされる
・鞍馬 牛若丸が幼少期に預けられた寺
歴史というのは、非常に興味深く「なぜ牛若丸は鞍馬寺に行くことになったのか?」なども知らなければ調べてみると良いでしょう。
牛若丸産湯井・胞衣塚 基本情報
正確には「牛若丸産湯井・胞衣塚」と呼ばれる場所で、京都市北区紫竹牛若町という所にあります。
「胞衣塚」というのは「えなづか」と読みますが、古くからの風習で出産後の胎盤を土に埋め、その場所が信仰として伝わるようになった場合は塚が建てられることがあります。それを「胞衣塚(えなづか)」と呼んでいます。
こういった名所は他にも菅原道真の胞衣塚などが知られており、地域の信仰的な場所として継承されています。
京都にはまだまだ知られていない秘境(?)があるんですねぇ~。
ということで、次回の「京都秘境ハンター」もお楽しみに!
京都府京都市北区紫竹牛若町54
URL:https://www2.city.kyoto.lg.jp/somu/rekishi/fm/ishibumi/html/ki002.html
京都の秘境案内「京都秘境ハンター」。京都の知られざる名所を開拓し、それを参考に観光開発や起業が行いやすくすることが目的です。地元経済への貢献も目標となっています。京都の起業家や行政担当者の方は、ぜひ参考にしてください。