今回の「京都の食材」は、万能調味料「梅びしお」の紹介です。京都の割烹「雲月」さんで販売されているものが美味しい「梅びしお」として知られていますが、本来は梅干しを発酵調味料「ひしお」で味付けした練り梅のことで、京都だけのものではありません。今回紹介する「雲月 梅ひしお」は梅干しの練り物に昆布などで旨味を加えたもので、京都御所の東(出町柳周辺)にある「御所雲月」さんで販売されています。
では、この「梅びしお」とは、いったいどんな食べ物なのでしょうか。
奇跡の万能調味料「梅びしお」って何?
今回の「京都の食材」は、発酵食品である「梅びしお」の紹介です。
これ、なかなか食通の方でもご存知ないと思いますが、梅干しを発酵熟成調味料「ひしお」で味付けした「ご飯のお供」のことです。
「梅干し」は、ご存知の通りで「梅を塩漬けにして天日干しした」もの、「ひしお」は漢字だと「醤」で中国語読みだと「ジャン」ということで調味料のことです。
この2つを合わせたものが「梅びしお」という食品です。
梅びしおは発酵食品
「梅干し」は発酵食品ではありませんが、「ひしお」は発酵食品なので、「梅びしお」は発酵食品ということになります。
もちろん、それ自体が発酵で作られたものではありませんが、材料の「ひしお」はいろいろな食材を塩(や麹)と合わせて発酵させたものだからです。
補足ですが、漬物は発酵食品で「野菜を塩漬けにすることで、野菜に含まれる植物性乳酸菌の発酵を促した」ものです。
梅干しも塩漬けにしますが、発酵はさせずに天日干しして腐敗させないようにしたものなので発酵食品ではありません。
梅干しというのは「超長期保存食品」であって腐敗(発酵)をさせないようにしたものだからです。
ネットでは「梅干しには乳酸菌が含まれる」と書かれているものもありますが、それはもう梅干しではありません。
なお、上の写真は京都の亀岡で代々漬けられた梅干し(二年もの)です。
梅干しと塩だけで漬けられた本物の梅干しですが、スーパーなどで売られているものの中には調味料で味付けされただけのものがあり、それは本来の梅干しが持つ機能「超長期保存食品」というものを持たない偽物の梅干しです。
では、発酵調味料「ひしお」と「梅干し」を使った「梅びしお」とは、いったいどんなものなのでしょうか?
京都 雲月の「梅びしお」
醤油が入ってくる前の古来の日本では、料理は「塩と梅」で味の調整をしていたことから「よい塩梅」という言葉が生まれており「梅干し」は日本の味の原点と言えるものです。
その梅干しで作った「梅びしお」は、要するに梅干しで作った万能調味料のようなものなのです。
ご飯のお供とか、握り飯などの具材にも使えたり、おつまみにしたり色々な使い方があります。
本来は「梅干し」と発酵食材であり調味料でもある「ひしお」を混ぜたものですが、今は梅干しの練り物に昆布や酢で味付けをしたものが売られています。
上の写真は、京都の割烹「雲月」さんの「梅びしお」で、紀州南高梅の梅干しに昆布の旨味を足して練ったものです。
京都だけのものではありませんが、京都の食ツウさんでも結構知らない食材のひとつです。
梅びしお 味は?
では、この万能調味料とも言われる「梅びしお」は、どんな味なのでしょうか。
これは、ずばり・・・・
梅干しの味です。
要するに「練り梅」で、今回入手した京都の「雲月」さんの「梅びしお」は、梅干しに昆布の旨味が合わさった食べ物で、やや「まろやか」な味わいになっています。
要するに「梅」の味なので、卵かけご飯に少々入れたり、おにぎりに入れたり、お鍋のつけ汁の香り付けなんかにも使えます。
梅びしお と卵かけご飯は神レベルの美味しさ!
この「梅びしお」に一番合う食べ物といえば・・・・
卵かけご飯
です。
卵かけご飯に箸でひとつまみの「梅びしお」を入れるだけで衝撃的な旨さになるのです。
旨味が増幅されて箸が止まりません。
これオススメなので、ぜひ試してみてください。
「梅びしお」はどこで買える?
さて、この「梅びしお」はどこで入手できるのでしょうか。
要するに「梅干し専門店」であれば、どこにでもあるものなのですが、東京だと「うめ八」、京都だと「おうすの里」や「御所雲月」さんです。
特に、京都の「御所雲月」さんの「梅びしお」は美味しいと評判のもので、今回の写真で使っているものも「雲月 梅びしお」です。
梅びしお(紙包装 60g)756円
値段は小さい瓶(60g)で756円で、御所東の「御所雲月」で購入することができます。
雲月さんの「梅びしお」は、前述のように梅干しに昆布などで味付けをしたもので発酵食品ではありませんが、本来の「梅びしお」は発酵した「ひしお」で味付けをしたものです。