北野天満宮に唯一立っている牛がいた

京都の北野天満宮には撫で牛の置物がたくさんあります。祭神である菅原道真と牛の関わりが深かったことから北野天満宮には牛の置物が多いのですが座った状態の牛の置物ばかりです。でもひとつだけ「唯一立っている牛」がいるそうです。それを探してきました。

北野天満宮の境内には「牛」がたくさん置かれている

北野天満宮の境内には「牛」がたくさん置かれている

京都の北野天満宮といえば学問の神様「菅原道真」を祀る神社の総本山です。

でも、境内には「」がたくさん置かれています。

もしかして北野天満宮って牛の神様を祀っているのかなと思うほど牛の置物がたくさん置かれています。

もちろん牛を祀っているわけではありません。

これは菅原道真と牛の伝説(逸話)が多く残されているからです。

菅原道真が亡くなる時も遺言で「人にひかせず牛の行くところにとどめよ」と言ったと言われており、道真の亡骸を運ぶ牛車(ぎっしゃ)が停まったところ(安楽寺)に埋葬したという伝説があります。

牛を慈しんでいた菅原道真にちなんで北野天満宮には牛の置物(撫で牛)がたくさんあるというわけです。

撫で牛で身体の調子が悪い部分を触って健康を願掛けする参拝者(北野天満宮)

撫で牛で身体の調子が悪い部分を触って健康を願掛けする参拝者(北野天満宮)

京都では「撫で牛」を触ると身体の悪いところが良くなると信じられています。

北野天満宮に詣でる人々は自分の体の悪い部分と同じ牛の部分をさすってから自分の体のその部分を擦って「健康になりますように」と願掛けをしていきます。

そのため境内の参道から本殿までの間に「撫で牛」がたくさん置かれています。

一の鳥居から参道を歩いているとある撫で牛(北野天満宮)

一の鳥居から参道を歩いているとある撫で牛(北野天満宮)

一の鳥居から参道を歩いているとある銅製の撫で牛(北野天満宮)

一の鳥居から参道を歩いているとある銅製の撫で牛(北野天満宮)

花手水の撫で牛(北野天満宮)

花手水の撫で牛(北野天満宮)

花手水の近くにいる大きな撫で牛(北野天満宮)

花手水の近くにいる大きな撫で牛(北野天満宮)

本殿前の黒い撫で牛(北野天満宮)

本殿前の黒い撫で牛(北野天満宮)

本殿前のまだら模様の撫で牛(北野天満宮)

本殿前のまだら模様の撫で牛(北野天満宮)

本殿前から右に出るといる撫で牛(北野天満宮)

本殿前から右に出るといる撫で牛(北野天満宮)

境内にはたくさんの撫で牛がいるのでどれを撫でても良いのですが、ひとつだけ撫でられない牛がいると言います。

さらに、撫で牛のほとんどが座った状態の牛を模したものになっているのですが、その撫でられない牛は「立っている状態」だと言うのです。

そんな牛いたかなぁ?

撫でられない「立っている状態」の牛はここにいる

撫でられない「立っている状態」の牛はここにいる

探してみると確かに、その撫でられない「立っている状態」の牛はいました。

それが本殿前です。

この写真に写っていますが、見づらいので拡大してみましょう!

本殿の真正面にいる「立っている状態」の牛

本殿の真正面にいる「立っている状態」の牛

北野天満宮で唯一立っている牛、それは本殿の真正面の上にいます。

分かりやすくいえば場所は下の写真の位置です。

本殿真正面の屋根のところです

本殿真正面の屋根のところです

ここにいる牛だけが北野天満宮で唯一立っている牛です。

撫で牛のほとんどが座っているのは、前述したように道真の亡骸を運ぶ牛車(ぎっしゃ)が停まった(牛が伏せた)ところだったからで、そのため撫で牛は座った状態のものが多いのです。

でも、この本殿の牛だけは立っている。

ここだけ唯一立っている理由は分からないのですが、神社の祭式で本殿の真正面(正中)は絶対に踏まないというルールがあります。

もし、牛が伏せていたらこの牛は正中を踏んだ状態になりますが、立っていればセーフです。

たぶん、そういうことなんじゃないかなって思います。