鯖を使った京都の名物は「鯖寿司」、大阪では「バッテラ」と呼ばれています。どちらもシメサバを使った寿司で、昆布を巻いたり敷いたりしてあります。見た目はほぼ変わりませんが、基本的には作り方が違い、バッテラは「押し寿司」です。
今回は、この「バッテラとサバ寿司の違い」と「昆布は食べるのか問題」についてです。
大阪のバッテラと京都のサバ寿司の違い
京都の名物「鯖寿司」、江戸時代から福井県の小浜などから京都へ運ばれた鯖で作る寿司のことです。
鯖を運んだ道を「鯖街道」とか「若狭街道」と呼び、現代の国道367号~303号線で小浜まで向かう道は当時の「鯖街道」の主要路線のひとつでした。
それはともかくとして、大阪にも「バッテラ」という似た食べ物があります。
まったく同じもので、現在においてはどちらも鯖を使ったお寿司のことです。
しかし、両者には違いがあります。
大阪のバッテラは押し寿司
大阪のバッテラも鯖で作った寿司のことです。
上の写真が「バッテラ」で、鯖を使う点も見た目はほぼ変わりません。
厳密な区分けは難しいのですが、大阪のバッテラは基本「押し寿司」です。
写真のバッテラも角がありますが、これは木箱で成形しているからです。
京都の鯖寿司は「まきす」で巻く
京都の鯖寿司も鯖で作った寿司のことです。
上の写真は鯖街道で売られている鯖寿司で、滋賀県の朽木宿で食べたものです。
シメサバをのせた酢飯を「まきす」で巻いており、山型の丸みのある形が一般的です。
ただし、これも厳密にそうだとは言えないみたいで、押し寿司のような鯖寿司もあります。
また値段がするものは「竹の皮」で巻いて売っているのですが、これが本来あるべき鯖寿司の姿です。
鯖を一本まるごと使ってつくるのが「鯖寿司」なので非常に高価です。
鯖寿司の昆布は食べるもの?
鯖寿司の昆布は旨味成分を鯖に移すために敷いてあります。また、乾燥を防ぐ役割もあります。
バッテラにも昆布がのっていますが、まったく同じ意味合いです。
昆布は「緑の厚いもの」と「透けるくらい薄いもの」の両方あります。
通常、京都の鯖寿司も大阪のバッテラも昆布を外してから食べますが、人それぞれ好みでどうぞで良いと思います。
厚みのあるものだと固いので、基本は外して食べるのですが、分けた昆布だけを食べてもまったく問題ありません。
薄い半透明の昆布が敷いてある場合は、そのまま食べても食べやすくなっています。
バッテラは薄い白板昆布を使うのが一般的
薄い半透明の昆布は「白板昆布」のことで、これは「バッテラ昆布」とも呼ばれています。
大阪のバッテラずしは、薄い半透明の白板昆布を使うのが一般的です。
京都の鯖寿司でも多く使われているので、白板昆布を使っていたら「バッテラ」だと言い切ることはできません。
京都いづう 鯖寿司
京都の鯖寿司というと、一番イメージとして知られているのは厚みのある昆布で巻いたものでしょうか。
「京都祇園新地 いづう」の鯖寿司のことで、JR京都駅でも売られている有名な鯖寿司です。
いづうの鯖寿司は、昆布を外して食べるのが普通です。
京都府京都市「いづう」で、鯖寿司・小鯛の雀寿司盛合せ。鯖寿司が有名なお店です。知り合いから「どこかで買うんじゃなくて、お店で食べて!」と言われ、お店に行きました。盛合せを食べましたが、断然、鯛より鯖です。 pic.twitter.com/QblluAsxgg
— 渡辺樹庵 (@watanabejuan) 2018年6月7日
バッテラとサバ寿司の違いと昆布は食べるのか問題
バッテラとサバ寿司の違い、明確な違いは「まきす」で巻くのか「木箱で押し寿司にする」のかの違いです。
大阪のバッテラは薄い白板昆布を使いますが、京都の鯖寿司は厚い昆布や薄い昆布(白板昆布)を使ったり、昆布を使わないものもあります。
祇園の「いづう」の鯖寿司のように厚みのある昆布で巻かれている場合は、昆布を取ってから鯖寿司を食べるようにお店で言われますが、基本的には「鯖寿司もバッテラも昆布は外して食べる」ものです。
・バッテラは木箱で押す寿司なので角ばっている
・鯖寿司やバッテラには白板昆布(バッテラ昆布)がのっていることが多い
・厚みのある昆布を使う祇園の「いづう」の鯖寿司も有名
・厚みのある昆布は取ってから鯖寿司を食べるほうが良い
・白板昆布だったらそのまま食べても問題なし