1/27 11時頃に投稿された「新たな動画」については、すでに記事で書いてありますが、そのメッセージの始まりは「I’m Kenji Goto Jogo.」でした。
I’m Kenji Goto Jogo.
一番最初のイスラム国(ISIS/ISIL)の動画に付いた後藤健二さんの名前にも「JOGO」(ジョゴ)が付いています。
ビデオに「JOGO」が付くのは、イスラム国が確認した名前なので、パスポートに表記された氏名であることは確実です。
追記:以下文章、分かりづらい可能性がありますので、最初に結論を書きます。
後藤健二さんは日本人の可能性が高く、奥さんが「城後」姓で、健二さんが奥さんの籍に入って、パスポートに「旧姓を別名表記」した可能性が一番高いです。ネトウヨが流布する「在日説」はデマである可能性が高いと思われます。
記事の内容
パスポートには名前を併記できる
Kenji Goto Jogo
このように「後藤健二 JOGO」と書かれているのは、パスポートに名前が2つ書かれているからです。イスラム国はパスポートに書かれたアルファベットをそのまま使用しているだけです。
では、パスポートに名前は2つ書かれるものなのでしょうか?
実は、ある特殊事情の場合のみ、パスポートに「別名併記」ができることになっています。
パスポートの「別名併記」
パスポートには、特別な場合のみ「別名併記」が出来ます。
別名併記とは
別名併記とは、パスポートの旅券面の姓名に括弧書きで別名を併記することです。
別名併記は、国際結婚、父あるいは母が外国人、二重国籍、移住者、長期滞在者、留学等の理由で、渡航の便宜から真に必要と判断された場合に限り、例外的に認められます。
http://www.pref.gunma.jp/04/p03600020.html
少々ややこしいのですが、以下の場合が該当します。
苗字(姓)の後だと、「国際結婚」や「親が外国人の場合」や「旧姓」。
名前(名)の後だと、「二重国籍者」「ミドルネーム」
「ミドルネーム」は、この中でもやや特殊で、そう書いておかないと通商上などで問題が起きる場合などが該当します。それ以外は戸籍上の問題で「別名」がある場合です。
外国人配偶者や外国人の父あるいは母の姓を併記する場合
例)戸籍上の姓が「赤城」で、外国人の配偶者の姓が「ピーターソン」(PETERSON)の場合
パスポートの姓 AKAGI (PETERSON)
↑ 後藤さんの場合は上に該当する可能性があります。 → 後述あり
二重国籍者が外国名を併記する場合
(例)戸籍上の名が「真理」で、所持する外国旅券の名が「MARY JANE」の場合
パスポートの名 MARI (MARY JANE)
「JOGO」(ジョゴ)さん、ご両親のどちらかが外国籍の可能性について
「親が外国人の場合」は、ご両親のどちらかが外国籍の場合、日本の役所で出生届けをすると、別名は姓の後ろにつきます。
つまり、後藤健二さんは苗字(姓)の方に併記があることから、外国人の父あるいは母の姓を併記している可能性もあるという話です。ただ、国際結婚とか旧姓を名乗っている可能性もあります。
ちなみに、「二重国籍者」と「ミドルネーム」である可能性はゼロです。
「二重国籍」を取得する場合、日本でありえるパターンは以下のとおりです。
- 日本人の父親と外国籍の母親の間に生まれる
- 日本の役所で、日本人の親の戸籍に登録する。
- 外国の役所で、外国人の親の戸籍にも登録する。
しかし、22歳になるまでに、どちらの国籍にするか決定する決まりのはずです。
後藤健二さんの年齢であれば、「二重国籍者」ではありません。
そして、日本国パスポートを所持していることから、国籍は確実に「日本国」です。
かといって、「ミドルネーム」であるのかという話ですが、「Jogo」というミドルネームを仕事でも使っていないし、認められるとは思えません。
また、ミドルネームの場合は「ファーストネーム」の後ろに強引に付けて、戸籍に登録するしかないため、「Kenji Jogo Goto」となります。
その他の可能性について
では、「ご両親のどちらかが外国籍の場合」という可能性や国際結婚とか旧姓を名乗っている可能性はあるのでしょうか?
ここで、もう一度イスラム国が書いた表記(パスポートそのままと思われる)を見てみましょう。
Kenji Goto Jogo
カッコがありません。
Kenji Goto (Jogo)
とはなっていません。
先ほどの、パスポートの「別名併記」であればカッコ付きになるはずなのです。
ということは、「Kenji Goto Jogo」となるには、日本の戸籍自体に「後藤 ○○ 健二」と苗字(姓)が2つ書いてあるパターンしかありえません。
これは、ありえるパターンなのでしょうか?
前述のように、ミドルネームの場合は「ファーストネーム」の後ろに強引に付けて、戸籍に登録することは可能です。
しかし、今回の場合は苗字(姓)の後ろに強引に付けて、戸籍に登録することになりますが、これは帰化した場合に可能だと思われます(推測)。
後藤健二さんの場合、「外国籍」もしくは「二重国籍者」から帰化したという推測になります。
帰化した場合の氏名の扱いについては、名前を自分で決めることができます。
その場合、氏(姓)と名で使用できる文字に決まりがあります。
帰化後に氏に使える文字
http://kikajp.net/kika_go_no_shimei.html
「空白」(全角スペース)は含まれていません。
「後藤○○ 健二」
例えば、「JOGO」は韓国名式に記載すれば以下のようになります。
韓国:【조 고】 趙(曺)高
「後藤趙高 健二」
「後藤曺高 健二」
こういう名前なら可能性はあります。その上で、旅券(パスポート)申請時に「ローマ字」のところに姓には「Goto Jogo」と書き、名には「Kenji」と書いてしまう。
これは「ヘボン式ローマ字」で申請する場合で、その場合はスペースについて記載はないのですが。。。。
実は、「ヘボン式によらないローマ字表記および別名表記を希望する場合の欄」というのがあります。
ここで、「スペース」が使えます。
第一の結論:パスポート(旅券)に「Kenji Goto Jogo」と記載する方法はあるが現実的ではない
パスポート(旅券)に「Kenji Goto Jogo」は、結構レアなパターンでしょう。
帰化申請をして苗字を以下のようにする。
「後藤趙高 健二」
「後藤曺高 健二」
パスポート(旅券)申請で、「ヘボン式によらないローマ字表記」で以下のように申請する。
姓「Goto Jogo」
名「Kenji」
でも、現実的ではありませんよね。
それに、これをもって「後藤健二」さんが外国籍だという話にはなりません。
後藤健二さんは「特別永住者」ではない
では、ネトウヨが騒いでいる「在日説」などは可能性はあるのでしょうか? 結論からいえば、可能性ゼロです。もちろん、帰化した可能性はありえますが、帰化すれば出生はどうあれ「日本国民」です。
イスラム国に拉致されている後藤健二さんと、その母親の石堂順子さんは姓が違いますが、どうなっているのでしょうか。ネットでは在日の方で通名を使っているからだという情報が流れていますが、真偽のほどは分かりません。マスコミにも後藤健二さんの経歴なども調べて流して欲しいと思います。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) 2015, 1月 29
↑ こういう連中(陰謀論系自称保守、ネトウヨ)がたくさんいます。
「特別永住者」制度というのがあります。つまり、外国籍のまま日本に永住する場合ですが、「特別」とつくように、これは戦争中に日本に来た外国人の場合です。(または、その子孫)
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/pdf/zairyu_syomei_mikata.pdf
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_2/
http://www.mindan-kanagawa.com/handbook/abroad/nyukan/
上記では、「洪 吉 童」(HONG KIL DONG)という外国人名が、「特別永住者証明書」に記載されています。
これを利用して「後藤 ○○ 健二」と登録すれば可能かもしれません。
前述しましたが、「JOGO」は韓国名式に記載すれば以下のようになります。
韓国:【조 고】 趙(曺)高
つまり、「後藤 趙高 健二」もしくは「後藤 曺高 健二」として、「特別永住者」になるパターンです。
しかし、この場合は国籍は外国籍であり、上の場合は「韓国籍」になるであろうことから、パスポート(旅券)は韓国政府が発行するものになります。
これは、「後藤健二」さんの場合、彼は日本国旅券を所持していたことから、可能性としてはゼロです。後藤健二さんは「日本国籍を持つ日本人」です。
日本政府は後藤健二さんの生命を守る義務があります。
そもそも、外国籍のまま名前が「後藤 趙高 健二」もしくは「後藤 曺高 健二」とかも考えづらいですよね。
あくまで私見だが、自分なら○ぬのを覚悟で紛争地域に行くだろうから、こうして政治利用、もしくは身代金ビジネスに利用されて祖国を悩ませるくらいなら、舌噛んで○ぬ。
— フィフィ (@FIFI_Egypt) 2015, 1月 21
↑ ネトウヨではありませんが、少し調子に乗りすぎではないでしょうか?
第二の結論:イスラム国がパスポートのカッコを省略した可能性
もうひとつのパターン
イスラム国がパスポートのカッコを省略した。
元も子もない話ですが、上の可能性はありえます。
この場合は、パスポートにはカッコ付の「別名併記」の可能性もあるので・・・・
「国際結婚」や「親が外国人の場合」や「旧姓」
という話です。
で、後藤さんの奥さんの苗字が「城後」という話も出回っているので(未確認情報)、たぶんこれが正解なのかなと思います。
要するに、妻の籍に入って、「旧姓」を名乗る場合です。
この場合、後藤健二さんは「帰化」とか関係なく、元から日本人の可能性もあります。
ただ、思うに、出生はどうあれ「日本国籍を持って、日本国旅券(パスポート)を持っている」のだから、日本人なのです。ここが一番大事です。
ネトウヨはヘタな陰謀論で「北朝鮮」とか「日本赤軍」と関係があると騒いでいますが、デマである可能性が大です。
@waeirakuya @urananashi 後藤氏の妻は城後○子というJICAの職員で、どうやら妻方の籍に入ってるみたいです。なのでパスポートは城後。仕事上で旧姓をそのまま使うのはよくある話です。彼が胡散臭くないかどうかは別の話ですが。
— 原田ノブリン (@noob_his) 2015, 1月 28
イスラム国の正体
- 2004年
- 「アルカイダ分派」としてイスラム教スンニ派過激派武装勢力をアブムサブ・ザルカウィが設立
- 2006年後半
- 組織再編で、ISI(イラクのイスラム国)となる。
- 2013年4月
- 組織再編で、ヌスラ戦線を編入。今後「イスラム国」を名乗ることを示唆。
- 2013年後半
- アメリカ・ワシントン政府が「イスラム国」を「ISIL」と呼び出す。(ISIL = Islamic State in Iraq and the Levant)
- 2013年後半
- 米報道では「イスラム国」を「ISIS」と呼び出す。(ISIS = the Islamic State in Iraq and al-Sham)
- 2013年後半
- 「イスラム国」は「イスラム国」利用を主張。(Islamic State)
一時期「ダーイッシュ」(DAIISH)とも呼ばれていました。これは悪役っぽい呼称。
後に「イスラム国」に編入される「ヌスラ戦線」は、自由シリア軍・イスラム戦線などと共同作戦を行ってきた組織で、当時から過激なイスラム原理主義者として知られていました。
「ヌスラ戦線」には、当初から外国人傭兵が5000人いると言われており、今の「イスラム国」に外国人が多いのもそのせいです。
そして、「ヌスラ戦線」に戦闘員を派遣していたのが、アメリカや親米中東国家(トルコ)などでした。
なお、日本では、今でも「自由シリア軍」とマスコミで報じられますが、実体は崩壊しています。その分派であった「イスラム戦線」が現在は勢力を持っており、この「イスラム戦線」は過去に、司令官が人JIN肉食べたと報じられ話題となったあの武装勢力です。
2010年まで4年間駐在した当時は、シリアの社会全体は非常に明るかった。父の跡を継ぎ2000年に発足した現バシャール・アサド政権は紛れもない独裁政権です。が、彼自身は、反アサドの欧米や周辺国が作り上げた悪のイメージとは違い、体制内改革を推進していました。閣僚たちには、傲慢を捨て国民とともにあれと折を見て訓示し、治安当局には国民との関係改善を進めさせていました。一部の不満分子には厳しく対処しても、一般市民への態度は先代とは劇的に変化していたんです。
そういう意味でアサド大統領はかなり努力しました。ところが2011年3月に最初の民衆蜂起が発生し、政権転覆をおそれた治安当局は再び牙をむきだした。アサド現政権の10年間の改革は水泡に帰してしまった。
一連の反体制派による内紛を、アサドは外国から押し付けられた戦争だと思っています。国内の反体制派組織は約3000で、大半はいわゆる強盗団ですが、いくつかの勢力は外国から支援を受けている。アサド政権としては、外国が資金・武器・兵站支援を止めさえすれば、1カ月で事態は収まると考えていました。
http://toyokeizai.net/articles/-/49687
これまでの簡単なシリア内戦の流れ
- 世界各地で「アラブの春」が発生
↓ - アメリカ共和党系&イスラエルにより「自由シリア軍」が創設
↓ - シリアでも反体制運動が発生
↓ - アサド政権は当初は黙認
↓ - 自由シリア軍が市民を襲撃し「アサド政権の仕業」と流布
↓ - アサド政権と自由シリア軍が内戦を始める。
↓ - アル・ヌスラ戦線など外国人傭兵を含むイスラムのサラフィ主義者が混乱に乗じてシリア内戦に参戦し非人道行為を繰り返し、それを「アサド政権の仕業と流布」
↓ - 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)は当初は共同戦線でシリア政府軍と対峙
↓ - 自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線の間でも戦闘が起きる。
↓ - 現在のイスラム国である「IS」がイラクから内戦に参加。サラフィ主義者として非人道行為を繰り返して自分たちの成果だと世界に流布を始める
↓ - シリア政府軍と自由シリア軍とアル・ヌスラ戦線とISが乱戦を繰り返す。
↓ - 自由シリア軍本部(外国から指揮)に不正・腐敗がはびこる
↓ - 自由シリア軍実戦部隊にも不正・腐敗がはびこる。
↓ - 自由シリア軍が機能しなくなり、自由シリア軍に参加していた「イスラム戦線」(シリア人)が自由シリア軍の実権を得る。
↓ - アル・ヌスラ戦線(外国人傭兵)の多くが「IS」に吸収される。
↓ - シリア反体制派が混乱している隙にシリア政府軍が盛り返す(ここまで2013年)
↓ - シリア政府軍・イスラム戦線・ISの三つ巴の戦いになる。
↓ - 一時は反体制派の牙城だったアレッポはシリア政府軍とイスラム戦線が東西で二分するようになる。
↓ - ISはイラクに近い「ラッカ」を制圧し、支配地域を拡大。
↓ - 現在に至る
オススメできるシリア関連書籍
そこらへんの信用できないジャーナリストではなく、中東専門家の本ばかりです。
↑ とにかくこれがおススメです ↑
これは、日本人のシリア在住大使「国枝昌樹」さんが書いた真実の記録です。シリアの実態がこれで分かります。
出版社の異なる同名のプロパガンダ本は間違っても買わないでください。
↑ こちらも「国枝昌樹」さんの本です ↑
アサド政権を現地で見た実際の様子が書かれています。日本で報道されてきた内容がどれだけ大嘘かが分かります。
↑ こちらも「国枝昌樹」さんの本です ↑
こちらもおすすめです。イスラエルがどれだけ欺瞞に満ちた国家か分かるように真実の報道に迫ります。
↑ 中東専門研究員 青山弘之さんの本です ↑
こちらも現地の報道をつぶさに精査して、公正に記録された書籍です。アメリカの欺瞞がよく分かります。
最新記事はトップページで!
京都発・地方が盛り上がるグルメや観光に撮影ロケ地の話題を提供!
購読するならRSSをご利用ください!
RSSはこちらをご利用ください。
マスコミ各社様の記事使用規約についてはこちらをご覧ください。
当ブログでは掲示板やSNSなど他メディアでURLや記事を紹介することはございませんので、掲示板などで記事を紹介されていても一切無関係です。誤解なきようお願いいたします。
当ブログで転載しているTweetはTwitter社の規約(2013/10)に準じた形式(API利用)によって許可された範囲で行われています。また、Tweet内容の所有権はTwitter社の規約によりTweet元のアカウント所有者にあります。そのため、当ブログでその所有権を主張するものではありません。Tweet内容については責任は負いませんので予めご了承ください。