今回の「京都食材」は、京都府木津川市の伝統野菜「当尾ごぼう」の紹介です。当尾(とうの)は古くから仏教寺院が多く存在した山間集落でもあるのですが、京都と奈良の県境であったことから京野菜や大和野菜(奈良野菜)の両方の産地でもありました。今回はその当尾で開催された「当尾文化祭」にて発売された「当尾ごぼう」を入手しました。
実はこの「当尾ごぼう」はなかなか入手できない幻のゴボウなのです。
京都には幻のゴボウ「当尾ごぼう」がある
2019年1月の記事で京都府木津川市の当尾(とうの)地区で開催された「当尾郷まつり」を見に行ったことはすでにお伝えしました。
実はその時にとても重要な情報を入手していたのです。
その情報とは「当尾郷まつり」で販売されなかった・・・・
幻のゴボウ「当尾ごぼう」
が「当尾文化祭」では販売されるという情報でした。
当尾文化祭について
「当尾郷まつり」は毎月第一日曜日に開催されている野市のようなものなのですが、実はもうひとつ「当尾文化祭」というイベントがあります。
「当尾文化祭」は「当尾郷まつり」よりも少し規模が大きく、毎月ではなく1月後半に開催されるイベントです。
当尾野菜の販売やコーヒーなどの屋台、さらに地域で作った郷土料理や惣菜などの販売、さらにイノシシ汁や当尾ごぼうおにぎりなどの販売があります。
他にも当尾の文化を知ることができる展示などもあるイベントです。
今回は2019年1月26日に開催された「第五回 当尾文化祭」に参加。
1月6日の「当尾郷まつり」に行った際に、当尾マダム達に教えてもらっていた幻の「当尾ごぼう」を入手することができたのです。
なお、各イベントについては以下のリンク先で詳細に紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。
当尾(とうの)地区の幻のゴボウ「当尾ごぼう」とは
では、その「当尾ごぼう」とはどのような野菜なのでしょうか。
個体差はありますが、通常のゴボウよりも太いゴボウで、この当尾地区の特産品になっている当尾野菜のひとつです。
出荷量が少なく、11月頃から年末に出荷されるのですが割烹などに高級食材として卸されることがほとんどで一般流通はほぼなくて東京の築地市場に出荷されているくらいです。
そのため、普通のゴボウの10倍ほどの値段になることもある高級食材が「当尾ごぼう」なのです。
堀川ごぼうと当尾ごぼうの違い
似た野菜には京野菜「堀川ごぼう」があるのですが(堀川ごぼうの詳細はこちら)、堀川ごぼうは中に「ス」と呼ばれる空洞があります。
しかし、当尾ごぼうにはその「ス」が存在しないというのが大きな違いです。
そのため、堀川ごぼうのようにブニブニした食感ではないので、味わいは当尾ごぼうの方が格段に美味しいゴボウだと言えます。
・11月頃から年末に出荷されるが割烹などに高級食材として卸されることがほとんど
・極太のゴボウで「堀川ゴボウ」に似ている
・柔らかいゴボウ
・堀川ゴボウとの違いは「ス(中の空洞)」が無い点
幻のゴボウ「当尾ごぼう」紹介
ということで、入手した幻のゴボウ「当尾ごぼう」で天ぷらを作ってみました。
細いゴボウだったら煮て食べたり、汁ものにしてもよいのですが、せっかくの太いゴボウなので「ゴボウ天」にしたところ、とてもホクホクとした天ぷらになりました。
ほんのり土の香りもし、油で揚げるので香ばしさが引き立ちます。
食感も良いゴボウで、噂で聞いていたとおり「当尾野菜は美味しい」と思える極上のごぼうでした。
ちなみに油で揚げる際にはゴボウの水分が抜けて軽くなるまで十分時間をかけて揚げていくのがポイントです。
すると、中までホクホクのゴボウ天になります。
当尾ごぼう まとめ
ということで、今回は希少食材「当尾ごぼう」の紹介でした。
この当尾ごぼうですが『満天☆青空レストラン』なんかでも取り上げられておかしくない珍しい野菜です。
当尾地区の特産品で、東京の割烹などで使われている高級食材です。
しかし、出荷量が少ないのでほとんどが築地に卸されていて、京都でもめったに入手できません。
地元での入手は年末の「当尾郷まつり」もしくは「当尾文化祭」のみなので、今回食べることができたのはまさに奇跡に近いと言えるでしょう。