今回は滋賀県大津市にある「ヒリヒリ痛い飴」を紹介します。この飴、大津市の神領(じんりょう)にある「辻末商店(辻末製菓舗)」さんで販売されている「たにし飴」と呼ばれる伝統的な飴のことです。
では、このヒリヒリ痛い飴「たにし飴」とは、どのような飴なのでしょうか。
とてもヒリヒリ痛い飴「たにし飴」が滋賀県大津市にはある
滋賀県大津市、瀬田川を渡る「唐橋」の近く(神領地区)に一軒の老舗菓子店があります。
お店の名前は「辻末商店(辻末製菓舗)」というのですが、そこで珍しい飴が売られているのです。
飴の名前は・・・・
たにし飴
形が川などにいる「タニシ」に似ている山型だから「たにし飴」と呼ばれると説明されることもありますが、この三角山型(烏帽子型)の飴を「たにし」と呼ぶので「たにし飴」です。
では、この「たにし飴」いったいどんな味なのでしょうか?
実は・・・・
とても衝撃的な味がします。
甘い!でも「ヒリヒリ」する謎の味「たにし飴」とは
さて、辻末商店(辻末製菓舗)さんの店舗には「瀬田名物 たにし飴」という看板がたくさんあり、この界隈の名物飴として古くから知られているものなのだそうです。
店主さんの話では「生まれる前からある飴」で、それがいつから作られて来たのかは分からないとおっしゃっていましたが、創業は明治13年です。
その頃から「たにし飴」が作られてきたそうです。
たにし飴に含まれる原材料で特徴的なのが「ケシの実」が含まれていることです。
ケシの実とはスパイスのひとつで「ポピーシード」として、料理ではよく使われていますし「七味唐辛子」でも使われます。
・黒糖
・水飴
・ケシの実(ポピーシード)
・香料
しかし、ここで疑問が!
この「たにし飴」なのですが、香りは「ニッキ」に近く、味は辛味があって舌がヒリヒリする飴なのです。
おかしいですよね。
ケシの実(ポピーシード)は、そんな食材ではないのですから。
いわゆる「ケシの実=ポピーシード」は焼くとナッツのような香りはするものの、本来は「無臭」に近いスパイスです。
しかし、「たにし飴」は香りが「シナモン(桂皮)=ニッキ」などに似ているのです。
実は、たにし飴の香りは原材料にある「香料」なのですが、それが「ニッキ(肉桂油=桂皮油)」なのです。
では、舌がヒリヒリするほどの刺激の正体はなんなのでしょうか?
実は、これも「ニッキ(肉桂油=桂皮油)」の特徴で、ヒリヒリとする刺激がニッキ飴の特徴なんです。
ということで、ケシの実は香り付けに使われているだけです。
そして、特徴的な香りと辛味は「ニッキ」によるものでした。
ニッキ飴はよくあるものですが、昔ながらの製法で作られている「瀬田名物 たにし飴」、お近くに来た際には買ってみてはいかがでしょうか。
辻末製菓舗 アクセス方法
さて、そんな辛味のある「とてもヒリヒリ痛い飴」が売られている「辻末製菓舗」さへの行き方です。
県道16号線、瀬田唐橋を東へ渡ると「神領(じんりょう)」という地区に出ますが、その交差点にお店があります。
現在は「月曜日と火曜日が定休」になっているのと、店主さんが高齢ということもあって「たにし飴」が売られているだけでした。10月からは「にっきもち」も販売されるということです。
たにし飴(ニッキ飴)は、滋賀県では他にも竜王にある「松栄堂(地図)」さんでも作られていますが、色が少し違います。でも、同じ「ニッキ飴」ですよ。
営業時間:9時~18:30
定休日:月曜日、火曜日