浪速の伝統野菜「田辺大根」が『満天☆青空レストラン』で紹介されます。放送は2018年12月29日で大阪府河南町(かなんちょう)の生産者が育てた「田辺大根」を宮川大輔さんやゲストの中川家・まひるさん達で料理にして紹介するそうです。
では「田辺大根」とは、どんな大根なのでしょうか? 実際に食べて来ました。
田辺大根を使った料理が『満天☆青空レストラン』で紹介
2018年12月29日放送の『満天☆青空レストラン』で、浪速(大阪)の伝統野菜「田辺大根」が紹介されるそうです。
大阪府河南町(かなんちょう)の生産者が育てた「田辺大根」を宮川大輔さんやゲストの中川家・まひるさん達で料理にして紹介すると予告されています。
料理は「辛味餅(みぞれ)、ふろふき大根、フライド大根、お好み焼き」などが紹介されることになっており、真冬のあったかポカポカ料理として紹介される予定になっています。
上の写真は正真正銘「田辺大根」を使って作った料理(ふろふき大根、辛味餅)です。
ピリッとした辛味が少しありつつも爽やかな味わいの大根で「ふろふき大根、辛味餅」にとても合う大根です。
ということで、2018年12月29日放送の『満天☆青空レストラン』は見逃せない内容なのですが・・・・
なんとなくシックリいかない方もいるかと思います。
そうなんです・・・・紹介される生産地が「河南町」だからなんです。
大阪の伝統野菜「田辺大根」の発祥の地は東住吉区の田辺
では、なぜ紹介される生産地が「河南町」だとシックリいかないのでしょうか。
田辺大根は大阪市内(東住吉区周辺)で伝統的に栽培されてきた大根だからです。
東住吉区の田辺(たなべ)が発祥の地であることから「田辺大根」と呼ばれているので、本来は「河南町」の伝統野菜ではありません。
放送では「大阪府河南町(かなんちょう)」が撮影ロケ地になっていますが、大阪市の東住吉区にある「紫金山 法楽寺」の境内には「田邉大根ゆかりの地」という石碑も設置されています。
・丈の短いずんぐりとした大根
・大阪市内(東住吉区周辺)で古くから栽培されている
・ピリッとした辛味が少しありつつも爽やかな味わい
・キメが細かい
・大根おろし、大根炊きに適している
今年は2018年12月28日に法楽寺で「田辺大根の大根炊き」が行われ(最後の護摩だきで終い不動のお接待として提供される)、近くの方々が田辺大根を買って帰る姿が多く見られました。
上の写真は2018年12月28日に撮影した「紫金山 法楽寺」で行われた「田辺大根炊き」の風景です。
大きな釜で正真正銘「本物の田辺大根」が地元の方々によって炊かれており、境内は地元の方々で賑わっていました。
田辺大根の値段は小さいものが200円、大きいものが250円くらいで販売されています。
この値段は法楽寺の年に一度の催しの価格なので、縁起物で少しお高めかもしれませんが、相場によっては100円程度で購入できることもあります。
私も「田辺大根」を買って、法楽寺の境内で「辛味餅、ふろふき大根」を食べて行くことにしました。
田辺大根の辛味餅
上の写真が「田辺大根の辛味餅」です。
お餅を大根おろしと醤油で食べる料理で、これは焼き餅を使ったものです。
田辺大根はほんのりピリッとする大根で薬味にも適した大根なので、こういった料理によく合います。
ちなみに、この「田辺大根の辛味餅」は2018年12月28日に「紫金山 法楽寺」で振る舞われたものです(100円)。
田辺大根のふろふき大根
そして、こちらの写真が「田辺大根のふろふき大根」です。
大根を煮たものに味噌を練ってかけて食べる料理です。
赤いのは東近江の赤こんにゃくで、これも2016年11月5日放送だった『満天☆青空レストラン』で紹介されています。
大阪市東住吉区は「田辺大根 発祥の地」であることから、法楽寺では毎年この「大根炊き」が行われています。
こちらも2018年12月28日に「紫金山 法楽寺」で振る舞われたものですが、お代はお志(おこころざし)でした。
ちなみに、この大根は近くの畑で栽培されたもののようです。
田辺大根の由来と見分け方
この「田辺大根」なのですが、おいしい田辺大根である条件があるのだそうです。
それが「土」です。
田辺大根発祥の地である東住之江区周辺というか大阪市内の土は昔から大根の栽培に適していたと言われていて、江戸時代から日本全国で「田辺で栽培された大根はおいしい」と評判になり「田辺大根」と呼ばれるようになったのだそうです。
幻の野菜「田辺横門大根」が復活したのが今の田辺大根
この田辺大根は大正時代になると「田辺横門大根」と呼ばれるようになります。
なぜなら、先ほどから何度も出てくる「法楽寺」の西門付近の畑で栽培されていたからなのだそうです。
最近まで(2000年頃まで)は種子が絶滅したと思われており「幻の野菜」とも言われていたのですが、近年になって種子が見つかっており、今は法楽寺の北側「田辺大根の畑(上の写真)」で栽培されていたりします。
田辺大根は土(産地)が大事
さて、上の写真は田辺にある畑で栽培されている田辺大根です。
一番最初で2018年12月29日放送の『満天☆青空レストラン』で紹介されるのは「大阪府河南町(かなんちょう)」の田辺大根だと書きました。
でも、発祥の地「田辺」の方々に聞くと「河南のとは味が違う、土が違うから同じものではない」とコッソリ教えてくれました。
同じ大阪の伝統野菜である「蕪(かぶら)」なんかもそうなのですが、割烹の料理人さんなどは河南のものではなく「大阪市内」のものを買っていくのだそうです。
田辺大根の見分け方
さて、前述のように大阪市内の野菜はさすがに生産量が少ないのか、2018年12月29日放送の『満天☆青空レストラン』でも河南町で生産された田辺大根が紹介されることになっています。
しかし、せっかく食べるのであれば正真正銘の「田辺大根」を食べたいものです。
とはいえ、この大阪市内で栽培された「田辺大根」はあまり流通していないそうで、今回は発祥の地である法楽寺の大根炊きでなんとか入手することができました。
漬物なんかでも「田辺大根」とか「天王寺かぶら」を謳っていても、伝統的な産地以外で栽培されたものが出回っているそうです。
見分け方は裏ラベルに「大阪市産」と書かれているものが昔からの土で育ったものだと教えてもらいました。
大阪伝統野菜「田辺大根」まとめ
ということで、今回は大阪伝統野菜「田辺大根」を紹介しました。
『満天☆青空レストラン』で紹介されることになっていますが、そちらは大阪府河南町で生産された大根で、今回は本物の「田辺大根」を食べて来ました。
江戸時代から「田辺の大根は美味しい」と言われ「田辺大根」として知られているのは、大阪市内の土が大根の栽培に適していたからです。
今は『満天☆青空レストラン』で紹介される大阪府河南町産のものが出回っていますが、田辺の方によれば土が違うので味が違うとおっしゃっていました。
加工品で大阪の伝統野菜を購入する場合は裏ラベルに「大阪市産」と書かれているものを購入するというテクニックも現地で教えてもらえ、今回の大阪遠征は実りの多いものになりました。
田辺大根の楽天通販
楽天市場で通販できる田辺大根もありましたが、生産地は「大阪府下」とあります。
大阪市ではない点が気になりますが、今のところ通販で入手できるのは上記の楽天通販のみでした。
こういった表記は「野菜あるある」なのですが、こういった細かい点を見た方が良いというのは、今回の記事でよくご理解いただけたかと思います。