11/8放送『林先生が驚く初耳学』で「二条城に家康の痛恨建築ミス」というネタが登場するとありました。「二条城の設計ミス?」は聞いたことがありません。しかし、有名な話がひとつあります。それは「二条城は傾いている」という京都のミステリーです。
二条城が傾いているのは、方位磁石の北が本当の北ではないことに原因があると現在言われています。
二条城の謎が『初耳額』で紹介
「二条城に家康の痛恨建築ミス」と11/8放送『林先生が驚く初耳学』の予告に書かれています。
徳川家康の治世とのことなので、現在ある京都・二条城のことですが(歴史上複数ある)、これに設計ミスというのは、どういうことなのでしょうか?
二条城
現存する二条城は、慶長8年(1603年)に落成したもので、東側半分の「二の丸御殿」が徳川家康の命令によって構築されたものです。
西側半分は徳川家光が「寛永の大改修」で増築(拡張)したものです。
地図を見ると、左側が少し南北に狭いのですが、そこが拡張部分です。
で、この地図を見て、なにか気がつきませんでしょうか?
よーく見ていただきたいのですが、二条城って右に少し傾いていますよね?
3度傾く二条城
私は通勤で毎日この堀川通を通っていたのですが、この通りって南に行くほど道が広くなっているという違和感のある道なのです。
道といっても、二条城の駐車場になっているのですが、地図を拡大して見ると、堀川通の下の地下鉄「二条城前駅」のところでずいぶんと広がっているのがわかります。
これが、『初耳学』で言うところの設計ミスの話でしょうか?
南禅寺にも3度傾く建築物がある
しかし、これは二条城だけではありません。
二条城の北側にある一角(松屋町)も、そこだけ南北の道が傾いています。
また、二条城の西側にある一角(主税町)、そこだけ東西の道が傾いています。
さらに、この傾きは江戸時代初期の建造物に見られる事象です。
実は、京都の南禅寺三門(山門)も5度傾いています。
よく見てください。
南禅寺って、全体的に右に傾いていますよね。
北極星と方位磁石の誤差により二条城は3度ずれている
二条城や南禅寺が傾いている理由について、天下の「国土地理院地理地殻活動研究センター」様が、詳細な解説をしています。
それによると・・・・
京都は平安京の時代につくられた際には「北極星」を使った
北極星は「真北」(しんぽく)であり、正確な北
江戸時代初期に「方位磁石」が伝来
「方位磁石」の示す北は「磁北」(じほく)と呼ばれる
「磁北」は正確な北ではない
「真北」と「磁北」の差を「偏角」(へんかく)という
江戸時代に「偏角」は東に3度傾いていた
2014年には「偏角」は西に7度傾いている
分かりづらいと思うので、以下の図を参照してください。
地磁気の話(続き)二条城は周辺の地割りに比べ南北軸が約3度東に傾いています。その理由は平安京の造営時には北極星を目印に方位を決めていたのがこの城の建築では西洋人が持ち込んだ磁石を使った測量を行ったため方位にずれが生じたとする説が有力。 pic.twitter.com/OSVB4TFQHa
— 国土地理院地理地殻活動研究センター (@GSI_Research) 2014, 5月 19
要するに、方位磁石の北は本当の北ではないのです。
二条城が出来た慶長8年(1603年)は、「磁北線」ちょうど東に3度傾いていたことが原因であると書いています。
南禅寺も5度傾いているのは、南禅寺が建築された1628年には東に5度傾いていたことが原因です。
建築時期とその時の「磁北線」の傾き(偏角)と建築物の傾きがだいたい一致するという話です。
初耳額 2015年11月8日 予告
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