京都御所と京都御苑、この2つの違いについて説明できるでしょうか。京都の人は「京都御所」とか「御所」と呼んでいますが、この「京都御所」と呼ばれる場所には「京都御所と京都御苑」の2つがあるのです。
では、この「京都御所と京都御苑」の違いとはいったい何なのでしょうか?
京都御苑と京都御所 2つの呼び方がある
京都の中心「京都御所」です。
東西700メートル、南北1300メートルにもなる広大な敷地です。
ある意味、京都で一番有名な場所とも言え、明治2年(1869年)に東京遷都が行われるまでは「天皇の住まい」があった場所です。
しかし、門には「京都御苑」と書かれています。
つまり、同じ場所に「京都御所と京都御苑」という2つの記載があるのです。
京都の人は「御所(京都御所)」と呼ぶ方が多いのですが、この写真の場所は「京都御苑」です。
いったい何が違うのでしょうか?
京都御苑と京都御所はどう違うのか
では、なぜ「京都御所と京都御苑」という2つの呼び方があるのでしょうか?
苑内の案内板でも、明確に「京都御所と京都御苑」は区別されているので見てみましょう。
上の写真を見ると分かりやすいと思います。
このオレンジ色の枠内が、厳密に「京都御所」なのです。
そして「京都御苑」というのは、この京都御所を取り囲んでいる国民公園のことを言うのです(大宮御所や公家屋敷などを除く)。
・京都御苑(明治10年=1877年に禁裏の周辺にあった公家町を整備して国民公園とした)
京都の人は「京都御所」と呼ぶ人が多い
とはいえ、京都の人はこの場所のことをひっくるめて「京都御所」と呼ぶ方が多いです。
御所=天皇の居場所のことで、昔からそのように呼ばれているからです。
しかし、明治の遷都で天皇家と公家の多くと商人などは東京へ行ってしまいました。
そのため、御所を中心とした公家屋敷が建ち並んでいた「公家町」は荒廃してしまったのです。
公家町だった場所を皇室苑地として整備したのが京都御苑
その公家町だった場所を「皇室苑地」として整備して国民公園としたのが「京都御苑」です。
この国民公園となる顛末(大内保存事業)については閑院宮邸跡(かんいんのみやていあと)の資料が詳しいので、興味がある方は見に行ってみると良いでしょう。
上の写真が「閑院宮邸跡」で、誰でも無料で拝観することができます。
ちなみに、日本全国に国民公園は3ヵ所あります。
「京都御苑、新宿御苑、皇居外苑」で、一番最初に出来たのが京都御苑です。
京都御苑は日本で初の国民公園でもあるのです。
・新宿御苑
・皇居外苑
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