滋賀県大津市途中町が2019年9月5日放送『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』で紹介されるようです。国道367号、京都と滋賀県の県境でもある「途中峠」の滋賀寄りにある町のことです。読みはもちろん「とちゅう」ですが、なんでここは「途中(とちゅう)」と名付けられたのでしょうか。
滋賀県大津市途中が『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』で紹介
2019年9月5日放送『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』の特集は
珍地名大特集
です。
紹介される珍地名は・・・・
浮気町(滋賀県守山市浮気町、ふけちょう)
天使突抜二丁目(京都市下京区)
伯母様(神奈川県伊勢原市三ノ宮)
猿供養寺(新潟県上越市板倉区猿供養寺)
昼飯(岐阜県大垣市昼飯町)
驚(千葉県長生郡白子町驚)
極楽4(愛知県名古屋市名東区極楽4丁目)
三軒茶屋(東京都世田谷区)
前後(愛知県豊明市前後町)
海外(神奈川県三浦市海外町)
など「なんだこれ?」と思う地名ばかりです。
今回の放送では京都も紹介されることになっており「天使突抜」が京都。
「途中」と「浮気町」が滋賀県の珍地名として紹介される予定です。
今回は滋賀県大津市伊香立の「途中町」はなぜ「途中」なのかを見ていきたいと思います。
滋賀県大津市途中町は鯖街道の途中にある珍地名
この「途中」という地名は滋賀県大津市伊香立途中町のことで、読みは「いかだちとちゅうまち」です。
番組予告ではバスが映っており、それに「52系統 途中」と電光掲示されているのですが、このバスは江若交通(こうじゃくこうつう)の52系統のことです。
放送では、この52系統の終着である「途中バス停」が紹介され、終点なのに途中という珍地名として紹介されるようです。
52系統
55系統
56系統
途中町には小さな集落があるだけですが、京都方面からもバスが通っています。
出町柳駅から京都バス10系統が朽木(くちき)まで行くのですが、その途中に途中町があります。
この路線は国道367号を通るのですが、これはいわゆる「鯖街道」のこと、福井県小浜(おばま)から鯖を京都の出町柳まで運んだ古くからある街道のひとつです。
国道367号は鯖街道のひとつ「若狭街道」と呼ばれ、古墳時代から人々が往来して都へと向かった道です(鯖街道には他にも「鞍馬街道」と「周山街道」があります)。
この「若狭街道(鯖街道)」には2つの難所があったとされるのですが、それが「花折峠(はなおれとうげ)」と「途中越(とちゅうごえ)」です。
鯖街道の途中にあるから「途中」ではなく、平安時代の僧侶「相応和尚(そうおうおしょう)」が修行先の葛川明王院から無動寺明王堂(比叡山)へ帰る途中に「ここらへんは葛川と無動寺の途中くらいか」と言ったことが由来です。
だから、本当にここは「途中」なんです。
なお、朽木の人と話す時に「途中の途中でね」なんてよく分からない会話になることがありますが、地元民同士なので話は通じます。