今回の「京都食材」は京都市北区の伝統野菜「賀茂ねぎ」についてです。賀茂ねぎ自体は流通が少なく、需要も多くはないので滅多に見ることはありませんが。とはいえ、いわゆる「九条ねぎ」の太葱ことで、それが賀茂(上賀茂や西賀茂)の農家で栽培されたものであれば「賀茂ねぎ」と呼ばれるものです。
そんな「賀茂ねぎ」ですが、葉ねぎで蜜がたっぷりのネギでとても美味しい食材です。
京都市北区で作られている伝統野菜「賀茂ねぎ」
今回の「京都の食材」紹介は、京都市北区で作られているネギ「賀茂ねぎ」です。
京都産のものはほとんどが京野菜の「九条ねぎ」として出荷されていますが、上賀茂や西賀茂の農家で栽培されているネギは「賀茂ねぎ」とも呼ばれています。
市場流通量がほとんどなく、賀茂エリアでも販売はごく僅かで、料亭やレストラに出荷されていることがほとんどです。
しかし、毎年ごく稀に出回る「賀茂ねぎ」があるので、今回はそれを入手したので紹介します。
賀茂ねぎ とはなにか
賀茂ねぎ とは、蜜が多い太い葉葱のことで、京野菜認定はされていませんが「伝統野菜」として京都で栽培されてきた野菜です。
京都市北区「上賀茂、大宮、柊野」を中心とする地域で栽培されているものは「賀茂ねぎ」です。
エリア的には「西賀茂、玄琢、鷹峯」もひっくるめて賀茂野菜と呼ぶのが一般的ですが、栽培地域で「賀茂ねぎ、洛北ねぎ、玄琢ねぎ、鷹ヶ峯ねぎ」と細かく分けて呼んでいます。
とはいえ、平たく言えば「九条ねぎ」の太葱のことです。
九条ねぎは今は「京都産ねぎ」のことを言いますが、細ねぎと太葱の2種類あって、元々はこの太葱が九条ねぎの主流でした。
しかし、この大きな葉ネギの部分が大きくなると折れて見栄えが悪くなったりするので細ねぎへと栽培がシフトしていったのです。
現在では、この太葱を栽培する農家も少なくなっており、料亭やレストランに「賀茂ねぎ」として出荷されるくらいの流通量になっています。
・いわゆる「九条ねぎ」の太葱ことだが、栽培地域で「賀茂ねぎ」と細かく呼んでいる
・太い葉ネギで11月頃から2月頃まで出荷されるが料亭やレストランに卸されることがほとんど
・1月から2月の旬には葉ネギに蜜がたくさん詰まっている
・葉ねぎは成長すると重みに折れて見栄えが悪くなる
・そのため細ねぎを栽培する農家が多い
賀茂ねぎ に合う料理
賀茂ねぎ は、加熱すると甘味が増すので焼いたり煮たりするのに向いています。
そのため、京都では「賀茂ねぎ」のような太葱は「すき焼き」で使う食材で普段はあまり食べることは少ないそうです。
薬味では一切使わないので(細ねぎを使います)、生産量が少ないのは需要が少ないからというのが正確なところです。