京都の身近にある秘境を紹介する「京都秘境ハンター」。今回は京都にある治外法権「光華寮」の紹介です。すでに廃墟となって何十年も経つ建物ですが、国際問題で政府も行政も対処できない建物です。
京都にある治外法権な廃墟「光華寮」

京都にある治外法権な廃墟「光華寮」
京都市左京区の北白川に「光華寮」という建物があります。
京都大学農学部の東側、今出川通から裏通りを少し入ったところにある廃墟です。
50年以上前には華僑(台湾人)の学生が住んでいた建物ですが今は人は住んでいません。

ツタが絡む建物はもう何年も使われていません
ツタが絡む建物はもう何年も使われていません。
何十年もの間、この建物はここにあるのになぜ使われないのでしょうか。
実はここいわくつきの場所なのです。
光華寮とはなんなのか?

元は台湾が所有していた学生寮(光華寮)
この「光華寮」はいわゆる治外法権であり、立ち入ることは一切禁止されています。
つまり外国政府が所有している(はず)の建物なのです。

治外法権で立ち入ることはできません(光華寮)
元は台湾政府が華僑(台湾人)の学生のために建てた学生寮で1960年代後半まで使用されていました。
しかし、1972年に日本は中国と国交正常化をし、日本は台湾と断交となります。
1977年にこの建物どうするかという話になって、ここが中国所有なのか台湾所有なのかで係争が起きるのですが、1977年に京都地裁は「寮は中国のもの」と判断。
しかし、大阪高裁の二審(1987年)では「断交しても寮は台湾のもの」と判断します。
光華寮は中国所有のもの(日本政府見解)

日本政府の立場としては光華寮は中国所有のものになっている
2007年に一審と二審の判断が差し戻され、台湾に建物所有をする資格がないと判断されます。
つまり、この建物は中国所有であると司法が判断したわけです。
日本と断交している台湾には資格がないという判断なわけで、日本政府の立場としては光華寮は中国所有のもとなりました。
で、中国に対して「この建物なんとかせぇ」という裁判を起こすのですが、中国政府からすれば知ったこっちゃない話なのも事実。
原告の中国が手続きを進めないので裁判ができず、事実上裁判が終了。
そのため、この「光華寮」を誰が管理するのか決着がつかず手付かずの廃墟になってしまったというわけです。
光華寮はどこにある?

誰のものか法的に解決できない建物
この光華寮は現在は所有者を判断できない建物となっていて、このまま野ざらしで放置される運命にあります。
一応、管理する団体はあるのですが、所有者を法的に確定できないという状況です。
周辺住民の方にとっては迷惑な建物でしかありませんが、国際問題もあり政府も市も対処できない建物になっています。
場所は白川通今出川を西に歩いて5分ほどのところで「えいこう北白川ほいくえん(保育園)」の道を北に入ってスグです。
住所でいえば「〒606-8267 京都府京都市左京区北白川西町」で、地図で見たい場合はこちらをクリックしてください(Google Mapsが開きます)。
くれぐれも立ち入りはしないでください。
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記事を書いている人
記事を書いている人は飲食新店調査やグルメ実食レビューに定評のある「ノーディレイ(@nodelayworks)」により書かれています。1970年東京生まれ東京育ち・早稲田卒・学生時代から食べ歩きをしつつ上場企業などで新規事業開発課長・システムエンジニアを経験して退職。京都で第二の人生を送ることを決意して移住。記事にした新店情報は2600件以上あります。お問い合わせ方法はこちらのページを参照してください。