京都の「すぐき漬け」が不作で供給不足になっています。例年なら12月1日に出荷される冬の味覚ですが、今年は12月中旬まで販売が遅れる店も出ています。また、収穫量も少ない状況で蕪(かぶ)も小さいものになっています。
例年なら「すぐき漬け」の自販機を見かけても良い時期ですが、今年は1度見かけただけで「すぐき漬け」は品切れ状態になっていました。
京都の「すぐき漬け」が不作で供給不足
京都で「すぐき漬」が供給不足で売切れ状態になっています。
毎年12月に出荷され、1月頃でも上賀茂や西賀茂で「すぐき漬」を生産する風景が見られるのですが、2017年12月は「すぐき漬」を売っているのを見かけることが少なく、すでに完売(予約販売のみ)されているお店もあります。
・千枚漬け(聖護院かぶら)※不作※
・すぐき漬け(すぐき=蕪の変種)※不作※
京都の三大漬物と呼ばれる「すぐき漬け」は冬の味覚で、先行して10月初旬から出荷される「千枚漬け」も12月初旬に供給不足だと報道されています(2017年12月8日の記事)。
上賀茂の「京都なり田」さんのサイトでも、2017年11月頃から「すぐき漬けの不足」が書かれており、12月16日までオンライン販売も停止していました。
また、京都市北区上賀茂の「玉田農園」さんでも台風によって小さい「すぐき漬け」しか出荷できていないことが報告されています。
・蕪(かぶ)が供給不足
・蕪が例年と比較して小さい
根菜類(こんさいるい)の不足は続いている
2017年12月30日に八百屋さんで取材した際にも「聖護院かぶら」や「すぐき」などの根菜類(こんさいるい)の不足は続いていると話していました。
まったく出荷されていないわけではありませんが、供給不足による野菜の争奪戦により「3倍程度の価格高騰」が常態化していることを心配されていました。
また「今なにを食べたら良いのか分かっていない客が激増している」ということも話されており、季節野菜の情報発信について強化していくことを検討し始めてもいました。
2016年は京都の味覚や食材などがテレビで数多く紹介されていたのですが、2017年初頭からグルメ番組が減っています。そのため、京都の食材についても広く認知されていなかったのが2017年でしたが、そこに台風による野菜不足と価格高騰で「野菜が余計に売れない」状況になっているのです。
すぐき漬け不足の原因
2017年10月22日に発生した「台風21号」の影響で野菜が高騰することは、すでに10月23日の記事で詳細に解説してある通りですが、原因は「長雨・全国的な台風による代替地不足、台風一過後の日照り」によるところが大きいと言えます。
単に台風が来ただけでは野菜は高騰しないのですが、日本全国を台風が横断したことで「代替地不足(全国的な野菜不足)」になったことが大きな原因です。
また、台風直前に降り続いた長雨により「収穫する前に台風が来た」ことも野菜不足を助長させる要因になっています。
・台風の前に雨が続き収穫できない時期に台風が来た
・そのせいで畑が水浸しになった
・結果、土中に育つ根菜類が根腐れしてしまった
・土の上に実る野菜も台風一過後に水面に反射した太陽熱で茹だってしまった
京都で「すぐき漬け」が品切れ状態 まとめ
年末に出荷される京都の「すぐき漬け」は、2017年の台風21号の影響で「蕪も小さく、出荷量も少ない」状況です。
そのため、すぐき漬けの出荷が半月ほど遅れており、野菜不足の影響から予約分のみの出荷で「一般販売」を中止するお店も出ています。
慶応元年創業の千枚漬け発祥の店「大藤」さんでも「すぐき漬 販売中止に関するお知らせ」が告知されています。
京都の上賀茂神社前にある「すぐきや六郎兵衛」さんでは12月1日から出荷されていますが、10月の時点で「すぐき不足である」と告知されていました。
京都の「すぐき漬け」は10日程度の発酵で出荷され、根菜である「すぐき」は夏頃に種植えされ12月中旬まで収穫されます。
当然、全部がそうではないので収穫・出荷時期は農家でずれるものです。
そのため、もう少しまとまって見かけるのはもう少し先のことになるかもしれません。
例年であれば、京都では4月頃まで「すぐきの自販機」で販売されているのを見かけます。
しかし、今年は購入予定があるのなら、見かけたら買っておく方が良いでしょう。