醤油には「生揚醤油(きあげ)・生醤油(き)・生醤油(なま)」の違いがあります。ラーメン店などでは無添加にこだわったり、香りもしくはコクにこだわったりしますが、用途に合わせて醤油を選んでいます。
今回は、この「生揚醤油(きあげ)・生醤油(き)・生醤油(なま)」の違いについて解説します。
生揚醤油(きあげ)・生醤油(き)・生醤油(なま)の違い
もう2年ほど前のことですが、京都市北区に「らぁ麺とうひち」さんというラーメン店がオープン準備の工事をしていた時に、店主の袖岡さんから「ラーメンには生揚醤油(きあげしょうゆ)を使うんです」と聞いて、初めて生揚醤油(きあげしょうゆ)というものを知りました。
・生醤油(きじょうゆ)
・生醤油(なましょうゆ)
一般的に醤油というと「こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろ」という分類が一般的なのですが・・・・
それ以外の分類として「生揚醤油(きあげしょうゆ)、生醤油(きじょうゆ)、生醤油(なましょうゆ)」という分類があります。
では、この3種類の違いとはどのようなものなのでしょうか。
生揚醤油(きあげ)・生醤油(き)・生醤油(なま)の違いは発酵しているかの違い
「生揚醤油(きあげしょうゆ)」というのは、醤油もろみから搾ったすぐの醤油のことです。この時点では発酵に使われた種麹の酵母菌が生きた状態なので発酵が進んでいってしまいます。(発酵が進むと体積が増えるのでボトル詰めすると破裂します)
その発酵を止めるために熱を加えるのですが、酵母菌の発酵を熱で抑えたものを「生醤油(きじょうゆ)」と言います。
「生醤油(なましょうゆ)」というのは、発酵を止める方法が違って、酵母菌を濾して(こして)ボトル詰めしたものです。
このネタが、12月5日放送『この差って何ですか?』で紹介されると予告されていました。
・生醤油(きじょうゆ)→ 加熱して発酵を止めた醤油、無添加。
・生醤油(なましょうゆ)→ フィルターで酵母菌を濾過した醤油、だいたい保存料が入っている
生揚醤油(きあげしょうゆ)
生揚醤油(きあげしょうゆ)というのは、作られたばかりの本当の「生(なま)」の醤油のことです。
加熱処理もせず、添加物を一切加えていない醤油です。
工程でいえば「醤油もろみ」から搾ったばかりの醤油で、非加熱で無添加であることが特徴です。
業務用で「日本一醤油」さんの生揚醤油(きあげしょうゆ)がよく使われています。
もろみの味わいと香りが残っており味の深い醤油味を求める場合に使います。
・非加熱
・無添加
・酵母菌が生きている
・もろみの味わいがありコク深い
生醤油(きじょうゆ)
生醤油(きじょうゆ)にはボトルのラベルに「き」と書かれます。
こうしておかないと「生醤油(きじょうゆ)」と「生醤油(なましょうゆ)」の区別がつかないためです。
前述のように「生醤油(きじょうゆ)」は酵母菌を加熱処理して発酵を止めたものです。
発酵を止めないとボトル詰めしても破裂することがあるからで、一般的な醤油は必ず発酵を止めて出荷されています。
ただし、この「生醤油(きじょうゆ)」は、発酵を止めてから添加物を一切使っていないものにのみ「生醤油(きじょうゆ)」という分類が認められています。
つまり「無添加醤油」です。
そのため、一般的な販売店(スーパー)などではほとんど取り扱いはありません。
加熱処理してあるので香りがよく出ている醤油です。無添加にこだわるなら「生醤油(きじょうゆ)」を使うという選択肢が一般的です。
・ボトルのラベルに「生(き)」とひらがな表記がある
・無添加
・加熱処理しているので香りがよく出ている醤油
生醤油(なましょうゆ)
生醤油(なましょうゆ)にはボトルのラベルに「なま」と書かれます。
こうしておかないと「生醤油(きじょうゆ)」と「生醤油(なましょうゆ)」の区別がつかないためです。
前述のように「生醤油(なましょうゆ)」は酵母菌を加熱処理しないでフィルターで濾した(こした)ものです。
加熱していないので「生(なま)」という意味合いで商品化されているのですが、普通はアルコールもしくは保存料が入っています。(保存できるように)
そのため、厳密な意味では「生」というか「生(き)」ではないというか「作られたばかりの生」という意味ではありません。
加熱処理していないので、香りという点では少し控えめな醤油になっています。
・ボトルのラベルに「生(なま)」とひらがな表記がある
・アルコールや保存料を添加して保存が効く
・加熱処理しないので香りなどは少し落ち着いている