今回の「京都秘境ハンター」は「京都の地名」を取り上げたいと思います。お題は「嵯峨嵐山」、嵐山は誰でも知ってますよね。有名な観光地ですね。では「嵯峨」はなんでしょうか? これ一般的には「嵐山」のことです。ん?嵯峨だけど嵐山?なんかややこしいですね。今回はそれを簡単に説明します。
観光客の皆さん、そこは「嵐山」ではなく「嵯峨」です
京都の嵐山!
我々にとって嵐山は地元ですが、もうひとつの顔があります。
そう!嵐山は世界中から観光客がやってくる世界有数の観光地のひとつです。
今は新型コロナの影響で外国人ではなく、日本人観光客で賑わっていますが、日本人観光客にも人気がある観光地でもあります。
TwitterやInstagramなどのSNSでも「嵐山に行って来たよぉ~(´◡`๑)」と投稿され、渡月橋のところではインスタ女子が着物で映え写真を撮っているのをよく見かけます。
美しい竹林の小径も人気の撮影スポット、朝早くからカメラ好きが嵐山の風景として撮影しに来る人気の場所です。
でも、これらはいずれをとっても嵐山ではないのです。
京都の嵐山ってどっからどこまでの範囲を言うのか
まず、そもそも論として、京都には嵐山という住所はありません。
あるのは「山」で、嵐山という山があるだけなのです。
嵐山の麓に「嵐山~町」とつく地名はありますが、「嵐山町」というものが存在しないのです。
では、京都の嵐山ってどっからどこまでの範囲を言うのでしょうか。
上の写真は嵐山方面の中州から嵯峨を撮影した風景、橋は「渡月橋」です。
これ渡月橋の南側から北方面を撮影した写真なのですがここはまだ嵐山ではありません。
嵐山というエリアは渡月橋を南に渡り、さらに渡月小橋も渡った・・・・
桂川の南部を「嵐山」と呼ぶのです。
渡月橋を南に渡ると「嵐山公園 中之島地区」という観光名所があります。
ここは「chavaty kyoto arashiyama」といった人気カフェがある中洲ですが、ここの住所は「京都市右京区嵯峨中ノ島町」です。
嵐山ではないのです。
上の写真は先ほどの渡月小橋から西を見た風景です。
左に見えるのが・・・・
嵐山という山
です。
住所は「京都市西京区嵐山中尾下町」なのです。
ここでお気づきかと思いますが、皆さんが主に嵐山観光を楽しんでいるのは「京都市右京区(嵯峨エリア)」です。
では、地名的に言う嵐山というのはどこなのでしょうか?
実は京都市西京区(にしきょうく)
なのです!
では、嵐山はどこまでのエリアのことを言うのでしょうか。
嵐山というエリアは渡月小橋を渡った南側で、松尾大社までを嵐山と言います。
松尾大社は嵐山宮町にあり、嵐山と住所に付くのはここまでです。
嵐山と嵯峨と嵯峨嵐山の違い
地理的な話で考えると、京都の嵐山というのは「桂川の南部地域で京都市西京区の一部エリア」のことを言います。
逆に桂川の北部地域は「嵯峨(さが)」と呼ばれる京都市右京区です。
主に嵐山という観光地は、北部の嵯峨(京都市右京区)のことを指すのが通例なのですが、地理的に考えるとそこは嵐山ではないという事実があるのです。
では「嵯峨嵐山」って何なのでしょうか?
例えば、私がTweetで渡月橋より北側の記事を書く場合は「嵯峨嵐山」と呼んでいます。
1枚目の写真は桂川の北部(嵯峨)から見た渡月橋、奥に見えるのが嵐山です。
2枚目は嵐電「嵐山駅」ですが、ここも嵯峨です。
いるのは嵯峨なので「嵯峨を散策」と書いてありますが、嵯峨って書いただけでは・・・・
嵐山にいることが伝わらないので「嵯峨嵐山」と書いてあります。
これ嵯峨も嵐山もどちらもひっくるめて嵐山で良いのだと内心は思っているのですが・・・・
心情的に嵯峨という地名も知ってもらいたいという思いから「嵯峨嵐山」というどっちも含めたエリアで呼んでいるわけです。
ということで、嵯峨嵐山を使う人はだいたい地元の方ですね。
まぁ、でも桂川の北部と南部をひっくるめて「嵐山」でも問題はないと思います。
だって、それが一般的な呼び方なのですから。
嵯峨と嵐山の写真例