大阪の伝統野菜「難波ネギ(難波葱)」、あまり出回らない幻の野菜で「浪速の伝統野菜」にも認定されているネギです。このネギ、実はすごいネギで、京都の有名な「九条ねぎ」や関東のネギの元祖と言われるネギなのです。
今回はこの「難波ネギ(難波葱)」を紹介したいと思います。
なにわの伝統野菜「難波ネギ」は葱の元祖
今回の「京都の食材」は大阪の浪速(難波)で130年前から栽培されてきた「難波ネギ(難波葱)」の紹介です。
なぜ大阪の食材を紹介するのかというと、実はこの「難波ネギ」が九条ねぎの元祖であるからです。
江戸時代、現在の「南海なんば駅」一帯は広大なネギ畑であったことはあまり知られていません。
そのネギが京都や東京へ伝わって栽培されて「九条ねぎ」や「千住ねぎ」として栽培されるようになったのです。
では、このなにわの伝統野菜「難波ネギ」とはどのようなネギなのでしょうか。
・大阪で自生するように
・130年前から「難波ネギ(難波葱)」として栽培されるようになる
・京都へ種が持ち込まれ「九条ねぎ」になったと言われる
・江戸へ種が持ち込まれ「千住ねぎ」になったとも言われる
・鴨南蛮を大阪では「鴨なんば」と呼ぶが「なんば」は「葱」という意味(参考記事)
難波ネギ の特徴
難波ネギは成長すると葉葱の部分が折れるほど柔らかく、その中には蜜(ショ糖)がトロッと含まれている野菜です。
葱の下部(白い部分)が少なく、葉の部分が多いのが最大の特徴です。
九条ねぎとソックリですが、その九条ねぎの元祖が「難波ネギ」になります。
難波ネギも九条ねぎも葉の部分を食べる「葉ネギ」と呼ばれる野菜ですが、本来・・・・ネギというのは「葉を食べる食材」だからです。
ここで、関東の方は「あれ?なんかネギが違う」と思われることでしょう。
関西では青い葉の部分を食べていますが、関東ではネギの白い部分を食べるからです(別記事:関東と関西のネギの違い)。
関東では気候が違って寒冷であったため「痛みやすい葉の部分」が伸びないように「土寄せ」して白い根の部分を増やして食べるようになったという歴史があり、関東のネギは「白ねぎ」と呼ばれるようになって、関西の「葉ねぎ」とは明確に区別されているのです。
難波ネギ は希少性の高い野菜
さて、「九条ねぎ」や「千住ねぎ」の元祖である「難波ネギ」ですが、葉の部分が柔らかいため(見た目も悪くなるので)生産する農家さんが少なくなってしまいました。
現在では一部の農家さんが伝統野菜として「難波ネギ」の栽培をしているだけで、流通も大阪市内の一部でしかされていません。
そのため「難波ネギ」は希少性の高い幻の野菜と言われるようになってしまいました。
難波ネギ 入手方法
前述のように「難波ネギ」は生産者が少ないため入手は困難です。
しかし「難波葱フェスタ」が行われるようになっていて、定期的に開催するようなので、そういった機会に入手することができます。
第2回難波葱フェスタ
1/18~1/27 大阪府内各所 https://t.co/AwZKq1y1g6 #osakachushin #event pic.twitter.com/qCsB5WTZxV— 大阪中心 / Enjoy Osaka🌸 (@osakachushin) 2019年1月15日
また農産物直売所でも見ることがあるので問い合わせみるのも良いでしょう。
もしくは、大阪の大日(だいにち)にある産直市場「よってって」では大阪産の野菜の扱いが豊富なので、そちらを見に行くのも面白いかもしれません。
同じ大阪伝統野菜「鳥飼なす、田辺大根」などの野菜を探してみるのも良いと思います。