【飛地救出?】スレイマン大帝廟(びょう、スレイマンシャーの墓)飛び地救出作戦でトルコとイスラム国は蜜月の仲(ISIS/ISIL)

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政治担当です。この記事は2/23 0時過ぎのバージョンを2/23の11時にリライトしたものです。

2/22にトルコ軍はシリア国内にあるスレイマン・シャーの墓の「スレイマン大帝廟(びょう)」というトルコの飛び地に軍事侵攻を行いました。

名目上は自国兵救出作戦となっていますが、シリア政府の許可もなく行った軍事活動で侵略行為になります。また、戦闘も一切なく、蜜月の仲である「イスラム国」との関係を疑われています。

トルコは新しいテロ国家になる


ここ数ヶ月、米英を中心とする「有志連合」はイスラム国に対して空爆を行いました。もちろん、イスラム国を実質的に裏で支援するような行動を取っていたのは米英ですが、単純に右左・敵味方で判断できないのが国際情勢です。

また、早い段階から米英など「有志連合」の60カ国は、シリア・イラク北部の油田地帯に自治県を持つクルド人を資金的にも軍事的にも支援してきました。

しかし、ここにきてトルコの立ち位置に変化が生じています。それは、トルコとイスラム国の「蜜月の関係」にあります。

「トルコが新しいテロ国家?」

そう思われるかもしれませんが、これは私の持論でもなんでもなく、ここ最近の世界の潮流なのです。

トルコ・シリア国境の町「コバネ」をクルド人が防衛

クルド人が住む、シリア・トルコ国境の町「コバネ」(コバニ=Kobanî=Ayn al-Arab=عين العرب)はクルド人居住地域です。

ここに、イスラム国は数多くの戦闘を仕掛けてきましたが、シリア内戦が始まってから攻め落とすことができていませんでした。

しかし、「コバネ」のクルド人部隊はイラクのクルド自治政府(ペシュメルガ軍)の支援も得て、さらに米英有志連合がイスラム国を空爆したことで、イスラム国との長い防衛戦争に勝利し、イスラム国は敗退するに至っています。

2014年9月からの有志連合による空爆の75パーセントが、コバニとその周辺地域を標的にしたものです=米英有志連合の空爆の目標は「クルド」人支援だった→後でクルド人とイスラム国を戦わせる為。

しかし、このクルド人の勝利を一貫して妨害してきたのが「トルコ」です。

  • ISISへ武器や資金そして戦闘員はトルコ経由でシリアやイラクへ入っている。
  • トルコはイラクからのクルド人部隊(ペシュメルガ軍)の通過を渋ってきた。

トルコは長年、自国内のクルド人組織「PKK」と戦っており、「コパネ」のクルド人も関係があると考えてきましたが、それ以前にイラクとイスラム国は蜜月の仲でもあるのです。

トルコとイスラム国は蜜月の仲

  • ISISとトルコの間に戦闘はない。
  • イラクのトルコ領事館がISに占領され、48人が人質になったが好待遇で釈放。
  • トルコ軍がシリア領に密入国し潜入調査をしたところISISに保護され釈放。
  • トルコがシリアより領外支配地域として得ている「スレイマン大帝廟」に駐屯するトルコ軍部隊がISISに包囲され補給途絶するが、困ったトルコ軍のために、ISISが補給物資をトルコから「スレイマン大帝廟」へ運んでいた。

トルコとイスラム国は、これまで争ってはきませんでした。トルコ軍の被害はなく、またイスラム国の人質になったトルコ人はもれなく解放されており、待遇も良かったことがわかっています。

それは、これまでトルコがイスラム国の実質的な支援国であったからです。

そして、それは最近起きた「スレイマン大帝廟」包囲事件からも見てとれます。

後藤健二さんの人質事件で、なぜ日本政府はトルコではなく、イエメンに本部を置いたのかは疑問とされてきました。しかし、ここ昨今のトルコと有志連合の関係を見ていると、あえて日本政府がトルコに協力関係を求められない理由も見えてきます。

「スレイマン大帝廟」包囲事件


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トルコは、シリア領内に支配地域を持っています。これは「領外支配地域」でシリア政府から認められた支配です。その支配地域が「スレイマン大帝廟」です。ここは、先ほどの「コバネ」に近い場所にあります。

「スレイマン大帝廟」(スレイマン・シャー廟=Tomb of Suleyman Shah)には、シリア領内でありながら、トルコ軍部隊が駐屯していました。それを、ISISが包囲して立退きを要求していました。(イスラム国を擁護する気はありませんが、イスラム国は敵対組織ではない場合は、いきなり攻め込んだりはしていません。まず、話し合いをしています。)

結局、トルコは立退きを拒否してきましたが、「スレイマン大帝廟」駐屯部隊への補給が途絶しまいました。そこで、困ったトルコ軍のために、ISISは補給物資を(トルコに代わり)「スレイマン大帝廟」へ運んでいました。

「スレイマン大帝廟」は、オスマン・トルコ帝国建国の父である「オスマン・ベイ」の祖父にあたる「スレイマン・シャー」の墓のことです。

「スレイマン大帝廟」奪還出来レース事件


このトルコの飛び地「スレイマン大帝廟」ですが、イスラム国に包囲されていたため、トルコ軍が遂に奪還作戦を行うために、2/22攻め込んでいます。

兵力は約600名、戦闘車両100両の規模と、そこそこの攻撃です。

しかし、前述のように、これまでイスラム国は「スレイマン大帝廟」のトルコ軍を包囲しつつも、攻めこむことはせずに、食料や水などはトルコに代わって補給をしていたのです。

イスラム国は包囲はしつつも(支配地域内なので別にいなくても包囲していることにはなる)、立ち退きを要求するだけで、特に攻め込んだりしていなかったのです。

案の定、トルコ軍はシリア領内の「スレイマン大帝廟」に救出部隊を攻め込ませましたが、まったく戦闘が発生していません。

トルコとイスラム国が「蜜月の仲」であることは、今回の事件が証明しています。

今回のトルコによるシリア越境はシリア政府の了承を得ないまま行われました。つまり、これは軍事侵略であり、トルコは非難されるべき事態です。

シリア軍は「有志連合」と共同で空爆開始。シリアとトルコの立場が入れ替わった。


今回、米英有志連合60カ国はシリア・アサド政権の実質的な許可を得たことから、シリア国内でイスラム国に対して空爆を実行しました。

シリアも、有志連合と共にイスラム国への空爆を行っています。

このことで、シリア・アサド政権とクルド人は歩み寄っています。これは、元々そんなに仲は悪くなく、アサド政権はクルド人自治を認めていたので当たり前なのですが、逆にトルコとクルド人そして「有志連合」の国々との軋轢が生まれています。

トルコ擁護のためか、英国に拠点を持つシリア人権団体は、先日に「シリアのアサド政権がアレッポで反政府組織の家族を空爆した」と世界に訴えました。しかし、その人権団体はシリア反体制組織のスポークスマン的組織でもあり、かつシリア・アサド政権が有志連合と共にイスラム国空爆をして「有志連合」との仲も改善しつつあることから、英国に拠点を持つシリア人権団体の主張は空振りに終わっています。

また、シリア反体制派からは、有志連合による「コバニ」奪還を支持しない動きが出ていますが、それも大きく空振りして終わっています。トルコとシリア反体制派が、悪役になる時代(もともと大義はなかった)が来たのかもしれません。

そして、このトルコの立場の転換は、日本も注視していなくはならないのです。なぜなら、中東と同じことが東アジアで起こった時に、今のトルコのような目に遭うのは「日本」だからです。

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