今回の「京都案内」は、誰も(どこの京都ブログも)紹介していないという京都の食べ物「吉野丼」の紹介です。吉野といえば奈良ですが「吉野丼」は京都で食べることができる「あんかけ料理」で、衣笠丼を玉子ではとじないで餡かけにしたという食べ物なのです。これ、京都でも扱っているお店がほとんどないという幻の食べ物なのですが、京都市北区に「吉野丼」を出す老舗がひとつだけあります。
そのお店が「大力餅」で、京都が誇る明治からある大衆食堂です。
京都に「吉野丼」という食べ物があるらしい
京都の冬といえば「底冷え」ですが、そんな気候であるためなのか京都では「あんかけ」の食べ物をよく見かけます。
体が温まるので「餡掛け料理」は結構食べていますが、京都の「麺類一式」な大衆食堂へ行けば必ずと言ってよいほどあるメニューのひとつです。
しかし、どれも一度は紹介した食べ物ばかりです。
そこで、うちの融通の利かないリサーチャーに目配せをして「誰も知らないあんかけ料理を探して来い」と無言の要求をしたところ、彼は「チッ、仕方ね~な~」とつぶやき、一枚の写真を懐からペロッと取り出したのです!
その写真には「あんかけ」がタップリとかかり、青ねぎと刻みきつねが大量に入った丼ものが写っていました。
このどんぶりの名前は「吉野丼」という名前なのですが、実はまだ誰も(どこの京都ブログも)紹介していないという京都の食べ物なのです。
ということで、今回はこの「吉野丼」があるという京都市北区の「大力餅」まで行ってみることにしました。
超レアどんぶり「吉野丼」がある大力餅へ行ってきました
この超レアどんぶり「吉野丼」がある「大力餅」へ行ってきました。
京都市北区の西賀茂エリアで「大宮交通公園」の近くにある大衆食堂です。
京都には「千成餅食堂」や「大力餅食堂」という明治からある老舗大衆食堂がたくさんあって、緩いチェーン展開をしています。
そのひとつである京都市北区紫竹にある「大力餅食堂」に、この超レアどんぶり「吉野丼」があるのです。
メニューにも「吉野丼 600円」と書かれています。
この「吉野丼」があるのは、京都でも今回訪問したお店くらいでしか見たことがなく、他では見ないメニューです。
では、どのような食べ物なのでしょうか。さっそく注文してみましょう!
超レアどんぶり吉野丼(よしのどん)紹介
ということで、こちらが「超レアどんぶり吉野丼(よしのどん)」です。
お味噌汁にお漬物が付いた丼もので、大盛ご飯に「きざみきつね、青ねぎ」の餡かけがかかっている食べ物です。
京都らしく出汁の味がよく出ており、お味噌汁もそうですが「高級料亭」のような味わいのする美味しい丼になっています。
寒い冬の食べ物で、アツアツの餡かけに、身体が温まるように「ショウガおろし」も乗っています。
この生姜が良い香りで食欲をそそります。
ネギはもちろん「九条ねぎ」を使っており、きつねは甘くないものを使っていました。
この「吉野丼」ですが、ネットでは有名な京都の「衣笠丼」にも似ています。
「衣笠丼」は「甘きつね、青ねぎ」を玉子とじにした食べ物ですが、「吉野丼」は玉子の代わりに「餡掛け」にしたものだと言えます。
では、なぜ「吉野丼」という名前なのでしょうか?
京都の方ならわかりますよね!
なぜ「吉野丼」という名前なのか
京都の方なら「吉野」といえば「吉野葛(よしのくず)」を思い出します。
この「吉野葛」は料亭などの餡かけ料理で使う食材で、このトロミを出すために使う材料です。
元々、このトロミを出すのに「吉野葛」を使っていたかは定かではないのですが、このトロミがあるので「吉野丼」という名前になっているのです。
実際には「片栗粉」でトロミを出していますが、こういったネーミングセンスも京都らしい食べ物だと言えます。
吉野丼がある大力餅(京都市北区)への行き方
さて、この吉野丼がある大力餅(京都市北区)への行き方(アクセス方法)ですが、大宮通を玄以通で西へ向かって50メートルくらいの所にあるお店です。
分かりやすい行き方だと「堀川玄以 交差点」を西へ行く方法ですが、駐車場や最寄り駅というものがありません。
京都市バスの場合は地下鉄烏丸線「北大路駅」から市バス「37系統、北1系統」に乗車して、37系統ならバス停「下竹殿町」で降りれば徒歩2分くらいです。
北1系統ならバス停「下岸町」で下車して堀川通から徒歩6分くらいになります。
地元でもないと行くのは大変ですが「吉野丼」は他ではなかなか食べることができないので貴重です。
営業時間:11時~16時
定休日:木曜