外国人がワザワザ買いに来る京都の七味唐辛子が2018年6月16日放送『スゴ~イデスネ!!視察団』で紹介してもらえるそうです。七味唐辛子は全国にありますが、京都の七味は歴史があり、素材や調合にこだわったお店がたくさんあります。京都の町中には自分の好みを伝えれば調合してくれる七味屋さんも多くあるのです。
今回は、観光客に人気の「七味家本舗、原了郭」さんや、地元の北野で人気の「加藤商店、長文屋」さんなどオススメ七味唐辛子のお店を紹介します。
外国人がワザワザ買いに来る京都の七味唐辛子が『スゴ~イデスネ!!視察団』で紹介
2018年6月16日放送『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団』で、京都の七味唐辛子が紹介されることになっています。
外国人がワザワザ買いに来る「日本の良品」のひとつとして紹介されることになっており、予告映像では「山椒」が多め(唐辛子少なめ)の緑色が強い七味唐辛子が映っていました。
京都では七味唐辛子は身近な食材で、観光客などに有名なお店として「七味家本舗、原了郭(はらりょうかく)」があります。
七味家本舗さんは山椒七味、創業1655年と老舗で清水寺参道にお店があります。日本三大七味のひとつで、番組で紹介されるのは「七味家」さんかもしれません。
原了郭さんは黒七味(山椒)が人気で、木筒に入った粉山椒や黒七味は京都のラーメン屋さんで卓上調味料としてよく見かけます。こちらも1703年創業の老舗で、八坂神社へと向かう道にあります(現・四条通)。宮内省御用達もつとめたことがある名店で人気があります。
・原了郭(1703年創業、オリジナル商品である黒七味が有名)
地元で人気の七味屋さんとしては、北野天満宮の参道(一の鳥居)にある「加藤商店」さんは昔からある七味屋さんとして地元では親しまれてきたお店です。
同じく北野天満宮の近くにある「長文屋」さん、こちらも以前は北野天満宮一の参道(一の鳥居)近くの北野商店街に店舗がありました。山椒にこだわりがあり、粉山椒も人気があります。
どちらの七味屋さんも「自分好み」のブレンド調合で作ってくれるという特徴があり、店頭で好みと量を伝えると「その場で調合」してもらえます。
・長文屋
京都の七味の特徴
ここまでで、なんとなく「京都の七味の特徴」が見えてきます。
・オリジナルブレンドで好みの七味にできる
・門前にあることが多い
前述の七味屋「七味家本舗、原了郭、加藤商店、長文屋」さんともに山椒の香りの良い七味が扱われており、お店によっては好みのブレンドで七味唐辛子を作ってくれます。
つまり、色合いとしては「赤色」よりも「緑色」に近い色合いになってくることが多いと言えます。
また、七味屋さんが「門前」つまり寺社仏閣の近くにあることも注目すべき点です。
京都の七味は山椒の香りが大事
京都の七味は辛さよりも「山椒」の香りが重視されるようです。
以前の記事で「京都は山椒文化」という記事を公開して、京都の食事処では山椒で食べる「うどん、親子丼、ラーメン、和菓子」が多いことはすでにお伝えした通りです。
京都で親子丼を食べるのが一番わかりやすいのですが、京都で親子丼に山椒がかかっていないことはまずありえません。
また、ちょうど今の時期ですが、関西では(京都では特に)「山椒の実」が普通にスーパーで並んでいたりしますし、京都のお土産で有名な「ちりめん山椒」も山椒の実を使ったものです。
山椒自体が「関西の食材」と言われますが、そもそも関西は「出汁文化」で味の濃さ薄さよりも「香りの良し悪し」の方を重要視します。これは京都ラーメンにも言えることで、醤油ダレは薄口醤油で出汁の風味を損なわないラーメンが多いのが特徴です。
私の身近な人々でも「七味唐辛子は山椒の香り重視」という方の方が圧倒的に多く、京都の七味は辛さよりも「山椒」の香りが重視されてるというのは常々感じるところです。
京都の七味はオリジナルブレンドで購入
有名観光地にある七味屋さんではすでにブレンドされた七味唐辛子をパックで販売していますが、京都の町中にある地元の方が買うような七味唐辛子専門店では「好みの調合で作るオリジナル七味」という販売形態が一般的です。
前述した北野天満宮の門前にある「加藤商店、長文屋」さんはどちらも店頭で好みを伝えると、その場で七味を調合して袋詰にしてくれます。
まずは「辛さ」を決めてから「山椒多め」といようなオーダーが可能です。
逆に関東では「辛さが重視」されるので赤い色の七味唐辛子であることがほとんどです。
東京でも老舗では七味を好みでブレンドしてくれ、日本三大老舗七味屋のひとつである「やげん堀・中島商店(東京・浅草)」も目の前で調合してくれる七味屋さんです。
京都の七味屋は門前にあることが多い
これは京都だけに限らないのですが、七味屋は門前にあることが多いと言えます。
門前というのは「寺社仏閣の近く」ですが、鳥居の近くに「七味屋」さんが多いというのは、よくよく観察している人であれば気がつくことでしょう。
・原了郭(八坂神社)
・加藤商店(北野天満宮)
・長文屋(北野天満宮)
日本の七味屋で老舗として名高いのは「やげん堀・中島商店(東京・浅草、1625年創業)、七味家本舗(京都・清水、1655年創業)、八幡屋礒五郎(長野市・善光寺、1720年創業)」ですが、いずれも「門前」にお店があります。
これについては七味屋さんで聞いても「なんでだろうね、昔から鳥居の近くにお店があるから」と言うだけで詳細は分からないのですが、ウチの困ったちゃん温泉担当は「七味は薬味ちゅうくらいで、江戸時代には漢方だったもの。病気治癒も神頼みの時代には門前で売るのが一番売れたんだろうね。」と推測していました。
京都の七味屋「七味家本舗」
日本三大七味のひとつで、1655年に清水寺参道で創業した老舗の七味屋「七味家本舗」さんは京都でも一番有名な七味店です。
清水寺への参道となっている松原通にあることから観光客に人気のお店で、外国人もたくさん訪れます。
この「七味家本舗」さんのポテトチップスが6月に販売開始されており、食べてみたところ「山椒」のさわやかな柑橘系の香りがする美味しいポテトチップスになっていました。
「七味唐辛子は風味が命」として、調合は「唐辛子、山椒、黒胡麻、白胡麻、紫蘇(しそ)、青海苔、麻の実」となっています。
七味唐辛子の風味を左右する山椒は、国内産の山椒を自社の畑で管理するほどの徹底ぶりです。
京都の七味屋「原了郭」
JR京都駅にも「原了郭 八条口店」というレストランがあり、そこで原了郭さんの七味をいろいろと試しながら食べるカレーライスがあります。
材料をから煎りして、それぞれの食材の色が隠れるまで揉み込んだ「黒七味」は、山椒の香りが良く、味わいも深く人気の七味です。
1703年創業、オリジナル商品である黒七味は「原了郭」さんの登録商標になっています。
本店は八坂神社へ向かう四条通にあるので立ち寄りやすい場所にお店があるのも良いですね。
JR京都駅の原了郭レストランは紹介もありますので、ぜひご覧ください。
京都の七味屋「加藤商店」
北野天満宮の門前にある「北野下の森商店街」にある老舗七味店が「加藤商店」さんです。
店頭には調合用の薬味が並んでおり、自分好みの調合で作ってくれます。
注文方法は「辛くないようにして」とか「山椒の香り多め」とか「ゴマ多め」など、だいたい伝われば、店主が長年の勘で良いようにブレンドしてくれます。
値段は小袋で300円からで、調合は「一味唐辛子、麻の味、白胡麻、陳皮、山椒、青紫蘇(しそ)、青海苔」となっていました。
京都の七味屋「長文屋」
北野天満宮の近くにある七味店が「長文屋」さんで、地元ではこちらに七味唐辛子を買いに行く方が多いと思います。
「あなただけの七味」を作ることができ「小辛、中辛、辛口、大辛」から選んで、粉山椒が好きなら「山椒多めで」といったオーダーが可能です。
値段は分量で「340円~1650円」とあり、山椒多めだと少し値段が上乗せになって、上の写真の「8杯分」で620円(山椒多め)となっています。
調合は「唐辛子、山椒、芥子(けし)、麻の実、紫蘇(しそ)、胡麻、青海苔」となっていました。
京都の七味 まとめ
ということで、今回は外国人がワザワザ買いに来るという「京都の七味唐辛子」についてまとめてみました。
京都では「香り」を重視した七味唐辛子で、関東の辛さ重視とは違う風格ある味わいの七味になっているのが特徴です。
観光地でも七味屋さんは多く見かけ、特に寺社仏閣の門前にお店があることが多いようです。
値段は300円程度からあり、お店によってはオリジナルブレンドで「あなた好みの七味」を作ってくれます。
・原了郭 木筒に入った「黒胡椒」は京都の飲食店でも採用されている
・加藤商店 天神さん門前で300円から好みの調合で作ってくれる
・長文屋 粉山椒にこだわり、4代続く北野白梅町の七味屋さん