温泉担当復帰記念の「京都秘境ハンター」は京都で唯一の村(南山城村)の童仙房区にある「謎のカラフルなお寺」です。そのお寺は今では誰も訪れない場所(閉鎖)になってしまっており、行くことも困難であると言います。その誰も行かない超カラフルな京都のお寺とは?どこにあって、どのようなものなのでしょうか?
京都が地元のキレッキレ3人衆がお届けする!「京都秘境ハンター」始まります!
京都秘境ハンター
京都市内にあるお気楽極楽な秘境に挑戦する「京都秘境ハンター」もシリーズ化してだいぶ経ちますが、これまで「誰も来ないお寺」や「カラフルな集落」など、独特な視点で京都を案内してきました。
そして、今回紹介するのは・・・・なんと!
「誰も来ない超カラフルな京都のお寺」という合わせ技です。
ここ、とある筋では有名と言われますが、日本のいや京都の方でもほとんど知らないという謎のお寺なのです。
誰も来ない超カラフルな京都のお寺
前回の「京都でできる超時短88カ所お遍路」で、体調の回復祈願をした温泉担当が最近やっと元気になってきました。
その温泉担当が「京都には誰も来ない超カラフルなお寺がある」というのです!
世界に名だたる観光都市「京都」に、そんなスゴイ場所が本当にあるのか?
もう少し詳しい話を聞いてみると、それは3つの国をまたぐ長距離林道の果てにあるといいます。
なんか、ちょっとロマンを感じちゃいますよね!(笑)
(1)超カラフルなお寺
(2)人が来ない京都の秘境にある
(2)場所は「童仙房」という所(京都府唯一の村「南山城村」の地区)
(3)行くには3つの国を通る林道「三国越林道」を通っていく
3つの国をまたぐ長距離林道の果てにある「童仙房」
童仙房は「三国越林道」を通っていくと突然現れる集落です。ちゃんとした行政区で地名です。
三国越林道というのは「山城の国~近江の国~伊賀の国」を結ぶ広域林道で、現在の「京都府和束町~滋賀県信楽町~三重県伊賀市」を通ります。上の写真が「三国越林道」です。
ちなみに、当日はヒトの大人よりも大きい牡鹿が道路の真ん中にいてビックリしました。
フード担当がその巨大鹿を見て「ボス!やりますか!?」と意味不明なことを言い出したので、すぐにクラクションを鳴らして鹿さんを救出しました。ほんと危ないところでした(笑)
三国越林道の入口は和束町(わづかちょう)にあります
三国越林道の入り口は、京都からだと京都府の和束町(わづかちょう)に入り口があります。
京都のお茶の産地で、山の一面に広大なお茶畑が広がる地域です。
この辺りは、温泉担当のお気に入りのエリアで景観が良い場所でもあります。
ルートでいえば、(京都方面からは)上のように行く必要があります。
滋賀県信楽町手前まで、ほぼ山だけの道です。
しかし、その山の山頂付近に忽然と現れる集落があります。
それが「童仙房」(どうせんぼう)です。この「童仙房」に「誰も来ない超カラフルなお寺」があるというのです!
山頂にある謎の集落「童仙房(どうせんぼう)」
童仙房は地区名で、山深い京都屈指の秘境にある集落のことです。
周囲には他の集落が一切ない隔絶された場所なのですが、地図の航空写真でもなかなか見つけることができないため、よくある「地図で見つけた秘境ネタ」でも出てこない場所です。
また、麓からは一切見えない集落です。そのため、ここに集落があることすら近隣でも知られていないことがあります。
山頂付近は「仙の森」とも呼ばれ、標高は約500メートルです。
ここを「秘境」と呼ばずしてなんと呼べば良いのかと言えるほどの立派な秘境です。
実は、この「童仙房」ですが、飛鳥時代~奈良時代の頃に「1000のお堂」が建つほどの地域であったとも言われています。
しかし、突然姿を消してしまいます。古書には「○千坊」といういくつかの地名で登場し、当時は1000のお堂があったことがなんとなく分かるだけです。
そして、ここにその超カラフルなお寺「高麗寺」(こうらいじ)があります。
高麗寺(こうらいじ)
(1)「大雄殿」と書かれているように韓国系のお寺
(2)色彩鮮やかに彩られており壁には壁画が描かれている
(3)かなり大きい
(4)正式名は「曹渓宗総本山高麗寺」
(5)韓国の伝統仏教の教団が所有
(6)1978年に創建されたが2016年初頭時点でほぼ無人
高麗寺(こうらいじ)は、正確には「曹渓宗高麗寺」と呼ばれ、韓国の伝統仏教の最強教団が保有する韓国寺というのが、その正体です。
日本でも宗教法人格を取得して宗教活動をしており、高麗寺でも催しが行われるなど、過去には多くの方が集まったりもしました。
2013年頃までは、この場所での活動の痕跡はあるのですが、その後は閉鎖状態となっているようです。
2015年末ころに、僧侶の「東山」(とうざん)という方がいらっしゃったようなのですが、目を悪くされて治療のため現在は無人となっています。
中にあるのは「本堂・日韓友好の鐘・霊園・龍神堂・山神堂」です。
上の写真は「日韓友好の鐘」と呼ばれるもので、かなり立派な鐘があります。
こちらが「本堂」で、韓国系寺院(大雄殿)の特徴ある色鮮やかな色彩で彩られており、壁面には立派な壁画が描かれていました。
近くから見ると、それがわかります。
ちなみに、隙間から中をのぞくこともできます。
左にぶらさがっているのは「いちご」でしょうか?
敷地はかなり広大で、山の上にある「山神堂」なども見させていただきました。
しかし、いくら霊園があるとはいえ、このような交通不便な山頂まで来るのはかなりの困難です。檀信徒もなかなか来られない場所なのがお寺として難点だったのでしょう。
今ではほぼ閉鎖状態となっています。
高麗寺@京都・童仙房まとめ
(1)韓国最大の仏教教団「曹渓宗総本山高麗寺」
(2)1978年に創建
(3)現在は無人だが霊園もあるので開いてはいる
(4)近くに老人ホーム「高麗ハイツ」(1984/9創設)もあるが閉鎖
(5)中にあるのは鐘と霊園に「本堂・龍神堂・山神堂」という3つのお堂
(6)京都府相楽郡南山城村童仙房という秘境にあり、行くのが大変
もともと「高麗寺跡」(こまでらあと)という史跡が京都府木津川市に存在しています。(地図)
飛鳥時代に創建されたという巨大寺院で、国内最大級だったと言われているお寺ですが、日本に渡来した朝鮮氏族「狛」(こま)氏(高麗とも書く)の氏寺と言われています。
今回紹介している「高麗寺」(こうらいじ)の名前の由来は、この「高麗寺」(こまでら)だとは思いますが、名前の由来の資料を見つけることはできませんでした。
上狛駅から東にある高麗寺跡。日本書紀や今昔物語にも登場する古代寺だそう。要石のようなものがくぼみに埋まっており、謎を匂わせている。
また、高麗寺を「こまでら」と読むので、上狛(かみこま)と名前とのつながりが強いようだ。 pic.twitter.com/eAsU9g7LUC— スズキ雄介 (@Ysuzukino) 2016年2月25日
京都府相楽郡南山城村童仙房小字簀子橋13
というわけで「超カラフルなのに誰もいない寺」はいかがでしたでしょうか?
次回の「京都秘境ハンター」もお楽しみに!
京都の秘境案内「京都秘境ハンター」。京都の知られざる名所を開拓し、それを参考に観光開発や起業が行いやすくすることが目的です。地元経済への貢献も目標となっています。京都の起業家や行政担当者の方は、ぜひ参考にしてください。