【イスラム国未来図】『Dabiq』(ダビク)で人質とされていた21人のキリスト教コプト信者が処分される映像が出回る

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今朝くらいから、イスラム国の発刊するWeb雑誌『Dabiq』(ダービク)の最新号について書いた記事へのアクセスが伸びました。過去記事が伸びる時は、似たような話がまたあったということですが、これはAFP通信も既に報じたように「イスラム国がリビアでエジプト人キリスト教徒(コプト教)の信者21人」の映像などを公開したからです。

URL: https://socialcam.com/u/qY1v1sj0

この21人が人質になっていることは、すでに『Dabiq』(ダービク)では記事になっていました。

イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は15日、リビアで拘束したエジプトのキリスト教の一派であるコプト教の信者21人を◯首する場面を写したとする映像を、インターネット上で公開した。
映像では、浜辺で黒装束の男らがオレンジ色の服を着て手錠をかけられた人質21人を◯首する場面が写っている。撮影場所は、リビアのトリポリ(Tripoli)県内とされている。
ネット上の機関誌ダビク(Dabiq)最新号でイスラム国は、リビアでエジプト人21人を人質に取っていると述べていた。コプト正教会は声明で、斬首されたのはエジプト人コプト教徒であることを確認したと発表し、犯人らには裁きが下ると「確信している」と述べた。

これに対して、エジプトのシシ大統領は報復攻撃を示唆し、実際に初めてのイスラム国空爆に参加することとなりました。

【イスラム国】エジプトがイスラム国に対して報復爆撃を実行、F-16が参戦

日本では驚きの声もあるが、これ過去何度も何度もあったのに日本人は誰も問題視していなかっただけ


作者が同じじゃないかと思えるまとめブログ2つで先ほど記事になっており、「後に引けない状況」と煽っていましたが、実はこういったことは過去に何度も何度も起きています。

ほぼ毎日かのように起きています。

公園の一角や、広場、そして街中などで起きた映像が頻繁に流れています。

毎日、イスラム国の機関誌やTweet、海外報道を追っていれば当たり前のように目に入ってきます。

また、キリスト教徒(コプト教)は、シリア内戦が始まった頃に実は町ごと住民(老若男女子供関係なく)が処分されています。

単に、これまで日本人が目を向けていなかっただけです。ちゃんと報道もされています。

「影響が大きい」との声もあるけど


1月に後藤健二さんの件もあり、そういったことに目が行くようになったからでしょうか、この人質の事件がTweetで流れています。

にわか評論家のように「影響が大きそうだ」との声がありますが、上に書いたように過去に何度も何度も毎日のように起きていることです。今更「影響が大きそうだ」ではありません。もうすでに被害は甚大なのです。

なので、この話で何か影響が大きく広がって、事態が急展開するというわけではありません。

すでに、オバマ大統領は地上軍を派兵することに決めています。

また、先日はイラクの米軍基地にイスラム国の兵士が小規模の攻撃(20名程度で)を仕掛けており、近々「イスラム国」による「米軍基地」への総攻撃も計画されています。

その前に、オバマ大統領が先手で周囲を空爆するのか、それとも撤退するのか、どっちでも政治的には良い状況は産まないものの、判断を迫られているのが、最新の状況です。

今回はリビアの海岸で行われた


今回の事件は、リビアのトリポリ(Tripoli)県内の海岸だと言われています。

なぜか日本ではこれが話題になりません。

リビアのトリポリって、狭い範囲の話で、シリアからもイラクからも、かなり離れています。

元々、イスラム国は「ISIL = Islamic State in Iraq and the Levant」や「ISIS = the Islamic State in Iraq and al-Sham」と呼んできたように、リビアも将来的な勢力範囲に入っています。つまり、かつての「イスラム帝国」の領土を復権し、欧米西洋諸国の引いた国境を引き直すのを目標としている集団です。

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(出典:http://my.shadowcity.jp/2qLcJaV.jpg)

こういったことから、リビアでも活動していて不思議ではないのですが、海岸沿いで大手を振って、こんなことをしていることが問題なのです。

日本で報じられているのはシリアとイラクの一部だけど


イスラム国が支配地域にしているという地図を一度はテレビで見たことがあるでしょう。

「イスラム国」のWikipediaでは、この勢力範囲が地図になっています。

2015-02-16_145441

これによると、アフリカ大陸の二箇所に赤印がついており、リビアのトリポリにも印がついています。

ここには、イスラム国を支持する現地のゲリラがいます。今回の件はそのゲリラが行ったものです。

「イラク・リビア・シリア」

いずれも、西側諸国が難癖つけて、政権を潰した(又は攻撃した)国家ばかりです。

こういうことも、日本では話題になりません。今回の件は、たぶん「リビア」とか場所は興味ないだけかもしれませんが。

過去のキリスト教徒(コプト教)信者への仕打ち

冒頭で、キリスト教徒(コプト教)は、シリア内戦が始まった頃に実は町ごと住民(老若男女子供関係なく)で処分されていると書きましたが、当時はシリア反体制派からは「シリア・アサド政権の仕業だ」と声明が出て、欧米でもそのように報道されましたが、とんでもない話です。

シリアでは、キリスト教信者はアサド政権寄りなので、やったのはシリア反体制派なのは確実です。

シリアでは、反体制派の武装勢力がやったことになっていましたが、サラフィー主義者などの反対制派だった可能性は、今回の事件を見ても十分可能性は高いことの証明となるでしょう。

その他の「イスラム国」関連記事はこちらです。

イスラム国の正体

  1. 2004年
    • 「アルカイダ分派」としてイスラム教スンニ派過激派武装勢力をアブムサブ・ザルカウィが設立
  2. 2006年後半
    • 組織再編で、ISI(イラクのイスラム国)となる。
  3. 2013年4月
    • 組織再編で、ヌスラ戦線を編入。今後「イスラム国」を名乗ることを示唆。
  4. 2013年後半
    • アメリカ・ワシントン政府が「イスラム国」を「ISIL」と呼び出す。(ISIL = Islamic State in Iraq and the Levant)
  5. 2013年後半
    • 米報道では「イスラム国」を「ISIS」と呼び出す。(ISIS = the Islamic State in Iraq and al-Sham)
  6. 2013年後半
    • 「イスラム国」は「イスラム国」利用を主張。(Islamic State)

一時期「ダーイッシュ」(DAIISH)とも呼ばれていました。これは悪役っぽい呼称。

後に「イスラム国」に編入される「ヌスラ戦線」は、自由シリア軍・イスラム戦線などと共同作戦を行ってきた組織で、当時から過激なイスラム原理主義者として知られていました。

「ヌスラ戦線」には、当初から外国人傭兵が5000人いると言われており、今の「イスラム国」に外国人が多いのもそのせいです。

そして、「ヌスラ戦線」に戦闘員を派遣していたのが、アメリカや親米中東国家(トルコ)などでした。

なお、日本では、今でも「自由シリア軍」とマスコミで報じられますが、実体は崩壊しています。その分派であった「イスラム戦線」が現在は勢力を持っており、この「イスラム戦線」は過去に、司令官が人JIN肉食べたと報じられ話題となったあの武装勢力です。

2010年まで4年間駐在した当時は、シリアの社会全体は非常に明るかった。父の跡を継ぎ2000年に発足した現バシャール・アサド政権は紛れもない独裁政権です。が、彼自身は、反アサドの欧米や周辺国が作り上げた悪のイメージとは違い、体制内改革を推進していました。閣僚たちには、傲慢を捨て国民とともにあれと折を見て訓示し、治安当局には国民との関係改善を進めさせていました。一部の不満分子には厳しく対処しても、一般市民への態度は先代とは劇的に変化していたんです。

そういう意味でアサド大統領はかなり努力しました。ところが2011年3月に最初の民衆蜂起が発生し、政権転覆をおそれた治安当局は再び牙をむきだした。アサド現政権の10年間の改革は水泡に帰してしまった。

一連の反体制派による内紛を、アサドは外国から押し付けられた戦争だと思っています。国内の反体制派組織は約3000で、大半はいわゆる強盗団ですが、いくつかの勢力は外国から支援を受けている。アサド政権としては、外国が資金・武器・兵站支援を止めさえすれば、1カ月で事態は収まると考えていました。

http://toyokeizai.net/articles/-/49687

これまでの簡単なシリア内戦の流れ

  • 世界各地で「アラブの春」が発生
  • アメリカ共和党系&イスラエルにより「自由シリア軍」が創設
  • シリアでも反体制運動が発生
  • アサド政権は当初は黙認
  • 自由シリア軍が市民を襲撃し「アサド政権の仕業」と流布
  • アサド政権と自由シリア軍が内戦を始める。
  • アル・ヌスラ戦線など外国人傭兵を含むイスラムのサラフィ主義者が混乱に乗じてシリア内戦に参戦し非人道行為を繰り返し、それを「アサド政権の仕業と流布」
  • 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)は当初は共同戦線でシリア政府軍と対峙
  • 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線の間でも戦闘が起きる。
  • 現在のイスラム国である「IS」がイラクから内戦に参加。サラフィ主義者として非人道行為を繰り返して自分たちの成果だと世界に流布を始める
  • シリア政府軍と自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線とISが乱戦を繰り返す。
  • 自由シリア軍本部(外国から指揮)に不正・腐敗がはびこる
  • 自由シリア軍実戦部隊にも不正・腐敗がはびこる。
  • 自由シリア軍が機能しなくなり、自由シリア軍に参加していた「イスラム戦線」(シリア人)が自由シリア軍の実権を得る。
  • アル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)の多くが「IS」に吸収される。
  • シリア反体制派が混乱している隙にシリア政府軍が盛り返す(ここまで2013年)
  • シリア政府軍・イスラム戦線・ISの三つ巴の戦いになる。
  • 一時は反体制派の牙城だったアレッポはシリア政府軍とイスラム戦線が東西で二分するようになる。
  • ISはイラクに近い「ラッカ」を制圧し、支配地域を拡大。
  • 現在に至る

オススメできるシリア関連書籍


そこらへんの信用できないジャーナリストではなく、中東専門家の本ばかりです。

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イスラム国の正体 (朝日新書)

↑ とにかくこれがおススメです ↑

これは、日本人のシリア在住大使「国枝昌樹」さんが書いた真実の記録です。シリアの実態がこれで分かります。

出版社の異なる同名のプロパガンダ本は間違っても買わないでください。

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シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

↑ こちらも「国枝昌樹」さんの本です ↑

アサド政権を現地で見た実際の様子が書かれています。日本で報道されてきた内容がどれだけ大嘘かが分かります。

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報道されない中東の真実 動乱のシリア・アラブ世界の地殻変動

↑ こちらも「国枝昌樹」さんの本です ↑

こちらもおすすめです。イスラエルがどれだけ欺瞞に満ちた国家か分かるように真実の報道に迫ります。

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【送料無料】 混迷するシリア 歴史と政治構造から読み解く / 青山弘之 【単行本】

↑ 中東専門研究員 青山弘之さんの本です ↑

こちらも現地の報道をつぶさに精査して、公正に記録された書籍です。アメリカの欺瞞がよく分かります。

その他の「政治担当」記事はこちらです。

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