京都・嵯峨野の広沢池では毎年冬になると「鯉揚げ」という冬の風物詩が見られます。鯉揚げの時期は広沢池が完全に干上がった状態となり「コイ・フナ・もろこ・エビ」などが販売されるのです。そして、その時期には幻の川も出現するといいます。
実際に広沢池まで見に行きましたので2016年冬の風景と共にご覧ください。
京都秘境ハンター始まります!
京都秘境ハンター
うちの困ったちゃん温泉担当が寒い京都の曇り空の下で何かつぶやいていました。
温泉担当 「鯉揚げ・・・・(*⁰▿⁰*)」
鯉揚げ?なんでしょう?
鯉(コイ)のソテーの話でしょうか?
しかし、その直後にもっと面白そうなことをつぶやいたのです!
温泉担当 「広沢池の底にある幻の川のコイ・・・・(*⁰▿⁰*)」
幻の川?!
これはぜひ見に行かなくてはいけません!
我々は「幻の・・・・」というフレーズには特に弱いのです(笑)
ということで、今回の「京都秘境ハンター」は、冬の風物詩「広沢池の鯉揚げ」と「広沢池の底にある幻の川」を見に行くことになりました。
京都秘境ハンター始まります!
鯉揚げ @京都・広沢池で行われる冬の風物詩
さて、京都・嵯峨野にある「広沢池」に到着すると・・・・
広沢池が干潟になっていました!
なんということでしょう・・・・遂に我々の住む京都は干ばつで食糧難の時代に突入してしまったようです。
しかし温泉担当は・・・・
温泉担当 「鯉揚げ・・・・(* ॑꒳ ॑* )」
と・・・まだ料理の話をしてワクワクしています。
すると彼は池の向こう側を指さして、重い口を微かに動かして小声でこう言ったのです・・・・
温泉担当 「料理じゃねーよ・・・・( º言º)」
あ、なんか(たまにある)怖いモードです(笑)
実は・・・・
「鯉揚げ(こいあげ)」というのは、京都の広沢池で毎年冬になると行われる「コイやフナの販売風景」のことだったのです。
鯉揚げの場所では近くの農家さんが池の中で生け簀のようなものを作り、作業台などを並べており、それを近隣住民が眺めたりしています。
広沢池には「コイ・フナ・もろこ・エビ」などが生息しており、鯉は1キロ1000円ほどで販売されていました。
結構大きいもので、だいたい2kg以上にはなるようです。
「もろこ」は「ホンモロコ」でコイ科の小魚のことです。京都では西本願寺御用達「坂安さんの本もろこ甘露煮」など京料理があります。
では、なんで広沢池は干上がっているのでしょうか?
鯉を獲るため?
実は理由があるのです。
京都・広沢池の水抜きと池干し
京都・広沢池では毎年冬になると「水抜き・池干し」というのが行われます。
これは、広沢池の水を抜いて池の底に貯まった泥を洗い流すのが目的ですが、池底が太陽光を浴びることによって(池干し)微生物が泥を分解するとも言われています(水質を保つため)。
・京都・広沢池で行われる冬の風物詩
・貯水量15万tもある池の水を抜く
・池底の泥を洗い流すのが目的
・池干しすることで微生物が泥を分解して水質が維持される
広沢池というのは人工的な農業用の溜め池であるため、毎年池の底を洗うということを農家さんでは代々行ってきたのです。
そして、その期間にだけ、広沢池のコイやフナを収穫する「鯉揚げ(こいあげ)」も行われており、地元の方々が広沢池のコイなどを買い求める姿が見られるのです。
そして、もうひとつ珍しいものが見られます。
それが・・・・
池の底に出現する幻の川です!
広沢池の水抜きで出現する幻の川
そして、もうひとつこの時期にだけ見られるのが・・・・
池の底から出現する幻の川です。
これは広沢池の西側にある嵯峨野の水田地帯から戻ってくる水が流れ込んでおり、それが池の底で川のような流れになっているため見られる現象です。
広沢池に流れ込んでくる水流は2本あって、それが川のようになっています。
本来であれば、広沢池に注がれている農業用水ですが、この時期にだけ川のようになって広沢池の池底を這うように流れているのです。
ということで、今回は「冬にしか見られない広沢池の鯉揚げと幻の川」を紹介しました。
あまり話題にはならない冬の風物詩ですが、この北嵯峨エリアでは毎年見られる冬の風物詩です。
料理に自信のある方はコイやフナでお料理してみてはいかがでしょうか?
次回の「京都秘境ハンター」もお楽しみに!