卵の疑問を全部解決「あなたの知らない卵の世界」

9月14日放送『所さん!大変ですよ』で、卵の謎が紹介されると予告されていました。京都でも養鶏というか卵を生産されている農家さんや業者さんは多いですが、そういう方々に話を聞くと、消費者が信じている情報とは違った話を聞けたりします。

例えば「黄身がオレンジ色で濃い色の卵は本当に美味しいのか?」という話など結構興味深い話です。

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『所さん!大変ですよ』で養鶏の話題が放送


卵の黄身は黄色だけじゃない?

卵の黄身は黄色だけじゃない?

9月14日放送『所さん!大変ですよ』で、養鶏の話題が放送されます。

予告内容を見てみると・・・・

・気味の色には「黄色」がある?!
・黄身の色が年輪のように色違いになる?!
・黄身の色に騙されるな!味と色とは無関係
産卵後10日経過した卵が美味しい

予告内容はかなり興味深い内容に見えますが、これらの内容は養鶏に従事していたり、業界に詳しければ「当たり前」のことばかりでもあります。

とはいえ、一般的にはあまり知られていないことです。

今回は、養鶏業者に聞いた話などを元に、卵の話をしてみたいと思います。

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気味の色は飼料に混ぜた色素の色で決まる


黄身の色は濃いほど美味しいは迷信

黄身の色は濃いほど美味しいは迷信

卵の中の「黄身」は、黄色いから「黄身」なのですが、これはなどにすることも出来ます。

よくSNSなんかでも「黄身の色が濃くて新鮮!」とか「オレンジ色で栄養たっぷり!」とか書かれていますが・・・・

黄身の色は飼料の色素の色が出る

のです。

米(薄い黄色=レモンイエロー)
小麦(薄い黄色)
とうもろこし(黄色)
卵黄着色原料(パプリカが原料、濃い黄色)
キサンイエロー(マリーゴールド抽出成分、濃い黄色)
カニ殻・エビ殻(濃い黄色)

養鶏を行う方に話を聞いていたりすると「黄身の色に騙されるな」と言うのですが、味や栄養は黄身の色とは無関係なのです。

殻が茶色い卵と白い卵の違いは?


殻の色が濃いから天然で美味しい?これも迷信です

殻の色が濃いから天然で美味しい?これも迷信です

実はこれ卵の殻でも似たような話なのです。

スーパーでよく見る「茶色の卵」、これなんとなく自然っぽくて美味しそうに見えますが、この色も味には無関係です。

卵の殻の色は鶏の品種で異なるからです。

ということで、黄身の色が濃いから美味しいとか、殻が茶色だから美味しそうとか、そういうのは迷信です。

ひとつの黄身に複数の色付けができる


飼料に含まれる色素を変えながら育てると年輪のような複数の色の黄身になる

飼料に含まれる色素を変えながら育てると年輪のような複数の色の黄身になる

黄身の色というのは「飼料に含まれる色素」の色と書きました。

そして、鶏の卵というのは産卵期間が長いほど大きくなります。

ということは、期間を分けて飼料に含める色素を変えていくと「年輪のような複数の色の黄身」が出来るというわけです。

実際には、そんな黄身は気色悪いだけなので作られませんが、この話は養鶏業では常識的な話だったりします。

卵の大きさは鶏が卵をかかえる時間の長さで決まる


卵のサイズはなぜ違う?

卵のサイズはなぜ違う?

前述しましたが「卵というのは産卵期間が長いほど大きくなる」ものです。

また、大きい鶏の方が卵は大きくなります。

「ボリス・ブラウン」という茶色い鶏は大きい卵を産みます

「ボリス・ブラウン」という茶色い鶏は大きい卵を産みます

例えば、国産鶏「さくら、もみじ」という鶏は卵も小さめですが「ボリス・ブラウン」という茶色い鶏は大きい卵を産みます。

そのため卵には「」サイズで大きさが分別されて売られています。

ちなみに、夏の暑い時期だと、鶏も卵をお腹の中に入れておくのがウットオシイらしく、産卵期間が短くなってきます。

そのため、卵が小さくなったりします。

こういうこともあって、卵のサイズはバラバラなのです。

双子の黄身が入っていたら?


二黄卵はホルモンバランスが整っていない鶏の卵

二黄卵はホルモンバランスが整っていない鶏の卵

卵を割ると「二黄卵」だったりすることもあります。

双子の黄身とも言われますが、これは若い鶏が産んだものであることが多いそうです。

実際に養鶏業者さんに確認すると「ホルモンバランスが整っていない鶏」の場合、こういった黄身になるそうです。

ちなみに「得した気分になる」のは確かですが、卵の大きさは同じです。

ビタミンEが豊富な卵とは


ビタミンEが豊富な卵はコストが高い

ビタミンEが豊富な卵はコストが高い

よく「黄身の色が濃い」とかをキャッチにしている卵があります。

これは「飼料に含まれる色」だと書きました。

では「ビタミンEが豊富な卵」とされている商品は・・・・

当然ですが飼料に「ビタミンEが混ざっている」だけなのです。

オレンジ色の濃い黄身を見て「ビタミンEが豊富」とか言うのは大間違いということになります。

ビタミンEの過剰摂取で鶏の生存期間が短くなります

ビタミンEの過剰摂取で鶏の生存期間が短くなります

しかし、このビタミンEを飼料に混ぜて過剰摂取させると、鶏の寿命が短くなります。

なんでも摂りすぎは良くないのです。

そのため、新しい鶏をどんどん使っていくことになるので、当然コストも高くなります。

水で洗った卵と洗わない卵の差


産み立ては汚れていますので、卵は水洗いして出荷されます

産み立ては汚れていますので、卵は水洗いして出荷されます

皆さんが普通に食べている卵は・・・・

生きていません。

実は、卵は水洗いされて出荷されるので呼吸ができないため生きた卵ではないのです。

生きたというとちょっと御幣がありますが、例えば「有精卵」を水洗いして出荷すると孵化しない卵になるということです。

孵化する卵と孵化しない卵の差(有精卵と無精卵の違い)


孵化する卵って聞きますよね

孵化する卵って聞きますよね

養鶏されている農家さんでも、こだわっている所だと「有精卵を拭いて出荷」する所もあります。

つまり水洗いしないので「生きている卵」なのです。

こういうところの卵を買うと・・・・

温めて孵化させることができたりします。

烏骨鶏はなぜ高いのか?


一度は食べたい烏骨鶏の卵

一度は食べたい烏骨鶏の卵

「烏骨鶏(うこっけい)」の卵・・・・

どえらい高い卵です。

1個で500円が相場なのですが、なぜ「烏骨鶏(うこっけい)」の卵は、こんなにもお高いのでしょうか。

1個500円が相場です(上の写真は3個500円)

1個500円が相場です(上の写真は3個500円)

烏骨鶏(うこっけい)」の卵は、中国では薬膳料理の最高峰とも言える食材です。

漢方の世界では、成人病に効果があるとされています。

テレビなどでも話題になって「酢卵(すらん)」にして飲むと効果が高いと言われており価格も高いのです。

ちなみに「酢卵(すらん)」は烏骨鶏の卵を酢に漬けて、卵が消えてなくなるまで溶かした酢のことです。

産卵後10日経過した卵は美味しい?


新鮮な卵ほど白身が白く濁っています

新鮮な卵ほど白身が白く濁っています

9月14日放送『所さん!大変ですよ』の予告では、こんなことも書かれていました。

産卵後10日経過した卵は美味しい

これは産卵直後の卵の白身には「炭酸ガス」が含まれていることと関係があります。

新鮮な卵の白身は「少し濁った白色」なのですが、これは炭酸ガスが含まれているからです。

卵の殻には気孔があるので、日にちが経過すると炭酸ガスが抜けていき、その分中の容量が少し少なくなります。

そういった卵は、殻と白身の間に空間ができるので、ゆで卵にすると剥きやすくなりますが・・・・

だから美味しいというのは聞いたことがありません。

あなたの知らない卵の世界 まとめ


おいしい卵は健康な鶏から

おいしい卵は健康な鶏から

おいしい卵というのは、良い食べ物を食べてきちんと運動をしている「健康な鶏の卵」です。

ということであれば、養鶏場で育った卵よりも「平飼い卵」の方が基本的には美味しいはずです。

殻の色や黄身の色は、卵の美味しさとか栄養には無関係なのです。

・黄身の色や殻の色で美味しさや栄養は変わらない
・黄身の色は飼料に含まれる色素による
・黄身の色は人工的に操作できる
・卵の大きさは鶏の大きさや産卵期間で異なる
・双子の黄身は若い鶏に多い
・ビタミンE豊富な卵はビタミンEを摂取した鶏の卵
・卵は水洗いされて出荷されている
・こだわり卵は拭いただけで出荷されるものもある
・有精卵で水洗いしないで出荷した卵は孵化することがある
・烏骨鶏は薬膳なので高い
・新鮮な卵は炭酸ガスが含まれていて白身が濁っている

所さん!大変ですよ 9月14日 予告


所さん!大変ですよ 9月14日 予告は以下の通りです。

オムレツが!?あなたの知らない卵の世界
ある養鶏場から不思議な情報が飛び込んできた。黄身の色が木の年輪のように黒・黄色・赤の帯状になるゆで卵ができたというのだ。実はコレ、色の違うエサを日替わりで与えただけ。黄身は濃いオレンジ色がおいしいと信じられているが、実は黄身の色と味は全く関係ないというのだ。その他、新鮮な卵のほうがおいしいというのも迷信。加熱調理には産卵後10日たった卵のほうがいいというのだ。日本人の知らない卵の真実が明らかに!