今回の「京都案内」は京北で購入できる「万願寺とうがらし(万願寺甘とう)」の話です。京都だったらどこでも購入可能な「万願寺とうがらし」ですが、万願寺由来のものは舞鶴市内および隣接する限られた地域の農家さんでのみ生産されています。
では、その本来の「万願寺甘とう」とはどのようなもので、どこで購入できるのでしょうか。
万願寺とうがらし 本物と偽物がある?
今回の「京都案内」は、京野菜の代表格とも言える「万願寺とうがらし(万願寺甘とう)」の話の第3部です。
さて、今回は核心部分の「万願寺甘とう、本物と偽物」の話になります。
第一部・第二部で書いたように京都ではどこの八百屋・スーパーでも購入できる「万願寺とうがらし」ではありますが、その多くは完ぺきな「万願寺甘とう」ではありません。
かといって、そこらで売られている「万願寺とうがらし」が完全な偽物でもありません。
これはいったいどういうことなのでしょうか。
※以後「万願寺甘とう」で表記は統一します。
万願寺甘とう とは「伏見とうがらし」と「カリフォルニア・ワンダー」の交配種?
ネットで「万願寺とうがらし」と検索すると以下のような言説が流布されています。
これを元に書かれたブログ記事が多く「万願寺とうがらし」は伏見系のトウガラシとカリフォルニア・ワンダー系のトウガラシを交配したものだとされています。
京都府舞鶴市万願寺地区にて伏見系のトウガラシとカリフォルニア・ワンダー系のトウガラシを交配して誕生したものと言われている。
しかしこれは実際に判明していない話であって推測の域を超えない話です。
「万願寺甘とう」の公式サイトにも、定かではないという但し書きの上で「伏見とうがらし」と北米原産の「カリフォルニア・ワンダー」との自然交雑から生まれたらしいという記述があります。
万願寺甘とう とは「京都1号」という品種
「万願寺甘とう」と呼ばれる野菜は、大正時代に京都府舞鶴市万願寺地区で偶然にも原種ができたとされています。
それが「京都1号」という品種です。
現在でも、舞鶴市内および隣接する限られた地域の農家さんでのみ生産するようにして、近くで別のとうがらしを栽培しないなど品種を守る形で栽培されているものが厳密な「万願寺甘とう」なのです。
万願寺甘とうの本物を見分ける方法
では「万願寺甘とうの本物を見分ける方法」についてです。
高級料理店や八百屋さんの場合、お客様からリクエストとして「本当の万願寺とうがらしが欲しい」というニーズがあると思います。
そういった場合、どこでどう仕入れをするのでしょうか。
これはもう「産地」で仕入れるのが確実な方法です。
つまり京都府舞鶴市万願寺地区で「万願寺甘とう」ブランドで販売されているものを購入すれば良いのです。
ただし、万願寺地区以外でも許可を受けて「万願寺甘とう」を出荷している農家さんもあります。
例えば、京都・京北の「比賀江」地区の農家で比賀江さんという方がいるのですが、その方の栽培する「万願寺甘とう」は認可されているものです。
京都府舞鶴市万願寺地区以外で、京都市内から近い場所で買う場合は、京都・京北の「比賀江」地区の農家さん比賀江さんの「万願寺甘とう」を買えば間違いありません。
京北の「ウッディ京北」で売られています。
この「万願寺甘とう」なのですが、実の部分に「黒い部分」が出ているものが混じっています。
実はこれが「万願寺甘とう」の特徴なので、「黒い部分」があるからダメというものではなく、逆に「万願寺甘とう」であるという証明になります。
万願寺甘とう まとめ
・京都府舞鶴市万願寺地区と認可を受けた近隣農家のみが栽培
・「京都1号」という品種
・京北だと比賀江のものが該当する
・市内だとウッディ京北で購入可能
・実に黒ずんだ部分があるが本物であることの証明
万願寺とうがらし(万願寺甘とう)は京都ブランドで「京野菜」と認定されているものが出荷されているのですが、実際には「万願寺甘とう」というのは、京都府舞鶴市万願寺地区と認可を受けた近隣農家のみが栽培している「京都1号」という品種です。
別に「万願寺とうがらし」として売られている多くの野菜が偽物というわけではありません。ただし、品種的な話を厳密にするのであれば「万願寺甘とう」というのは限定された野菜であることも確かです。
京都府京都市右京区京北周山町上寺田1−1
営業時間:9時~18時
定休日:無休
URL:http://fuw.jp/woody/