京都の「離合困難」看板の写真と解説

今回の「京都案内」は道路で見る「離合困難」という道路の看板について解説します。「離合困難」とは「すれちがいできない」という意味で、車両一台分程度の道幅しかない区間で使われる言葉です。

離合困難という言葉以外にも「すれちがい困難、幅員狭小、幅員減少」と表記されることがあります。

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京都の「離合困難」看板の写真と解説


国道477号「大原~百井別れ」区間にある「車両離合困難」の看板

国道477号「大原~百井別れ」区間にある「車両離合困難」の看板

京都の山間部を走っていると、たまに見かけるのが「離合困難(りごうこんなん)」という看板です。

離合(りごう)」とは「離れ合う」ことで、「合」は「しあう(為合う)」という意味だから「互いに離れる」という意味になります。

よって「離合困難」というのは「互いに離れるのが難しいというすれ違い困難な道になっていることを告知する看板なわけです。

・離合=離れあう
・困難=難しい
・つまり「すれ違い困難」という意味
国道477号の離合困難区間(京北宇津郵便局~神吉公民館)

国道477号の離合困難区間(京北宇津郵便局~神吉公民館)

この看板、関東に住んでいた頃には見たことがありませんでした。

京都に住んで初めて見かけるようになったのですが、漢字を見てもわかる通りで関東で見ていた「すれちがい困難」とまったく同じものです。

まぁ、平たく言えば「狭い道」にある看板ですが、かといって必ずしも狭ければあるわけでもありません。

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京都の「離合困難」はどのような道にあるのか


離合困難の看板は道が狭ければあるというわけではありません

道が狭ければあるというわけではありません(国道477号と国道367号の合流付近)

この「離合困難」の看板ですが、設置場所にはある程度の共通点があります。

狭い道だったら必ずあるというわけではなく、山間部を通る交通量の多い国道や府道で、道が細い区間で見かけることばかりです。

逆に言えば、京都の街中では見かけることはありません

京都の中心部は碁盤の目状の道なので、細い道であれば一方通行になっているからです。

街中では「離合」することすらないのです。

・山間部
・国道で道が狭い区間
・ある程度交通量のある府道で道が狭い区間
・交通量のある道から住民しか使わない道に入る所

生活道路に「離合困難」の看板がある例


交通量が多い道から生活道へ入る場所などに設置されている例(国道477号 大原)

交通量が多い道から生活道へ入る場所などに設置されている例

「離合困難」の看板があるのは、狭い道であっても交通量が多めの道路だけです。

しかし、生活道路にも設置されている事例はあります。

上の写真のように、交通量が多い道から生活道へ入る場所には設置されていることがあります。

写真は大原(国道477号)から集落へ入る道にある離合困難の看板ですが、集落へ向かう細い道は他にたくさんあっても、看板があるのは国道477号に接している箇所だけでした。

京都にある「すれ違い困難」の看板


京都にある「すれ違い困難」の看板(京都市北区鷹峯千束町)

京都にある「すれ違い困難」の看板(京都市北区鷹峯千束町)

では関東で見た「すれ違い困難」という看板は、京都には存在しないのでしょうか。

いえ「すれ違い困難」という看板は少ないながらも存在しています。

上の写真は京都市北区鷹峯千束町の車一台分しかない区間に設置された看板で「この先道巾(みちはば)狭い 自動車すれ違い困難」と書かれています。

どちらをよく見るかといえば「離合困難」の方を見かけることが多いと思います。

・関東では「すれ違い困難」
・関西では「離合困難」が多い

「幅員狭少」と書かれた看板


「幅員狭少」と書かれた看板(和歌山県龍神温泉、国道425号)

「幅員狭少」と書かれた看板(和歌山県龍神温泉、国道425号)

上の写真は、和歌山県の龍神温泉から「国道425号」へと入る道に設置された「幅員狭少」と書かれた看板です。

漢字の「」に似たマークが描かれていることが多く、これも京都ではよく見かけます。

見かけるのは山間部、ある程度は車が通る場所で、かつ道が狭い場所です。

「幅員狭少」と書かれた看板(京都市左京区百井別れ、国道477号)

「幅員狭少」と書かれた看板(京都市左京区百井別れ、国道477号)

幅員」は「ふくいん」と読むので「幅員狭少=ふくいんきょうしょう」です。

平たく言えば「道が狭い」ということです。

上の写真は京都市左京区百井別れで「国道477号」と「京都府道38号」が合流する箇所に設置されている看板です。

・「幅員」は「ふくいん」と読む
・幅員狭少(ふくいんきょうしょう)=道が狭い
・写真は和歌山だが京都でも見かける
・京都では山間部の集落付近で見かける

「幅員狭少」の看板は山岳地帯で見かけることが多い


「幅員狭少」の看板は山岳地帯で見かけることが多い(奈良県十津川村、熊野古道)

「幅員狭少」の看板は山岳地帯で見かけることが多い(奈良県十津川村、熊野古道)

この「幅員狭少(ふくいんきょうしょう)」の看板は、山の奥の道で見かけることが多いと思います。

上の写真は奈良県十津川村から熊野古道へ入る道ですが「幅員狭し」と書かれています。舗装されているとはいえ山岳に近い山道になっている所です。

京都でも、先ほどの「百井別れ(ももいわかれ)」は、山の上(峠)へ向かう道です。

別の表現では「幅員減少」と書かれている場合もありますが意味は同じです。

離合困難も幅員狭少も車一台分の幅、離合注意は車二台分の幅


道幅は車一台分くらい(京都市左京区百井別れ、国道477号)

道幅は車一台分くらい(京都市左京区百井別れ、国道477号)

離合困難」も「幅員狭少」も車一台分の道幅しかない場合に使われています。

こういった道を「隘路(あいろ)」もしくは「狭隘道路(きょうあいどうろ)」とも呼びます。

ところどころで「離合」しやすい(少し道幅が広い)カーブがあるのですが、そんな場所すらない道もあります。京都では見ませんが、こういうスペースには「待避所」と書かれていることがあります。京都では「離合場所」とか言いますね。

もし、ギリギリすれ違えるほどの道幅があれば、標識は「離合注意」もしくは「すれちがい注意」という表記になります。こういった道での「すれちがい」を「対面通行(たいめんつうこう)」とも言います。

・離合困難も幅員狭少も車一台分の幅
・↑は隘路(あいろ)、狭隘道路(きょうあいどうろ)と言う
・すれちがいが出来ない場所があれば「離合困難」
・狭いがすれちがえる道幅なら「離合注意」
・↑は対面通行(たいめんつうこう)と言う

離合困難 まとめ


すれちがう道幅すらない道(京都・保津峡、京都府道50号)

すれちがう道幅すらない道(京都・保津峡、京都府道50号)

離合困難というのは「すれちがうことができない道」のことです。

こういった道路を「隘路(あいろ)」もしくは「狭隘道路(きょうあいどうろ)」と言いますが、「離合困難」の看板が設置されるのはある程度の交通量がある場合です。

京都では「離合困難」を使うことが多く、時折「すれちがい困難」という看板も見かけます。

京都府以外では「兵庫県滋賀県」では見かけ、滋賀県から三重県にかけては「待避所」という離合スペースの看板を見たことがあります。

大阪」でもたしか見た記憶がありますが場所が思い出せませんでした。

奈良和歌山三重」では言葉としては使われているのですが「離合困難」の看板は見たことがなくて「幅員狭少」が使われているのは見たことがあります。

・京都では「離合困難路線」は国道477号などの山間部で見かける
・看板の「離合困難」は一定量の交通量がないと設置されていない
・京都、兵庫県、滋賀県では見たことがある
・離合=離れあう=すれちがう
・離合困難は、すれちがうことができない区間があること
・離合注意は、全般的にすれちがえるが余裕がない道幅
・離合場は、すれちがえる広さのある場所
・すれ違う場所を「待避所」というが京都では「離合場」ということがある
・幅員狭小、幅員減少、すれちがい困難と表記されていることもある