2019年5月14日、京都市上京区で大久保利通の茶室「有待庵」が発見されたと報じられました。この「有待庵」は大久保利通旧邸跡の奥深くにあり、ここにあった建物が取り壊されて、外から奥が見えるようになって発見されたのだそうです。記録や写真では「有待庵」の存在は知られていましたが、今でも現存することが知られたのは今回が初めてです。
大久保利通の茶室「有待庵」
新聞各紙でも報じられましたが、2019年5月14日の京都新聞に「大久保利通の茶室が現存しているのが確認された」と報じられています。
茶室は「有待庵」と呼ばれる建物で、発見されたのは「大久保利通旧邸跡」の中です。
ここに移築される前は、小松帯刀(こまつたてわき)の邸宅「御花畑(おはなばたけ)」にあったとされ、薩長同盟を密談した茶室ではないかと言われてきました。
現場に行ってみたところ、外からその有待庵の様子を見ることができました。
有待庵が発見された大久保利通旧邸跡は1866年(慶応2年)から1868年(明治2年)までた大久保利通が住んでいた場所のことで、その時に小松帯刀が邸宅を手放すと聞いて茶室を譲り受けたそうです。
移築したのは敷地の一番奥で、ここに移築したのはこの茶室を大久保利通も密談の場として使っていたからだとされています。
この茶室は京都市の発表(2019年5月30日)によれば、市有地に移築されることになったそうです。
国政を動かした大久保利通の茶室という歴史的価値があるものという判断です。
大久保利通旧邸跡
なお、この大久保利通旧邸跡ですが、現在は個人宅が新築されるため工事中です。
ただし「有待庵」が新しい場所に移築されるまでは所有者のご厚意で工事は中断されています。
2019年5月末時点で「有待庵」は移築のための解体作業中でした。
場所は河原町今出川で、史跡「大久保利通旧邸跡」にある個人宅で発見されました。