西日本大豪雨による野菜高騰のメカニズムを京都・京北の農家まで見に行きました

今回は京都・京北の農家まで「西日本大豪雨」の影響を見て来ました。2018年7月5日から7日頃に大雨が集中した「西日本大豪雨」により、植えていた作物が根腐れしたり、花や実が落ちるなどの被害が出ていました。それによる「野菜高騰」も言われているのが現状です。

今回のような「野菜の代替地がない全国的な豪雨」では全国的な野菜不足になる可能性があると言えそうです。

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京都・京北の農家まで「西日本大豪雨」の影響を見て来ました


京都の京北、「西日本大豪雨」で農作物に被害が出ていました(2018年7月13日撮影)

京都の京北、「西日本大豪雨」で農作物に被害が出ていました(2018年7月13日撮影)

2018年7月5日から7日頃に大雨が集中した「西日本大豪雨」で、京都の農業にも影響が出ています。

京都の京北で、何軒か農家さんを回って話を聞いてきたところでは、地区によっては土砂や水害の被害が大きく、被害が小さくとも大雨によって「実や花が落ちたり」したり「根腐れ」といった二次被害が出ているとのことでした。

そのため「野菜高騰」が起きると早い段階で言われており、今回のような「野菜の代替地がない全国的な豪雨」では全国的な野菜不足になる可能性があると言えそうです。

京北へ向かう道の途中、土砂が路面にまで至っています

京北へ向かう道の途中、土砂が路面にまで至っています

京北へ向かう道の途中では、土砂が路面にまで至っていたのですが、大雨の日に道が川のようになった影響がまだ残っていました。

表通りはすでに土砂は除去されていましたが、上の写真のように地元の方だけが使うような旧道ではまだ土砂が残っている状況でした。

訪問した農家さんでは比較的迅速に土砂を除去していました

訪問した農家さんでは比較的迅速に土砂を除去していました

訪問した農家さんは山の懐であったため、山から水と土砂が流れて来ていました。

それでも迅速に土砂を除去していましたが(上の写真が除去した土砂)、水害防止の工事がされていない川の近くの農家さんなどでは畑が水没するなど大きな被害が出ていました。

では、なぜ「豪雨になると農業は被害を受ける」のでしょうか?

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西日本大豪雨による野菜高騰のメカニズム


京北の畑では作物自体が抜かれていました、なぜなのでしょうか?

京北の畑では作物自体が抜かれていました、なぜなのでしょうか?

これについては、以前も書いたことなのですが、今回の「西日本大豪雨」では、また違う被害になっていました。

昨年の2017年10月22日の「台風21号」では、畑が水浸しになり、その後の「台風一過」による晴天で野菜が煮えた(太陽の光が畑の水に反射して実を熱すること)というのが実際の被害でした。

しかし、2018年7月5日からの「西日本大豪雨」では、大雨が続いたことで「根腐れ」していたのです。

根腐れすると、その作物は取り除くしかなく、畑は間引きされた状況になっていました。

今回の「西日本大豪雨」では作物自体が根本的にダメになったので苗づくりからやり直しです

今回の「西日本大豪雨」では作物自体が根本的にダメになったので苗づくりからやり直しです

・2017年の台風は収穫の時期に雨が降り続いた
・土中の作物は根腐れ、土上の実は畑に溜まった水による太陽の反射で煮えた
・2018年の西日本大豪雨では大雨が降り続き作物の多くが根腐れした
・2018年の西日本大豪雨で花や実の多くが落ちた

2017年の台風と2018年の大豪雨での農業被害の大きな違いは「収穫時期、収穫前」という時期の違いです。

今回は収穫前の野菜が花や実を付ける時期の出来事でした。

そのため、農家さんからは「花が落ちた」とか「実が雨で全部落ちた」という話が一番多く聞く内容でした。

また、連続した雨により根菜類以外でも「根腐れ」が発生しているので、今回の「西日本大豪雨」では作物自体が根本的にダメになったころから「苗づくり」からやり直しという事態になっていました。

こうなると「野菜高騰」は避けて通れないため「じゃがいも、玉ねぎ、米」のような在庫確保が出来ていない野菜に関しては、すぐに価格高騰が始まることになります。

すでに市場では「きゅうり」などが高騰とうか、そもそも野菜がない状況になってきていました。

西日本大豪雨による野菜被害まとめ


ビニールハウスも浸水で豪雨被害が出ていました

ビニールハウスも浸水で豪雨被害が出ていました

今回の「西日本大豪雨」による野菜被害で言えることは、これから夏野菜が出回ってくる時期に育ててきた苗の花や実が落ちたり、根腐れで苗がダメになったという被害であったことです。

また、今が旬のトマトなどでは、実は無事だったけど「水を大量に吸って味が水っぽい」という話を農家さんから聞くことができました。

・豪雨で収穫前に花や実が落ちた
・根腐れで苗が大量に廃棄された
・トマトなどが大量に水を吸ってしまい味が落ちている

毎年のこととはいえ、せっかく収穫を期待していた農作物がダメになってしまうのは大変悲しいことです。

豪雨から3日後には、京北の農家さんは土砂除去などして早急な復旧を試みていたので、なるべく早く元の状態になるのを期待したいところですが、野菜などは早くても二ヶ月は収穫までにかかります。

しばらくは「野菜不足」と「野菜高騰」が続くことになりますので、飲食店の皆さんは仕入れやメニューに工夫を強いられてくることになりそうです。