よく聞く京都の言葉(京ことば)で「ほっこり」というのがあります。テレビや新聞でもよく使われていて、京都を記事にする時に「ほっこりします」のように使われることが多いです。その多くは意味は「心温まる」で使われていますが、京都人の「ほっこり」は少しニュアンスが違います。
京ことば「ほっこり」本来の意味は?
京都の方言「京ことば」で一番知られているフレーズはなんでしょうか?
そう「ほっこり」です。
では、この意味とはなんでしょうか?
よくテレビなどでも「ほっこり」という表現が使われていることを見かけます。
例えば、読売新聞で使われている使い方の例として「その作品はほっこりとした味わい」というのが2020年3月29日の書評欄でありました。
その作品はほっこりとした味わい?
この使い方に違和感を覚える京都人も多いことでしょう。
「ほっこり」の意味は「心温まる」ことではない
多くのメディアで「ほっこり」というのは「心温まる」とか「癒される」とか「和んだ」とかの意味合いで使われています。
例えば、読売新聞で使われている使い方の例として「最後は、湯と笑いの力でほっこりと心が温まるのもお約束」と書かれた記事が2021年3月2日のドラマ紹介欄にありました。
ドラマは『でっけぇ風呂場で待ってます』という番組で、その紹介文の中で使われた表現です。
ほっこりと心が温まる
と書かれていて「あたたかい」の意味合いで使用されています。
でも、京都人が使う「ほっこり」の意味は「心温まる」ことではないのです。
「ほっこり」本来の意味は「疲れたなぁ」と休む時の言葉
京都人にとって「ほっこり」というと、とても忙しく働いた後に
疲れたなぁ・・・・
だるいなぁ・・・・
ほっとしたいな・・・・
と休憩したいときに使うのが本来の「ほっこりする」という使い方です。
ほっこりしますなぁ~は「疲れましたなぁ~」くらいの意味合いで、表現としては「まったりする」に近い言葉です。
ほっこりは「京ことば(京都弁とは言いません)」ですが、それが全国に広まる中で「心温まる」という使い方に変異していったのが、今よく使われている「ほっこり」の正体なのです。
京都や近郊の他府県を巡って見つけたその土地独特の言葉の意味や使い方を紹介しています。