京都には江戸時代から薬屋さんが多かった通りがあります。それが「二条通」で、二条通の東西「高倉通~室町通」の区間では、漢方(唐薬・和薬)などを扱う薬種商が多く商いをしていました。
NHK朝ドラ『わろてんか』では、京都の薬種問屋の娘が主人公で、この通りが今後注目されることになるでしょう。
京都・薬種仲間エリアがNHK朝ドラ『わろてんか』の舞台に
2017年10月2日から放送開始となるNHK朝ドラ『わろてんか』、京都の「二条通」という薬屋さんが多かった所が舞台となっています。
明治・大正期を描くドラマで、京都の老舗薬種問屋の娘が、日本で初めて「笑い」をビジネスに「寄席」を経営する一生を描くというドラマです。
モデルは、吉本興業創始者(吉本せい)と言われています。
10月スタートのNHK連続テレビ小説「わろてんか」。主人公は京都の老舗薬種問屋のお嬢さん。主人公の兄は「薬学科の学生」。吉本興業の創業者がモデルの話なので薬の世界がメインではないが当時の薬種問屋や薬学部の様子を知ることができそう。https://t.co/BQlSh9zktN
— MIL編集部 (@mil_any) 2017年8月8日
出演者は「葵わかなさん、松坂桃李さん、濱田岳さん、千葉雄大さん、高橋一生さん、遠藤憲一さん、竹下景子さん、鈴木保奈美さん」などと話題性の高い出演陣となっていますが、それよりも気になるのは京都の撮影ロケ地です。
・5月19日~27日まで京都で撮影
・二条城
・京都御所
・東寺
・松竹京都撮影所
・上賀茂神社
2017年5月から、京都市内での目撃情報が多く出ています。
しかし、撮影ロケ地にはなっていないものの、江戸幕府公認の「薬種仲間」があった二条通は、今回のドラマの中心的な場所になるはずです。
では、その「薬種仲間」があった二条通とはどんな通りなのでしょうか?
薬種仲間があった京都の通り
「二条通」には、江戸幕府公認の「薬種仲間」という寄合があって、「薬種問屋」が多く存在していました。
現在は、寺町通から西は住宅が並ぶ細い道になっていますが、平安京の時代には岡崎エリアから二条城まで続く幅51メートルもあった大きな通りだったとされています。
薬種仲間というのは、薬種問屋の寄り合いのことです。
この薬種仲間が、江戸幕府から公認され、漢方(唐薬・和薬)などを扱う薬種商が多く商いをしていた場所が、二条通の東西「高倉通~室町通」の区間です。
この短い間に、50以上もの薬種問屋や仲買人がおり、今でも数軒は営業しているのが分かります。
薬祖神祠
二条城から二条通を東へ向かうと(一方通行)、左手に「薬祖神祠」が見えてきます。
祀られているのは、日本・中国・ギリシャの神様で、和洋漢折衷というなかなか珍しい神社です。
中国医薬の神様「神農」が祀られていることから「神農さん」と呼ばれています。
大巳貴命(おおなむちのみこと)
大国主命(おおくにぬしのみこと)
小彦名命(すくなひこなのみこと)
神農(中国医薬の神様)
ヒポクラテス(西洋医学の父)
二条薬業会館
今でも「組合」として「薬種仲間」は存在しています。
二条薬業会館は昭和11年に建築された木造二階建ての近代建築で、「薬祖神祠」のすぐ隣にあります。
今でも薬卸の組合が、ここで運営されていました。
二條和漢薬 東田商店
二条通をさらに東へ行くと、堀川通を越えてすぐ右に「二條和漢薬 東田商店」さんが見えてきます。
現在でも営業されている和漢薬を販売するお店で、レトロな門構えが目を引きます。
店頭には「紅花、山薬、蜂の巣、甘草」など、聞いたことがあるものないものが並んでいます。
現在の二条通で、普通に入れそうな薬局はここ一軒くらいしか見かけません。
他にも数軒あることはあるのですが、卸や常連客向けのようなたたずまいでした。
二条通にある京都の薬種仲間 まとめ
京都というのは、特定のエリアに同じ業種や役職の人が集まって住んだり商いをしていたので、このように薬屋さんばかりが並んでいた場所があります。
特に、二条通の東西「高倉通~室町通」の区間にかなりの数が集まっていたとされています。
2017年10月2日から放送開始、NHK朝ドラ『わろてんか』では、主人公は京都の老舗薬種問屋の娘という設定です。
撮影ロケが行われているわけではありませんが、京都の「二条通」という薬屋さんが多かった所が舞台なのは確実です。
その証拠に、近くの京都御苑や二条城などで撮影ロケが行われています。
そのため、ドラマが放送されると、二条通の薬種仲間が並んでいた通りにも観光客が多く訪れるのかもしれませんね。