今回の「京都案内」は、京都のソウルフードやご当地グルメについてです。昨今では何でも「京都のソウルフード」とか「ご当地グルメ」とか言えばいいみたいな風潮もありますが、「ソウルフードとご当地グルメの違い」も考えずに分類されているものが多すぎます。
「京都のカルネがソウルフード」とか言われてもピンと来ませんよね?
ソウルフードとご当地グルメの違い

大阪のソウルフード「たこ焼き」は「ご当地グルメ」?
よくテレビやネットで話題になるのが「県民のソウルフード」とか「ご当地グルメ特集」というテーマです。
頻繁に使われる表現ですが、この定義に触れるメディアは少なく、ソウルフードとご当地グルメの違いが話題になることはありません。
郷土料理
ご当地グルメ
B級グルメ
ソウルフード
うちのフード担当に確認すると、彼は以下のように(ぼんやりと)定義していました。

「富士宮やきそば」はご当地グルメと言えます
「郷土料理」は、地域の風土と気候に応じて産出される食材で作られた一般家庭の料理。伝統や暮らし方が影響している。他地域にも似た料理はあるが方言などで名称が異なることが多い(例:信州そば・長野、ザンギ・北海道)。
「ご当地グルメ」は、地域おこし等の商業的な理由で開発された創作料理で当地でしか食べられないグルメ。地域の名前が付いていることが多く洋食もあるが、郷土料理を含む場合もある。ただし、似たような料理が他地域にもあることも多い(例:富士宮やきそば)。
「B級グルメ」は、地域独特のグルメ。あまり知られていない「ジャンクフード」に近い使い方もされる。安価で、あまり「考えられていない料理」を指すこともあるが「ご当地グルメ」と違って自然発生的なグルメを指すことも多い(例:そばめし・神戸市、明石焼き・明石市、讃岐うどん・香川県)。
「ソウルフード」は、地域で親しまれている人気のあるグルメ。どこまで人気があれば「ソウルフード」なのかの定義はない。郷土料理・ご当地グルメ・B級グルメも人気があればソウルフードになりえる。(例:たこ焼き・大阪、モーニング・名古屋市)
ちなみに「B-1グランプリ」は”Brand”のことで「ご当地グルメ」に該当します。
京都のカルネはソウルフードではない?

京都にある志津屋さんの看板商品「カルネ」
2017年10月17日放送の『ちゃちゃ入れマンデー』で「京都人のソウルフード カルネ って何?」という予告がされていました。
京都人のソウルフード「カルネ」
「ソウルフード」は、地域で親しまれている人気のあるグルメと言えるものですが、「カルネ」は人気がないわけではありませんが頻繁に食べるようなものでもありません。
パン屋さんなどで「カルネってよく食べてます?」と聞いても「よくは食べない」と返ってきて「ですよね~」で終わったりします。

パン・ハム・玉ねぎ・マーガリンと非常にシンプルです
温泉担当 「パンにハムを挟んだだけの食べ物d(ŐдŐ๑)」
うちの困ったちゃんが、また余計なことを言っていますが、あまり考えられていない料理でもあります。(ハムと玉ねぎが入ってます)
定義的には「B級グルメ」のカテゴリーには入りそうです。
そういう意味では「ジャンクフード」に近い食べ物とも言えそうなのが「カルネ」な気がしないでもないのですが、あまり書くと「志津屋」のかわいい店員さん達に嫌われちゃいそうなので、これくらいにしましょう。
551蓬莱も京都ではソウルフードではない?

551蓬莱の豚まんは関西では人気がありますが・・・・
カルネに近いもので「551蓬莱」という存在もあります。
いわゆる関西の「豚まん」のことですが、一般的には「肉まん」と呼ばれるものです。
この「551蓬莱」も関西人のソウルフードとして紹介されることがあるのですが、京都人にとってもはそれほど身近な食べ物ではありません。
実は「551蓬莱」って京都駅・四条河原町周辺の4か所でしか売られていないので、めったに食べる機会がないのです。

京都・西賀茂で「551蓬莱が当たる」と書いてあるサントリーの飲料自販機
確かに京都駅の「551蓬莱」のスタンド販売では行列が出来ているのですが、およそ観光客の方が多い場所です。そこで人気があるからといって「551蓬莱が京都のソウルフード」と言えるものではないなというのが正直な感想です。
最近、関西圏の自販機ドリンクキャンペーンで「551蓬莱が当たる」というのがかなり多く見かけるのですが、これを見て「当たったら京都駅まで行かなければならないではないか!」と密かにプチ激怒しているのは私です(笑)。
京都の郷土料理

京都の郷土料理「すぐき漬け」
「郷土料理」は、地域の風土と気候に応じて産出される食材で作られた一般家庭の料理。伝統や暮らし方が影響している。他地域にも似た料理はあるが方言などで名称が異なることが多いのですが、京都の郷土料理で代表的なものは何でしょうか。
「ちりめん山椒」なんかはすぐに思い浮かぶ料理です。
「千枚漬け」に「すぐき漬け」も観光地の京都土産としては人気があります。
「京うどん」も独特のコシというか柔らかさは京都の風土的と言えそうです。
頻繁に食べられているかは疑問ですが、古くからある京都らしい食べ物はいくつもありそうです。
すぐき漬け
ちりめん山椒
京うどん
はも落とし
にしんそば
京都のご当地グルメ

京都のご当地グルメといえば「八つ橋」
「ご当地グルメ」は、地域おこし等の商業的な理由で開発された創作料理で当地でしか食べられないグルメ。地域の名前が付いていることが多く洋食もあるが、郷土料理を含む場合もある。ただし、似たような料理が他地域にもあることも多いのですが、京都のご当地グルメで代表的なものは何でしょうか。
京都のご当地グルメといえば「八つ橋」かなと思います。
他にも「そばぼうろ」は京都のご当地グルメとは言えそうです(海外伝来ですが)。
基本的に「ご当地グルメ」というと観光客向けに開発された創作料理というイメージですが、観光都市京都には「七味」も土産品として歴史があります。
これは数が多すぎて紹介しきれませんが、最近になって地域おこしを目的に創作された料理という意味では「京都のご当地グルメ」で思い浮かぶものはありません。
八つ橋
そばぼうろ
七味
その他多数あり
京都のB級グルメ

京都のB級グルメといえば「京都ラーメン」
「B級グルメ」は、地域独特のグルメ。あまり知られていない「ジャンクフード」に近い使い方もされる。安価で、あまり「考えられていない料理」を指すこともあるが「ご当地グルメ」と違って自然発生的なグルメを指すことも多いですが、京都のB級グルメで代表的なものは何でしょうか。
これはたぶん「京都ラーメン」が該当しそうです。
京都ラーメンも種類は多いですが、鶏ガラベースで背脂の浮かんだラーメンは京都ラーメンの代表格として知られています。(詳細は「京都ラーメンブログ」をご覧ください)
お好み焼きの類で「まんぼ焼き」や「壹銭洋食」などの地域独特のような食べ物もありますが、どちらかといえば「ジャンクフード」扱いのような気がします。
なんでもかんでも「B級グルメ」と言っておけば良いというメディア記事が目立つのですが、私が思う「京都のB級グルメ」は京都ラーメンや焼き飯です。
京都ラーメン
焼きめし
カルネ(たぶん)
京都のソウルフード

京都のソウルフードというと「餃子の王将」とか思っちゃう人います
「ソウルフード」は、地域で親しまれている人気のあるグルメ。どこまで人気があれば「ソウルフード」なのかの定義はない。郷土料理・ご当地グルメ・B級グルメも人気があればソウルフードになりえますが、京都のソウルフードで代表的なものは何でしょうか。
これはなかなか思い浮かびません。
地元の方がよく食べている人気のあるグルメという意味では「餃子の王将」とかそうですが、それを言うと「京都のソウルフードは餃子」とかになるので困ります。別においしくないし(コラッ!)。
京都では「出汁(だし)」が決め手の料理が多く、さらに京都人はそこにコダワルので、そういう料理といえば「京懐石料理」や「おばんざい(家庭料理)」がソウルフードであるとも言えます。
正直なところ「京都のソウルフートって何?」って聞かれると困るものがありますが「カルネは京都のソウルフードではない」とは思います。
京懐石
おばんざい
出汁にこだわったもの
王将の餃子?
ソウルフードとご当地グルメの違い まとめ

日本人のソウルフードといえば「梅干しとおにぎり」そして味噌汁
「郷土料理・ご当地グルメ・B級グルメ・ソウルフード」には、それぞれ定義っぽいものはありますが、それに該当する食べ物が何なのかというのはメディアによって様々で、キャッチコピー的な使い方をされています。
「京都のカルネはソウルフード」かといえば、そこまで人気があるのかという素朴な疑問があり「B級グルメ」という表現が適していそうです。
「たこ焼き」は大阪でソウルフードですが「551蓬莱」の豚まんも人気はあると思います。しかし「551蓬莱は関西のソウルフード」かと言われると、京都では購入場所が観光地などに限定されており、地元民が頻繁に食べるものかといえばそうでもありません。
正直なところ「京都のソウルフートって何?」って聞かれると困るものがあります。(厳密になにとは言い難いです)
「ソウルフードとご当地グルメの違い」は、基本的には「地元で愛されてよく食されている = ソウルフード」であり、「商業的に創作された料理 = ご当地グルメ」という違いがあります。
なにがどれというのはなかなか難しいですが、ネット社会の中で混在され使われている言葉とは言えそうです。
※本ブログは非商業系であるため、お店には客として訪問しています(業者ではありませんので掲載費用の徴収や商品販売の勧誘などは一切していません)。内容も客としての視点でのみ書かれたものです。
※紹介したいお店は「美味しいお店」ではなく「気持ちよく食事ができるお店」です。お客様に対して失礼な対応があるお店は記事掲載後でも削除しています。
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記事を書いている人
記事を書いている人は飲食新店調査やグルメ実食レビューに定評のある「ノーディレイ(@nodelayworks)」により書かれています。1970年東京生まれ東京育ち・早稲田卒・学生時代から食べ歩きをしつつ上場企業などで新規事業開発課長・システムエンジニアを経験して退職。京都で第二の人生を送ることを決意して移住。記事にした新店情報は2600件以上あります。お問い合わせ方法はこちらのページを参照してください。