京都の夏の風物詩「川床」には2種類あります。それが「鴨川の川床」と「貴船の川床」です。同じ川床ですが違いがあり、読み方も違います。今回はそんな京都の川床についてまとめました。
6月の京都、鴨川には夏の風物詩「川床」が設置され始めました。
鴨川べりの京町家の軒先に板間を作り納涼床で食事を楽しむ京都の風習です。
夜の涼しくなる時間帯になると、鴨川を見ながら納涼を楽しむ観光客が増えるのもちょうどこの時期です。
この京都の風物詩「川床」は実は2種類あるのをご存じでしょうか?
川床には上の写真「鴨川の川床」のほかにもうひとつ川床があります。
それが「貴船の川床」です。
上の写真が「貴船の川床」で、左京区の鞍馬・貴船と呼ばれるエリアで行われている川床です。
この鴨川の川床と貴船の川床を見比べてみると、明らかに「鴨川の川床」とは違う点があります。
今回はこの「鴨川の川床と貴船の川床の違い」を解説していきます。
鴨川の川床とは
鴨川の川床は鴨川の川辺に板を出しています。
店舗によって川床の大きさは様々、鴨川の両岸の人が歩ける部分(高水敷=こうすいじき)ギリギリまで板を出すお店もあります。
高水敷近くまで板を出しているところは鴨川の左岸を流れる「みそそぎ川(全長2kmほど)」の人工川の上に板を出しています。
鴨川の川床とは鴨川を見るために「みそそぎ川」の上に組まれた板間のことを言います。
貴船の川床とは
貴船の川床は川の上に板を出しています。
川は「貴船川(きぶねかわ)」と呼ぶれる浅い川、その上に板を置いて納涼を楽しむという京都の風習です。
鴨川の川床と貴船の川床の違いは、前者が川辺の高い位置に板を出して川を見ながら行われるのに対し、後者は川の低い位置に板を出しているという違いです。
【貴船の川床】貴船川のすぐ上(低い位置)に低床を置いて納涼する。
鴨川の川床と貴船の川床の読み方の違い
もうひとつ、鴨川の川床と貴船の川床には違いがあります。
それが「読み方の違い」です。
京都の人は「ゆか」とひっくるめて言う人も多いのですが、鴨川の川床は「かわゆか」と読みます。
逆に貴船の川床は「かわどこ」と読まれています。
【貴船の川床】かわどこ
鴨川の川床と貴船の川床の読み方の覚え方
この鴨川の川床と貴船の川床の読み方の違いは「どっちがどっちだっけ?」と少し混乱してしまう読み方の違いですが、実は簡単に覚える方法があります。
貴船の川床(かわどこ)は貴船川を隠すように板を敷くので「かわどこ?」で覚えるのです。川が板で見えないから「どこ?」で覚えると覚えやすいですね。
ちなみに「貴船(きぶね)」にも2つの読み方があるのはご存じでしょうか?
地名としての読み方は「きぶね」と濁りますが、貴船神社は「きふね」と濁りません。
貴船神社は水の神を祀る社、そのため水が濁らないように社の名前も濁らないのです。