今回の「京都案内」は、レトロなお店で食べる「レトロなコロッケ」を紹介します。終戦直後から太秦で営業している老舗精肉店「佐野屋総本店」の本物の手作りコロッケです。最近流行りの「トロリとしたコロッケ」ではなく重厚感のあるコロッケなんです。
ということで「佐野屋総本店」さんのコロッケを紹介します。
戦後すぐの昔懐かしいコロッケが食べたい!
ある日、うちの困ったちゃんで霊感の強い千里眼・温泉担当が、また困ったわがままを言いだしました。
温泉担当 「戦争が終わって復興の中で食べたコロッケが食べたい・・・・(๑°⌓°๑)」
またまた、ド不思議ちゃんなことを言い出していますが、どうやら深夜3時頃に旧軍の陸軍兵長だった林邦三くんが枕元に立って「コロッケ」の話を延々してきたのだそうです。
まったくもって迷惑な夢枕ですが(笑)、そんな昔のコロッケがどこにあるというのでしょうか?
しかし、ここは歴史の街「京都」です。
昔ながらの味そのままの手作りコロッケが、今でも悠然と売られている町なのです。
フード担当は、普段から軽々しい口をわざわざ重めにしてこうつぶやきます。
フード担当 「終戦翌年からやっている肉屋あるよ、そこに・・・」
なんと京都最古の寺・太秦法隆寺のすぐ近く「三条太秦商店街」に、1946年から営業する老舗精肉店があるというのです!
京都・太秦にある激渋な老舗精肉店のコロッケ
その昔懐かしいコロッケがあるというのが、三条太秦の「佐野屋総本店」さんです。
なんとも激渋なたたずまいで、看板がなかったら何屋なのかもよく分からない感じがします。
でも、1945年の終戦の翌年である1946年(昭和21年)から、ここでお店をしている歴史ある精肉店なのです。
コロッケはもちろん手作りで、精肉店の材料を使ったほんまもんのコロッケです。
戦後すぐのことをよく知ってそうな激渋系お姉さんが目の前でコロッケを揚げてくれました。
お姉さんの話では、最近のコロッケは工場で作ったものを揚げたものばかりで、正真正銘の手作りコロッケは少なくなってきたけど、ウチのコロッケは「材料から違うほんまもんのコロッケ」ですとおっしゃっていました。
最近流行りのコロッケではない!
最近のコロッケは、中がトロリとしたユルいコロッケが多く、肉も近江牛とか国産牛を多く使って高級感を出したものが多すぎなのです。
しかし、ここのはそんな最近流行りのコロッケではありません。
じゃがいもがメインで、お肉はたっぷりというわけでもなく、大きさも小ぶり(そのぶん値段は半分くらい)です。
しかし、昔ながらの懐かしい味わいがします。
ジャガイモはあえて甘さを強調せず、フワッとさせるのではなくジャガイモの重厚さを感じるコロッケです。
それにお肉屋さん特有の油の香り(牛脂)が、ドンドンと口の中を攻めてきます。
ほんまもんの昔懐かしいコロッケがそこにありました。
ミンチカツもズッシリ重厚なお味
こちらはミンチカツです。
大きさはコロッケの倍くらいあるサイズで、価格は100円です。
こちらも最近のジューシーなミンチカツではなく、かなり肉感の強い重厚さのあるミンチカツになっていました。
ミンチカツといえば甘味ですが、甘さよりも肉の香りがかなりよく出ている「さすが肉屋」というべきお味です。
こちらもオススメなので、一緒に食べてみると良いでしょう。
佐野屋総本店 基本情報
さて、この昔懐かしいコロッケが食べられるお店「佐野屋総本店」さんの場所ですが、激渋な商店街「三条太秦商店街」にあります。
嵐電「太秦法隆寺駅」を降りて、北の三条通を右に歩いていくと2分くらいのところに、1946年(昭和21年)に空襲で果てた大阪から京都に引っ越してきたというお店があります。
「佐野屋総本店」さんもレトロなお店なので、すぐに目につくことでしょう。
営業は9時からですが、揚げ物は11時頃から始まりますのでお昼くらいに行くとちょうど良いですよ。
ただし、目の前は車通りが多いのに道が細い三条通なので、嵐電か市バスで行くのが良いと思います。
京都府京都市右京区太秦森ケ西町3
営業時間:9時~18:30(揚げ物は11時頃~)
定休日:日曜
URL:http://www.sanoyasouhonten.com/