京都市にある花園青果地方卸売市場(花園野市)が平成29年5月20日で閉鎖することが決定しました。決定は2月7日に関係者に告知されましたが、今回はその閉鎖直前の花園青果地方卸売市場(花園野市)に取材してきましたので紹介します。
50年以上の歴史ある市場はなぜ閉鎖になるのでしょうか?
京都で野菜を卸して50年の京都市北区「花園野市」が閉鎖
2017年2月7日の朝に京都市北部の八百屋さんに激震が走るニュースが飛び込んできました。
関係者にだけ回覧された紙には「5月20日で花園野市の営業が終了します(閉鎖は5月31日)」とされており、アノ京都府立山城高校の前にある「花園青果地方卸売市場」が50年以上の歴史に幕を閉じると書かれていたのです。
京都でも歴史ある市場が閉鎖されるということで、大きなドヨメキが起きたのですが・・・・
うちの困ったちゃん温泉担当が重い口をわずかに動かしてステキ・ハッピーな一言を言い放ったのです!
温泉担当 「シュッ!シュッシュシュ!取材依頼中なんだな!」
な!ななな!なんですってぇぇ~!?
温泉担当 「NHKきょうと・京都新聞 より先に動いたんだな!(ドヤ顔)」
ドヤ顔が少々むかつきますが(笑)、ここは彼に任せるしかありません!
取材に行ってもらいましょう!
花園青果地方卸売市場(花園野市)を見に行ってきました
ということで、相変わらず前置きが長いですが、いつもボンヤリしているくせに、こういうニッチなネタには強い温泉担当が花園野市に直撃取材に行ってきたわけです。
こちらは資格のある八百屋さんしか入れない市場で、我々一般人が入ると「どちらさまどす?」と京都で一番怖い言葉を言われてしまう場所です。
しかし、今回は京都の八百屋さんに連れていってもらうという方法で市場への潜入に成功したのです。
とはいえ、潜入しただけでは取材もできませんので、一緒に行った八百屋さんと市場の社長さんに挨拶することになりました。
もし断られちゃったらどうしよう?!
不安が深まる中、奥の事務所で取材をお願いしたところ・・・・
社長さん 「どーぞ!どーぞ!全然かまいませんよ!」
という温かいフレンドリーな快諾をいただけたのでした。
京都で野菜を卸して50年以上の「花園野市」
「花園野市」というのは通称で、正式には「花園青果地方卸売市場」と呼ばれています。
「地方卸売市場」というのは、青果や生花などを競り落とす市場のことです。
京都の「青果地方卸売市場」は農家さんの多いエリアにあり、京都では「花園・西院・梅津」にあります。
この「花園野市」も、昭和39年6月4日から京都・花園で市場として機能してきた歴史のある市場なのです。
市場には近隣の農家さんが野菜を軽トラックに積んで運び込んできていました。
野菜はすぐに市場に並べられて、農家さんは畑に戻っていくのですが、八百屋さんも来ていて野菜をどんどん仕入れていくのです。
今は野菜の閑散期なので、流通量はかなり少なく、市場の1/3ほどの広さで売買していました。
本来であれば、市場全体を使うほどの野菜が集まるそうです。
大根がちょうど運び込まれてたくさん並んでもいました。
ほかにも小松菜が結構入っていました。
・大根
・九条ねぎ
・小松菜
・畑菜
・すぐき漬
・お米
京都の贈答品で高級な「すぐき」も売られていました。
これは真空パックされて上賀茂神社付近で売られていますが、かなりの高値で売られるものです。
市場にあったのは真空パックされる前の「すぐき」です。
では、なぜこの花園青果地方卸売市場(花園野市)は閉鎖することになったのでしょうか?
それは日本の問題でもある農業人口の低下が原因だったのです。
花園青果地方卸売市場はなぜ閉鎖するのか?
京都で50年以上の歴史がある「花園青果地方卸売市場(花園野市)」が閉鎖する要因で最大のものは・・・・
マーケットの減少です。
上の告知は実物で、そこには複数の要因が書かれていました。
・土地の借地期限が平成29年5月31日で終了
・代替地も見つからず
・近隣農家の高齢化問題
・マーケットの急速な縮小
30年ほど前には、この市場には食堂や喫茶店も並んでいたほど賑わっていたのですが、今は農家さんの高齢化による農業人口の低下や、輸入野菜やスーパーマーケットの台頭による野菜小売店のマーケット縮小などが原因です。
そこで、2017年5月31日の土地貸借の契約が切れる日をもって、この花園青果地方卸売市場も閉鎖と株主総会で決定したのでした。
花園青果地方卸売市場 閉鎖 まとめ
ということで、今回は京都市北区にある閉鎖直前の53年間の歴史ある野菜市場「花園青果地方卸売市場」を紹介しました。
なかなか、こういう地元の小規模な市場が紹介されることはほとんどなく、関係者以外は入ることもないということで、貴重な体験ができました。
創業は昭和39年6月4日で、営業は平成29年5月20日まで行われます。
しかし、農業人口の低下やマーケット縮小などで、土地貸借が切れる5月31日をもって市場は閉鎖となります。
残念ではありますが、それが時代の流れというものです。
時代に合わせて、また別の方法で農業も進化していくのです。
京都府京都市北区大将軍西鷹司町2−21