今回の「京都案内」は、京都の枝豆のお話です。枝豆って大豆の未成熟の柔らかい時のものを食べるものです。一般的には「白枝豆(青枝豆)」が多いのですが、京都ではブランドとして丹波黒豆の枝豆「黒枝豆」を多く見かけます。それも「紫ずきん」とか「夏ずきん」という名前で売られています。
でも、それらの違いについてはあまり考えずに食べているのではないでしょうか。
今回は「夏ずきん・紫ずきん・黒枝豆・白枝豆」の違いについてまとめてみました。
京都の枝豆「夏ずきん・紫ずきん・黒枝豆・白枝豆」の違い
今回の「京都案内」は、そろそろ京都の枝豆「紫ずきん」の季節ということで、枝豆のお話です。
枝豆は夏の食べ物なので、季節的にはそろそろ終わりではあるのですが、秋頃に出回るのが「紫ずきん」という銘柄です。
でも、いろいろと気になることはありませんでしょうか?
・紫ずきんってブランド名?それとも品種?
・夏ずきんって何?
・黒枝豆というけど他に色があるの?
お店に買いに行っても「枝豆」にもたくさんの種類があって、それぞれ「どういうものなのか?」という疑問がありますよね。
紫ずきん(丹波黒豆から生まれた品種)
これからの時期は、丹波黒豆から生まれた「紫ずきん」という品種の枝豆が京都では流通します。
これ、粒が大型の品種でコクの強い味わいがする枝豆です。
・丹波黒豆から生まれた品種名
・秋の枝豆(9月~10月頃)
・京都府亀岡市などで栽培されています
・大粒
・やわらかめ
・枝についたサヤの大きいものを収穫
・摘んで収穫するので袋詰めになっている
京都のスーパーで、よく袋詰めで販売されているのを見かけると思います。
これは、枝についたサヤの大きいものから収穫していくので「枝(房)」で売られないからです。
しかし、収穫も最後の方になると枝ごと安売りされたりしています。
紫ずきん の大入り袋も存在する
京都の「紫ずきん」ですが、一般的に流通しているものは200gで300円~700円程度の「優」のものです。
実は、それ以外の「良」は400gで500円~1000円以下程度で売られている場合もあります。
その場合「生産者名を明記できない」という決まりがあります。
しかし、味は変わらないので、知っている人はこの「良版」を買っています。
・400g袋で売られている
・生産者が明記されていない
夏ずきん(早生の紫ずきん)
枝豆は夏の食べ物なのですが、京都では「夏ずきん」という銘柄も見かけると思います。
商品には「丹波黒大豆から生まれた京都の夏限定の枝豆」と書かれているのですが、これ実際は「紫ずきんの早生」です。
ということで「夏ずきん」というのはブランド名になります。
・丹波黒豆から生まれたブランド名
・夏の枝豆
・モノとしては「紫ずきん」の早生
・紫ずきんとして売るほうが高く売れるので農家的にはよろしくない
「紫ずきん」と同じものなのですが、枝豆の夏の季節にも出荷したいという思惑があるのでしょう。
しかし、「紫ずきん」という名前の方が有名で、農家的にはわざわざ早採りして売る必要もないのです。そのため、農家的にはあまりよろしくないブランドになっています。
黒枝豆と黒大豆の違いとは?
先ほどの「紫ずきん・夏ずきん」は黒枝豆というものです。
黒枝豆というのは、本来は「黒大豆」です。
「黒大豆」は、冬の12月に収穫を迎えるのですが、それを9月から収穫したものが「黒枝豆」というのです。
つまり枝豆というのは「大豆」の未成熟な時期のもので、柔らかいので枝豆として食べられているわけです。
夏ずきん(黒枝豆) 8月頃に収穫
紫ずきん(黒枝豆) 9月頃から収穫
黒大豆 12月に収穫
黒枝豆と白枝豆の違いとは?
さて上記までは「黒枝豆」ばかりを紹介していました。
では「黒以外」もあるのでしょうか?
実は「黒枝豆」が出回り始めたのが最近のことで、それ以前は「白枝豆(青枝豆)」が一般的に流通していました。
サヤのままだと、黒枝豆も白枝豆も違いはほぼわかりません。
でも、これは中を見ると違いがわかります。
左が「白枝豆」で、右が「黒枝豆」です。
色がだいぶ異なりますよね。
でも、京都以外では一般的に枝豆といえば「白枝豆」を見ると思います。
京都では、ブランドとして「黒枝豆」の方が高級で美味しいというイメージが定着しているので、農家さんが「白枝豆」から「黒枝豆」に生産をシフトしているのです。
そのため、京都では「黒枝豆」の方を見かけることがほとんどです。
京都のくろ豆(ぶどう豆)は「紫ずきん」のアウトレット
さて、京都府産の「黒豆」には、ブランド名が書かれていないものも売られていることがあります。
例えば、上の写真は「京都のくろ豆 えだ豆」と書かれているだけの商品袋です。
実は、これも・・・・
紫ずきん
なのです。
裏面記載には「ぶどう豆」とだけ書かれているのですが、実は「紫ずきん」というブランド名を使うにはお金を払う必要があるのです。
「ぶどう豆」というのは、ぶどうのように大きい豆という意味で使われるのですが、ちょっと実の大きいものをまとめた袋が、この枝豆です。
しかし、中身は正真正銘の「紫ずきん」と同じものなのです。
こういったように、アウトレットのような「紫ずきん」も売られていたりするのです。
京都の枝豆 まとめ
ということで、今回は「京都の枝豆」の話でした。
単に「枝豆」といっても知らないことがたくさんあります。
・紫ずきんは秋に流通する丹波黒豆の早生
・夏ずきんは夏に流通する紫ずきんの早生
・紫ずきんも夏ずきんも黒枝豆
・黒枝豆は丹波黒豆の早生
・白枝豆(青枝豆)は大豆の早生
・紫ずきんは秋の枝豆(9月~10月頃)
・紫ずきんは京都府亀岡市などで栽培されている
大豆は豆腐の材料ですが、それの柔らかい早熟のものが「枝豆(白枝豆)」です。
「黒枝豆」というのは、丹波黒豆の早熟のもので「紫ずきん」という京ブランドとして出荷されます。
「夏ずきん」は「紫ずきん」をさらに早採りしたものなのです。
興味深いですよね。