【シリア停戦か】2/19深夜、シリアの北部の街「アレッポ」で六週間の局地的な停戦がアサド大統領から提案される

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政治担当です。いつも、朝早く(4時頃)起きて、欧米の情報を集め始めるのですが、二時頃に速報が入っていました。

日本時間の2/19深夜、シリアの北部の街「アレッポ」で六週間の局地的な停戦をシリア・アサド政権が考えても良い意向であることが報じられています。

これは、2/17に国連特使とシリア・アサド大統領との間で行われた会談の中で出た話です。

シリア・アレッポでの停戦をシリア・アサド政権が提案


2/17の国連安全保障理事会で「シリア政府が六週間の空爆と地上攻撃を停止する用意がある」ことが、国連特使により報告されました。

これに対して、特使のデミストラ氏は「経験上、楽観できないが、他の地域への停戦につながる可能性はある」と期待を寄せました。

現在、アレッポは東西を政府軍と反体制テロリストに二分する形で戦闘が行われていますが、かつて存在していた「自由シリア軍」はすでにほぼ存在しないと言われており、「イスラム戦線」と「イスラム国」が反体制派の主流となっているようです。

現状では、アレッポでの停戦は実質的な内戦の停戦と同等で、それが実現できれば、アサド政権としては「国外からの敵と戦う」という大義名分だけとなり、アサド政権にとって有利な展開となります。

これまでの簡単なシリア内戦の流れ

  • 世界各地で「アラブの春」が発生
  • アメリカ共和党系&イスラエルにより「自由シリア軍」が創設
  • シリアでも反体制運動が発生
  • アサド政権は当初は黙認
  • 自由シリア軍が市民を襲撃し「アサド政権の仕業」と流布
  • アサド政権と自由シリア軍が内戦を始める。
  • アル・ヌスラ戦線など外国人傭兵を含むイスラムのサラフィ主義者が混乱に乗じてシリア内戦に参戦し非人道行為を繰り返し、それを「アサド政権の仕業と流布」
  • 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)は当初は共同戦線でシリア政府軍と対峙
  • 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線の間でも戦闘が起きる。
  • 現在のイスラム国である「IS」がイラクから内戦に参加。サラフィ主義者として非人道行為を繰り返して自分たちの成果だと世界に流布を始める
  • シリア政府軍と自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線とISが乱戦を繰り返す。
  • 自由シリア軍本部(外国から指揮)に不正・腐敗がはびこる
  • 自由シリア軍実戦部隊にも不正・腐敗がはびこる。
  • 自由シリア軍が機能しなくなり、自由シリア軍に参加していた「イスラム戦線」(シリア人)が自由シリア軍の実権を得る。
  • アル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)の多くが「IS」に吸収される。
  • シリア反体制派が混乱している隙にシリア政府軍が盛り返す(ここまで2013年)
  • シリア政府軍・イスラム戦線・ISの三つ巴の戦いになる。
  • 一時は反体制派の牙城だったアレッポはシリア政府軍とイスラム戦線が東西で二分するようになる。
  • ISはイラクに近い「ラッカ」を制圧し、支配地域を拡大。
  • 現在に至る

アレッポなど各地でシリア・アサド政権が有利な中での一手の意味は?


現在、シリア政府軍は「アレッポ」を半分掌握しており、イスラム戦線と戦闘中です。そこに「イスラム国」が覇権拡大を狙って攻撃している状況なのですが、ここに来て、国際世論が「イスラム国許さん」という中で、シリアのアサド政権が六週間のアレッポ停戦を呼びかけたことは、アレッポでの「イスラム戦線」との本格的な停戦合意で主導権を得るための足がかりと推測されます。

オバマ政権がシリア反体制派を本格的に援助しない中、イスラム戦線に選択の余地は少ない


自由シリア軍はアメリカ軍が訓練した部隊だと言われていますが、それはオバマ政権の意思ではないとも言われています。基本的に、オバマ政権はシリアに限らず、世界的に軍縮の動きを続けています。

そのため、「イスラム戦線」など自由シリア軍だったシリア反体制派は、シリア政府軍に押されており、ここで停戦合意に踏み込んで、共同で「イスラム国」と対峙するという選択肢が生まれます。アサド政権の狙いはそこにあるはずです。

アル・ヌスラやISも元は親米中東国の支援を受けていたと言われる


シリア内戦に後から入ってきた「アル・ヌスラ戦線」や「IS」も、その背後には親米的(共和党寄り)な中東の湾岸石油諸国の援助で生まれたことは言われてきました。つまり。アメリカのオバマ政権の中東未介入政策に不満を持った反アサド国家が、自ら「アル・ヌスラ戦線」や「IS」を生み出したと言われてきたのです。

イスラム過激派は基本的に反米であり、そこに矛盾性はあるのですが、敵の敵は味方ということはよくあることです。

オバマ政権(民主党)はアサド政権には空爆はしませんでした。しかし、「アル・ヌスラ戦線」や「IS」は目の上のたんこぶであり、今回シリアやイラクで有志連合として空爆に踏み切ったのは、「アル・ヌスラ戦線」や「IS」が明らかにアメリカ共和党が背後にいる確信があるからだと推測されています。

その他の「イスラム国」関連記事はこちらです。

イスラム国の正体

  1. 2004年
    • 「アルカイダ分派」としてイスラム教スンニ派過激派武装勢力をアブムサブ・ザルカウィが設立
  2. 2006年後半
    • 組織再編で、ISI(イラクのイスラム国)となる。
  3. 2013年4月
    • 組織再編で、ヌスラ戦線を編入。今後「イスラム国」を名乗ることを示唆。
  4. 2013年後半
    • アメリカ・ワシントン政府が「イスラム国」を「ISIL」と呼び出す。(ISIL = Islamic State in Iraq and the Levant)
  5. 2013年後半
    • 米報道では「イスラム国」を「ISIS」と呼び出す。(ISIS = the Islamic State in Iraq and al-Sham)
  6. 2013年後半
    • 「イスラム国」は「イスラム国」利用を主張。(Islamic State)

一時期「ダーイッシュ」(DAIISH)とも呼ばれていました。これは悪役っぽい呼称。

後に「イスラム国」に編入される「ヌスラ戦線」は、自由シリア軍・イスラム戦線などと共同作戦を行ってきた組織で、当時から過激なイスラム原理主義者として知られていました。

「ヌスラ戦線」には、当初から外国人傭兵が5000人いると言われており、今の「イスラム国」に外国人が多いのもそのせいです。

そして、「ヌスラ戦線」に戦闘員を派遣していたのが、アメリカや親米中東国家(トルコ)などでした。

なお、日本では、今でも「自由シリア軍」とマスコミで報じられますが、実体は崩壊しています。その分派であった「イスラム戦線」が現在は勢力を持っており、この「イスラム戦線」は過去に、司令官が人JIN肉食べたと報じられ話題となったあの武装勢力です。

2010年まで4年間駐在した当時は、シリアの社会全体は非常に明るかった。父の跡を継ぎ2000年に発足した現バシャール・アサド政権は紛れもない独裁政権です。が、彼自身は、反アサドの欧米や周辺国が作り上げた悪のイメージとは違い、体制内改革を推進していました。閣僚たちには、傲慢を捨て国民とともにあれと折を見て訓示し、治安当局には国民との関係改善を進めさせていました。一部の不満分子には厳しく対処しても、一般市民への態度は先代とは劇的に変化していたんです。

そういう意味でアサド大統領はかなり努力しました。ところが2011年3月に最初の民衆蜂起が発生し、政権転覆をおそれた治安当局は再び牙をむきだした。アサド現政権の10年間の改革は水泡に帰してしまった。

一連の反体制派による内紛を、アサドは外国から押し付けられた戦争だと思っています。国内の反体制派組織は約3000で、大半はいわゆる強盗団ですが、いくつかの勢力は外国から支援を受けている。アサド政権としては、外国が資金・武器・兵站支援を止めさえすれば、1カ月で事態は収まると考えていました。

http://toyokeizai.net/articles/-/49687

オススメできるシリア関連書籍


そこらへんの信用できないジャーナリストではなく、中東専門家の本ばかりです。

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イスラム国の正体 (朝日新書)

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これは、日本人のシリア在住大使「国枝昌樹」さんが書いた真実の記録です。シリアの実態がこれで分かります。

出版社の異なる同名のプロパガンダ本は間違っても買わないでください。

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シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

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アサド政権を現地で見た実際の様子が書かれています。日本で報道されてきた内容がどれだけ大嘘かが分かります。

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こちらもおすすめです。イスラエルがどれだけ欺瞞に満ちた国家か分かるように真実の報道に迫ります。

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